コンピュータ日誌(2003年)

作成日: 2003-01-05
最終更新日:

2003年、コンピュータとのおつきあいの日誌です。


ディスク容量

最近私が使っているマッキントッシュの容量が足りない。買った時は4GBもあるとはすばらしい、 と思ったが、今は残りが10MBしかない。なんでこれだけになってしまったのだろう。 きっとスキャナーでいろいろなものを取ったままだからだろうな。


Blaster ウイルス

つれあいの実家で新聞を見ると、Microsoft の Windows XP ほかで、 Blaster というウイルスに感染する可能性があると報じられていた。 家に戻って自分の使っている Windows XP に修正パッチを当てないといけないと思いつつ、 今まで先延ばしにしていた。 普段使っているのは Macintosh であるので今まで問題は起きていないが、 さすがに今日は当てないといけないと思い直し、当てることにした。 さて、Windows XP のパソコンで修正パッチをダウンロードすると、そのときにインターネットにつながってしまう。 そのため、問題が起きてしまう恐れがある。 だから、Windows XP 以外のパソコンでダウンロードしなければならなかった。 しかし、私はそれを面倒に思いWindows XPでダウンロードしてしまった。 たまたま感染しなかったからよかったようなものの、いけないことである。良い子の皆さんはまねをしないように。 また、良い子になろうとしている私もまねをしないように。

ダウンロードをしようとして、そういえば、IPA で情報が提供されているはずだと思い出した。 IPA の場所はどこだろうと思い、あてずっぽうでhttp://www.ipa.or.jp/ と入力してみたら、 茨城県薬剤師会というところだった。そうか、or ではなく go か、http://www.ipa.go.jp/ と入力してみたら、 無事、情報処理振興事業協会(IPA, Information-Technology Promotion Agency-Japan)に着いた。 ここから Microsoft の修正パッチ提供ページに行くことができたというわけだ。

さて、修正パッチは無事当てることができた。ついでに、Windows XP に Service Pack 1 という パッチの集大成を当てることにした。30分以上かかったような気がするが、ともかく無事こちらも当てることができた。 作業は無事済んだとはいえ、疲れた。こんなことでは、このまま Windows を使っている気が萎えてくる。 「がんばれ!ゲイツ君」の外崎さんが今回のBlaster事件を受けて「Windows を使うのはやめましょう」と提言している。 本当に、Windows を使いたくない、そう思った。


「ラ・カテドラルでの対話」を読む

それでも、ラテンアメリカ文学の、コンピュータ的読み方は続く。 今読んでいるのは、マリオ・バルガス=ジョサ(バルガス=リョサとも)の 「ラ・カテドラルでの対話」である。 東京から広島までの往復10時間をかけても、 読み終えたのは第1部までだった。これでもまだ四分の一である。

なぜ疲れるかというと、この本(特に第1部)がマルチスレッドで書かれているからだ。 マルチスレッドとは、コンピュータ用語で、複数の仕事を細かく分割して制御することにより、 あたかもこれら複数の仕事が並列に停滞することなく実行しているかのようなふるまいをさせることをいう。 この小説がマルチスレッドというのはどういうことかというと、この小説が 「この作品は(中略)対話を大枠にして、そのあいだに、時間的な全御関係を無視して語られる幾つかの筋が、 断片的に、断わりなしに割り込んでくる。(後略)」構造をしている、と訳者により解説されているからである。 この場合の筋に相当するものが、コンピュータのスレッドである。

コンピュータのマルチスレッドの場合は、まだ素性がいい。というのは、 筋の中での時間的な順序関係は維持されているからだ。 この小説は、違う筋ではもちろん、同じ筋でも時間の順序関係が入り組んでいるからややこしい。 最初にこの小説を読み出した時は、何がどうなっているかさっぱりわからなかった。 そこでふと、筒井康隆が、ある複雑な小説を読む時にメモが必須であった、と述懐していたことを思い出した。 筒井にならいメモをとって人物の関連を整理しながら読み進めていくと、だんだん個々の筋がわかるようになり、 筋の切り替えにもついていけるようになった。

コンピュータ技術者としては、人間関係や筋の関連を UML で表記する必要があるのだろう。 しかし、私には汚いメモで十分だ。(2003-08-18)


