簿記の基礎

作成日 : 2022-04-02
最終更新日 :

簿記(エス: librotenado、英: bookkeeping)の基礎をまとめる。日商簿記 3 級に合格する程度を目指す。

簿記とは、組織の活動を、カネやモノの面に着目して帳簿に記録する体系である。 この体系はよくできているが、私のような初学者にはなかなか難しい。自分の理解した範囲内で記す。

まず、記帳では、カネと、カネに換算する価値を記録する。 逆にいえば、カネに直接換算できない価値は記録できない。記録する事象を取引という。

取引の記録の仕方は複式簿記によるのが一般である。複式簿記とは、取引の二面性に着目し、 その二面を同時に記録する方法である。二面性とは、原因と結果とか、目的と結果のようなものだ。 例えば、手元に 1000 円が何らかの方法で手に入ったとする。その手に入った 1000 円が、 モノを売った結果なのか、借金をした結果なのか、預金に利息がついた結果なのかによって、取引は異なる。 この二面性に着目するのが複式簿記である。

取引の二面性に着目し、その二面を明らかにすることを分解するという。 また、この分解を体系に即して明らかにしたものを仕訳という。分解そのものを仕訳ということもある。 仕訳の項目は簿記の体系によって決まっている。これを勘定科目という。場合によっては単に勘定という。 なお、以降は仕訳時のの単位(円)は省略する。

仕訳の例を見る。

モノを売って現金 50,000 円を得た。

すると、次のような仕訳となる。

仕訳
借方科目金額貸方科目金額
現金50,000売上50,000

二面性はいいだろう。借方(かりかた)科目に現金という勘定があり、貸方(かしかた)科目に売上という勘定がある。 では借方とか貸方とは何か。仕訳では単にそれぞれ左側、右側という意味であり、それ以上の意味はない。 なぜ借方とか貸方という名前になったかというと、それは歴史的経緯によるとしかいいようがない(私にはわからない)。 左と右のどちらが借方でどちらが貸方を覚えるには丸暗記するか、こじつけやごろあわせによるか、慣れるかだ。 こじつけによる覚えかたでは、「ひだ<り>のりは借<り>のり」などがある。私は、「貸借対照表」という述語を覚え、 この「貸借」の向きが逆になったと覚えている。

では、現金と売上で、なぜ現金が左側で(というより借方で)、売上が右側(というより貸方で)なのだろうか。 それは、このように決まっているからだ。手元に入ってくる現金は大事だ。だから左だ。というように覚えた。 なぜ左が大事なのか。それはこじつけでいいと思う。私の覚え方はこうだ。横書きの文章は左上から右に向かって読む。 左上に大事なものを持ってくるのは当然ではないか。

ではどちらにも 50,000 を書くのはどうしてか。冗長なような気がするが、これはこれで意味がある。 50,000 円の価値のあるモノを売って、50,000 円の現金を得たのだ。当然ではないか。

さて、別の仕訳の例を見よう。50,000 円のモノを売ったということは、モノは作ったか手に入れたかということだ。 作ったのでなければ、ヨソから仕入れたもののはずだ。

30,000 円のモノを仕入れて、現金で支払った。

この仕入の仕訳は、どうなるだろうか。

仕訳
借方科目金額貸方科目金額
仕入30,000現金30,000

現金という勘定科目が貸方になった。これはどういうことか。現金で仕入れたということは、 手元から現金が減ったということだ。このような現金の減少の場合は貸方に記す。 現金の増加の場合は借方に記す。これは、現金という勘定科目はそうするということだ。 現金が大事というのは正確に言えば、現金が増えることが大事だ、ということだ。 現金が増える場合は左上が大事という原則に基づき借方に記す。借方と貸方でそれぞれ現金の増加と減少を表わすということだ。 ある本を見たら、「現金の本拠地は借方」と書いてあった。本拠地か、なるほど。

これだけで、現金が関係する仕訳ができるはずだ。現金が手に入るなら借方に現金を書き、 貸方にその原因となる勘定科目を書く。現金を支払う場合は、貸方に現金を書き、借方にその原因となる勘定科目を書く。

さて、勘定科目にはどんなものがあるのだろうか。

たとえば、次の問題はどうだろうか。

仲介手数料として現金 10,000 円を得た。

仕訳はこうなる。

仕訳
借方科目金額貸方科目金額
現金10,000受取手数料10,000

ナントカ手数料という名目は、勘定科目ではどうあらわされるか。現金を受け取るか、支払うかで異なる。 受け取れば受取手数料であり、支払えば支払手数料だ。

従業員に現金 500,000 円を現金で支払った。

仕訳
借方科目金額貸方科目金額
給料500,000現金500,000

さて、なぜ簿記の基礎という名前のページが JavaScript にあるのか。それは、 問題の作成と正誤判定に JavaScript を使おうとしたからだ。 [取引]ボタンをクリックすると、問題がランダムに選択され、表示される。

仕訳
借方科目金額貸方科目金額

まりんきょ学問所JavaScript 手習い > 簿記の基礎


MARUYAMA Satosi