副題は「ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説」
p.42 に「細かいSEとの仕事」と題されたコラムがある。そこにはこんな例が挙げてある。
「切り替わり時間を計ったら,20 秒,20 秒,21 秒でした。平均して 20.3 秒にしますか,それとも 20.33 秒にしますか?」
「第1版と記載しますか,それとも第 1.0 版にしますか?」
「先輩,重複は「じゅうふく」ではなく「ちょうふく」と読むのが正解ですよ」
わたしだったら次のように答えるだろうか。まず第1の問に対してはこう答える。
「おまえ、その切り替わり時間の計測単位は 1 秒単位か,それとも 0.1 秒単位かどっちなんだ?そんなことも知らずにそんな当たり前の質問をするんじゃねえ。
こころは、1 秒単位の計測時間なら 20.3 秒が正しい、0.1 秒単位ならば 20.33 秒が正しい。ただし、0.1 単位ではかったならば、 当然、〈20.0 秒,20.0 秒,21.0 秒でした。〉という報告のはずである。
次に第2の問に対してはこう切り返す。
「あん?バージョン管理の方針と基準は作ったのか?え、ない?それすら作らんで質問するとは百年早い!」
こちらのこころも、メジャーバージョンとマイナーバージョンの区別をしてバージョン管理をするなら 1.0 が正しい。 もちろん、数学的には 0.0 から初期バージョンは始めるべきだが、そこは残念ながら世間の常識にはなっていない (数学者である梅田亨氏の著書は0章から始まるが、氏ほど徹底できない)。そんなものがなければ1版から始まって、2版、3版と続く。
最後に第3のお教えには、こう対抗する。
「ありがとな。肝に銘じます。あんさんもさっき早急を「そうきゅう」ていうてたが、これは「さっきゅう」が正しいから、覚えておいてな。 それに「十桁」を「じゅっけた」と言っていたが、正しくは「じっけた」やで」
著者はいう。SE は自分の仕事になると以上に細かくなる。特に血液型 が A 型の SE に多い。うーん、そうだろうか。 どの程度の N 数で判断したのかは知らないが、血液型だけで仕事の細かさを判断するのは危険だと思う。
書 名 | ネスペ26 道 |
著 者 | 左門 至峰・平田 賀一 |
発行日 | 2015 年 5 月 1 日 初版 第1刷 2017年10月23日 初版 第3刷 |
発行元 | 技術評論社 |
定 価 | 2380 円(本体) |
サイズ | A5 判 ページ |
ISBN | 978-4-7741-7294-1 |
NDC |
まりんきょ学問所 > コンピュータの部屋 > コンピュータの本 > ネットワークの本 > 左門 至峰・平田 賀一:ネスペ26 道