「時との戦い」を読む

なぜコンピュータ日誌でラテンアメリカの文学の感想を書いているのだろうかと改めて自問する。 よくわからないが、一応私はコンピュータ技術者の端くれだからだろう。

さて今回は、アレホ・カルペンティエールの「時との戦い」からの数編を読んだ。 その中の短篇「種への旅」を読んで、私は UNIX の tac なるコマンドを思い出した。 tac は、ファイルを終わりの行から始めの行に向って逆順に出力するプログラムである。 しかし、本当はそんな生易しいプログラムと比較してはいけないのだろう。 オペレーティングシステムのブートストラップ機構を遡って探究するような読み方をしないといけないのだろう。 しかし、なぜそのような読み方をしないのかというと、私がブートストラップ機構を理解していないからである。

なお、カルペンティエールには「バロック協奏曲」という小説があり、 こちらにはスカルラッティが出てくるらしい。どちらのスカルラッティかはわからないが、 死ぬまでには読んでみたい。ただ、手に入れるのは大変そうだ。(2003-08-18)


「石蹴り遊び」を読む

最近、小説を読んでいない。これではいけないような気がして、 20年ほど前に買って積読状態になっている「集英社版 ラテンアメリカの文学」を読み出した。 7月に読み終えたのは、フリオ・コルターサルの「石蹴り遊び」である。 この小説は、まるでgoto 文だらけのプログラムを読むようだ。 普通に読み進む分には、単純に第1部と第2部をページ順に読めばいい。 しかし、コルターサルは、別の読み方も認めている。それは、 各節をコルターサル自身が指定した順番で読む方法である。 この場合は、ページをとびとびに移動することになる。これはとても読みにくい。 想像力を高める余地があるともいえるが、大変である。 従って、読みはじめは指定の順番で読んでいたが、半ばにさしかかってあきらめページ順の読み方に変えて、 読み終えた。

読み終えて、最後の数節だけ指定のとびとびの順序で読んでみた。 すると、この物語が終わらなくなることに気付いた。 すなわち、無限ループに陥ってしまう。まるでコラッツの予想(角谷予想)みたいだ。 この、コルターサル指定の読み方が無限ループに陥ってしまうことを発見してしまったがために、 この小説全体がプログラムとしてしか捉えられなくなってしまった。(2003-08-18)


pngファイルでも悩む

きのう png ファイルを作った。しかし、幅と高さをどうやって調べればいいのか、わからない。 Netscape Navigator では、JPEG か GIF であれば幅と高さが表示される。しかし、png ファイルでは表示されない。 iCab でもできない。Internet Explorer でもわからない。 HTML では、img タグに width と height を明示的に記載すると画像表示がわずかに速くなるから、 情報が欲しいと思ったのだ。

同じく困ったことに、png ファイルは私が使っている Macintosh の場合、あまり圧縮がされないようだ。 GIF はユニシスの特許問題がからんでいるので使いたくないし、JPEG は線画が汚くなってしまうからだ。 (2003-05-05)


Perl でも悩む

Macintosh で UNIXコマンドのtouchに当たることをするには、どうしたらよいのだろうか。 テキストだったら適当に何か書き換えれば良いが、バイナリ画像である。うまくいかないだろうか。 AppleScriptを使えばうまくいくのだろうか。 それから Perl で、File::Copyモジュールでcopyやmoveはできることがわかった。 では、append (concatenate)する、すなわち、cat a.txt b.txt c.txt > z.txt ということはできないのだろうか。 ファイルデスクリプタを使わずとも、モジュール一発でできると思うのだが。(2003-05-04)

ところで、中国語のホームページを作ったら効果があったということがどこかのホームページにあった。 中国語をなんとかして身に付けようと思ったこともあったが、道筋がわからない。 せめて、Macintosh で見ることができればいいと思っているが、わからない。 最初の状態では簡体字は入っていないようだ。 どうやら、最初のインストールディスクを用意して簡体字をインストールすれば、 ホームページが見えるようだ。まずは、やってみることにしよう。 しかし、そのためには、ディスクを整理して空き要領を増やすことが必要だ。 そして、インストールディスクを探さなければならない。 首尾よくインストールに成功したとしても、自分で中国語のホームページができるかどうかわからない。

