simple-statistics とは統計量を計算する JavaScript のライブラリである。統計計算や統計処理の JavaScript ライブラリとしては、 この simple-statistics のほかに jStat が広く知られている。
simple-statistics(simple-statistics.github.io) のホームページを見ると、
CDN が https://unpkg.com/simple-statistics@7.8.6/dist/simple-statistics.min.js であると書かれている(2024-12-05 現在)。したがって、
HTML の head 部に
<script src='https://unpkg.com/simple-statistics@7.8.6/dist/simple-statistics.min.js'></script>
と記述すれば、統計処理の関数群が JavaScript で使えるはずである。しかし、CDN には 7.8.6 は存在しない。現在あるのは 7.8.7 である。
では、上記の 7.8.6 を 7.8.7 に置き換えたらできるだろうか。普通の人はできるだろうが、私にはなぜかできなかった。
ローカルにダウンロードして、そちらを読むようにしたらできた。通信環境のせいだろう。
統計量は、JavaScript の配列を主な対象として算出できる。たとえば、合計を求める ss.sum()、(算術)平均を求める ss.mean() などがある。 頭に ss がついているのは、他のライブラリの関数とバッティングしないようにするためである。
<head>これを画面上に表示させてみた。
以上の方法は、JavaScript が解釈できるすべてのブラウザで可能である。もう一つ、新しいブラウザであれば、 ECMAScript モジュールシステムが使える。これは、次のように使う。
<script type='module'><script type='module'> ... </script> で囲まれている中では、ss.min ではなく、min が使える。つまり ss の文字を付ける必要はない。 simple-statistics import された min 関数が優先して使われるのでバッティングしないからだ。
これも画面上に表示させてみた。
simple-statistics で、表で数値が与えられている例は、chiSquaredDistributionTable と standardNormalTable のみである。 前者は表を JavaScript のオブジェクトの初期値で与えているが、後者は表を計算で作っている。
simple-statistics で、tTest という関数がある。これは `t` の実現値を求める関数だが、`t` 分布を与える関数は simple-statistics では用意されていない。 すなわち、自由度 `nu` の `t` 分布に従う確率変数 `T` の確率密度関数 `f(nu, t)` に関する数値計算の関数は、残念ながら用意されていない。
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