阿原 一志:コンピュータ幾何

作成日:2015-12-26
最終更新日:

概要

「数学の分野としての幾何学の中に計算機を持ち込むことで,幾何学特有の数学世界をコンピュータに実装するための数学の一分野」(著者) であるコンピュータ幾何について、その内容を解明する。 具体的には、対話式幾何ソフトウエアの設計とデジタルカーブショートニングについて述べる。

感想

2つの話題は独立している。どちらもなかなか難しい。

対話式幾何ソフトウエアの設計の章は、コンピュータグラフィクス寄りの処理である。 まず、図形要素の表示において射影幾何が役に立つことがわかる。 そして、自動定理証明においてイデアルという数学の概念が援用されることに驚く。 自動定理証明ではイデアルが重要な概念であることは別の本で知っていたのだが、 その意味がよくわからなかった。この本で自動定理証明とイデアルの結びつきについて概念的なことがわかった。

一方デジタルカーブショートニングの章は数学の幾何分野、特にトポロジーを深く追求した内容となっている。 こちらも数学を扱うための道具が多く出てくる。足腰が強くないとついていけない。

書 名コンピュータ幾何
著 者阿原 一志
発行日2014 年 10 月 15 日
発行元数学書房
定 価2100 円(本体)
サイズA5 判 179ページ
ISBN978-4-903342-25-2

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