と思いつつ、フォントインストールを強行した。インストールに必要なCDがどこにあるのか最初わからなかった。 一応ソフトは管理台帳を用意して何がどこにあるかを記しているのだが、 Macintosh の CD は書いていなかった。しかし、保管場所を思い出し、モノがあるのを確かめたので安心した。 ついでに、管理台帳も書き直した。 さて、インストールを開始した。今はMac OS 8.6 なのに、"OS 8.5 をインストールします"と表示されるので、 少し慌てる。しかし、なるべく「オプション」やら「カスタマイズ」やらの選択肢を選ぶようにしたら、 結局10分ほどでインストールができた。 フォントには、Beizing、Taipei、Seoulが追加された。 何とか簡体字とハングルのページは表示できた。でも、何もできない。当たり前だ。 中国語もハングルも知らないからだ。 ところで、なぜ Macintosh の日本語のフォントは、京都、大阪はあるのに、東京はないのだろうか。


Perl と Ruby

つれあいに、「『PerlユーザーのためのRuby入門』という本が欲しかったが、 金がないし本を置く場所もないからあきらめた」と打ち明けた。つれあいは、 「パールとかルビーとか、豪勢でいいわね」と的外れな答を返すのだった。 それはともかく、ある程度 Perl をかじった者からすると、なかなか Ruby に移行するのは大変だ。 たとえば、Perl で HTML ファイルを解析して、Web の処理をしようとするプログラムを作ったとする。 Perl では、LWP::Simple や、LWP::UserAgent、HTML::LinkExtor があって、書き方も確立されている。 しかし、Ruby で同等のことをやろうとして、はたと困ってしまった。 Web 関係は、Net::HTTP があるが、HTMLの解析には、標準ライブラリはない。 そう思って気になっていた。 そんなあるとき、 「たのしい Ruby」という本を見たら、自前でHTMLのリンクを解析するツールの作り方が載っていた。 これを使うのも一法だろう。しかし、これは重複するファイルを抽出してしまう。 Perl の HTTP::LinkExtor が重複するファイルを探すのか、私にはよくわからない。 いずれにせよ、私にはわからない、ということがわかった。(2003-05-03)


Windows XP との格闘

実家から、コンピュータをインターネットにつなげるようにしてくれと頼まれた。 電話で話したのだけれど、うまくいかない。そこで実家に行き、実際にものを見て確かめた。

プロバイダから接続設定の簡単なパンフレットは来ているという。 しかし、詳細な設定は「インターネットのホームページを参照してください」としか書いてない。 その、インターネットにつながらないから困っているのだ。必要な鍵は、鍵のかかった引き出しの中にあるという状態だ。

嘆いていても仕方がないので、現象を確かめてみた。 まず、ユーザ名を見てみた。このユ−ザ名の前後にスペース(半角、全角とも)が入っていた。 これが悪さをしている可能性があるので、これらのスペースを取った。 そして、モデムでの接続を確かめた。すると、トーンの音になっている。パルスの音ではない。 実家はデジタル回線ではないから、これをパルスの音に変更しないといけない。 この変更方法が私にもすぐにはわからなかった。 やることは、 たとえば次の設定ガイドにあることである。 それにつけても、インターネットが使えないというのは苦労した。 そして、最後に、設定したアクセスポイントの電話番号がなぜかつながらなかった。 同じ市内局番の別のアクセスポイントを試して、やっとつなげられた。

私がバカだからかもしれないけれど、 パソコンをインターネットにつなげるというのは、初心者にはまだまだ難しいのではないかと思う。 この辺りに、街の電器屋が出ていく余地があるのではないかと思う。 実際、実家の者は「これが業者だったら金を払わないといけないねえ」というのだった。

金がいらないところが身内の気安さである。しかし、私の今の家と実家は離れている。 本当は、私が信頼できる専門家が実家の近くにいればいいのにと思う。

さて、インターネットに接続できた(Webページを表示できた)ついでに、 メールの受け方、出し方や、コンピュータに入っている英和辞典、和英辞典、国語辞典、漢和辞典の使い方を教えた。 和英辞典の使い方を教えることになったのは偶然で、 実家の者が「クワガタムシを英語でなんというかわからない。教えて」といわれて困ったことから出てきた。 早速開通なったインターネットで調べようとしたが、私が知っている英和辞典サイトにはクワガタムシが出てこなかった。 がっかりしていると、ふと思い出した。 実家のコンピュータは私が持っているコンピュータと同じ会社のもので、 私のコンピュータには英日翻訳ソフトがあるのだった。実家のコンピュータにもあるだろうと思って調べたら、 翻訳ソフトはもちろん、辞書まであるのだった。(2003-03-29)


iCab との格闘

家でインターネットに接続するときはマッキントッシュを使っている。 電子メールは Netscape を用いているが、ブラウザは主に iCab を使っている。 iCab は多少軽いような気がするし、 毎日やっている電気将棋の道場は Netscape や Internet Explorer では動作しないからである。

