システム開発者のための要求定義の基本と仕組み

作成日: 2006-12-23
最終更新日:

実務者ならではの気配りに満ちている本。 頭でっかちではなく、要求定義の実践的なコツについて実地で試すことができる。 私が感心した諸点を紹介する。

  1. 経営者、情報システム部門、業務部門の代表者の特性をタイプ別に分類し、対処法を明らかにしている。
  2. 現場で活動を行なう際、人間どうしの摩擦を和らげる方法を紹介している。
  3. 箇条書きが多用され、ポイントがつかみやすい。
  4. 具体例に富み、イメージがつかみやすい。特に最終章の実例はおもしろい。

残念に思ったのは、日本語として落ち着きの悪い表現がいくつかあったことだ。 一つだけ挙げる。「利用者には一定の不評を得ているものの」(p.244)は落ち着きが悪い。 「利用者の不評を買っているが」がよい。

誤植は次の通り。(2005-08-22)

p.5	 コラム (誤)DEF3→(正)IDEF3
p.80	脚注 (誤)川喜多次郎氏→(正)川喜田二郎氏
p.148 図版	(AsIsモデルとToBeモデルの図版が全く同じなので、要求を確認し、違いを認識する図としては不適)
p.205 1行目	(誤)デシジョンツリー/デシジョン→(正)デシジョンツリー/テーブル
p.209 脚注	(誤)To Be Done→(正)To Be Determined
書 名よくわかる最新・システム開発者のための要求定義の基本と仕組み—システムの品質を決める最上流工程 How‐nual図解入門—Visual guide book
著 者佐川博樹
発行日2005年7月26日
発行元株式会社秀和システム
定 価1800円(本体)
サイズA5判 276ページ
ISBN4-7980-1122-3

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MARUYAMA Satosi