佐々 政孝:プログラミング言語処理系 |
作成日:2015-08-30 最終更新日: |
プログラム言語で書かれたプログラムを計算機上で実行できる形に翻訳できるプログラム言語処理系について述べる。
途中までは Aho の本と同じ構成だから、Aho の本(ドラゴンブック)の邦訳と思って読むといいだろう。
本の題名は「プログラミング言語処理系」であるが、同書では以下すべて「プログラム言語処理系」である。
これは、著者によれば JIS の用語に従って「プログラム言語」を用いることにした
ためである。
コンパイラやインタプリタなどを考えるときの記法として T 図式という記法があり、p.6 で説明されている。 本書では 4 種類あるが、ここではさぼってそのうちの 1 種類だけ、コンパイラを HTML5 で書いてみたのが右図である。
原始言語が新規言語であり、目的言語が既存言語であるような変換系をを前処理系という。
ここでは、C++ という言語があるがその大部分の処理系も C 言語への前処理系によって実現されている
と記載されている。
現在 C++ の処理系は前処理系を経由するものはなく、直接アセンブラ言語を出す。時代の流れを感じる。
p.443 などに、のぞき穴最適化 (peephole optimization) という用語が出てくる。 のぞき穴ということばから、板塀に空いているいやらしい小さな穴を思い出すので私は古い人間である。 これは、コード最適化における用語である。コンパイラでは最適化器を経て中間コードから生成された目的コードを生成するが、 この目的コードに対して局所的な特長に着目して最適化することをいう。 単に局所的最適化では、中間コードの前の最適化器にある方法と間違えやすいからだろう。
書 名 | プログラミング言語処理系 |
著 者 | 佐々 政孝 |
発行日 | 1989 年 10 月 31 日 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 4600 円(税別) |
サイズ | |
ISBN | 4-00-010345-8 |
備 考 | 岩波講座 ソフトウェア科学 5 |
NDC |
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