この iCab というのをいじっていて「キオスクモード」にしてみた。すると、 パスワードを聞かれたので、怪しいと思いつつパスワードに何も入れないまま return キーを打った。 すると、画面一杯にブラウザが広がってしまい、どんなキーを押してみてもブラウザが終了できない。 これはこわれたかと思ってリブートしてみた。 そして再度 iCab を起動すると、今度は最初からキオスクモードになってしまい、どうにもならなかった。 新しいバージョン (2.9) に変えてみたが、キオスクモードは解除できずじまいであった。 インターネットで調べると、アップルキー+Tを同時に押すことで解除できること、 そして親切に、この解除方法は、キオスクモードに入るときのパスワード入力ウィンドウに書いてあることがわかった。 試してみると、確かにキオスクモードを終了することができた。 全く、入力ウィンドウに書いてあることを良く読まないものだから、苦労する。 コンピュータが使えない人のことをとやかくいうことはできないなあ。そして私ももっと成長しないと。

さて、せっかくの機会だから iCab をもう少し使ってみることにした。 iCab の機能の中に、イメージフィルターというのがある。 これは、広告が出てくる画像だけを非表示にすることができるというもので、 広告にうんざりしている利用者にとってはありがたい。使ってみようとしたが、 非表示にするためのメニューが、私の使っている iCab にはない。よくよく調べてみたら、 iCab の新しい版では(少なくとも 2.9 では)、メニューの位置が変わりかつ非表示方法も変わっていた。 概略は次の通りである。

  1. http://www2.tok2.com/home/icab/filterset.sit をダウンロードし、解凍する。
    →filterset というフォルダーに「一般的フィルターセット」という名前のファイルがあることを確認する。
  2. iCab のメニューバーのツールからフィルターマネージャーを選ぶ。
    →フィルターを管理するためのウィンドウが開く。
  3. 「取込」ボタンをクリックするとファイル選択ウィンドウが開くので、 1. で解凍したファイル「一般的フィルターセット」を選び、「読み込み」ボタンをクリックする。
    →ウィンドウに「一般的フィルターセット」のリストが取り込まれ、チェックされている。

これでよい。広告が見えなくなるというのは、広告の場所が絵になっていないという意味であることを確認した。 気分がいい。(2003-01-18)

ひとつにまとめる

このホームページの日記のしくみを変えるために、スクリプトを変更することにした。 トップページ (index.html.ja.sjis)では、その日の日記とその前年同日の日記を同時に表示しようとしている。 このトップページから参照しているスクリプトはnova.js という名前であり JavaScript によるファイルである。 ここに JavaScript の関数をいろいろそろえているので、ここを一生懸命変えているのだが、 どうしてもその変更が反映されない。おかしいと思って数十分、やっと気がついた。 わたしが変更していたのは、ホームページ下にある taglibroj というディレクトリにある nova.js だった。 ところが、index.html.ja.sjis から参照しているスクリプトは、taglibroj というディレクトリの下ではなく、 トップページと同じ階層にある nova.js だった。 つまり、全く関係のないファイルを数十分一生懸命いじっていただけだった。

なぜ、nova.js というファイルを2つも作っていたかというと、以前の日記のファイルを作るときに、 参照位置を間違ってファイルに書き込んだためである。それを直してファイルを作りなおせればよかったものを、 その手間を惜しんで、「同じ nova.js ともう一つ作って読める場所(taglibroj ディレクトリの配下)に置こう」 と考えた。その手間を惜しんだ結果がこのざまだったというわけだ。

多重後記

2016 年 7 月

iCab のイメージフィルターであるが、現在は SeaMonkey の拡張機能である Adblock Plus を使って広告を非表示とさせている。

以上は 2016 年 7 月 10 日に記す。

まりんきょ学問所コンピュータの部屋コンピュータ日誌 > コンピュータ日誌(2003年)


MARUYAMA Satosi