§167 名詞の順を入れ替えられる動詞

作成日:2016-04-26
最終更新日:

名詞の順番が入れ替えられる

名詞の順を入れ替えられるとは、主語の名詞と副詞句中の名詞を入れ替えても意味が通じたり、 目的語の名詞と副詞句中の名詞を入れ替えても意味が通じたりすることを指す。 このようなことができるのは特定の動詞に限られる。

主語の名詞と副詞句中の名詞を入れ替える

賢島にはボディーガードがたくさんいた。

パーティー会場には政治家がいっぱいいる。

エスペラントの場合

英語の abound には エスペラントの abundi が対応する。 同様に英語の swarm にはエスペラントの svarmi が対応する。

PIV によれば、abundi の用法としては、La lando abundis je riveroj kaj lagoj. (その土地には、多くの川と湖があった)しかない。

また、PIV によれば svarmi には 2 つの用法がある。 1 つは Sur la vasta palaca korto svarmis junuluoj en uniformoj de universilataj studentoj. (広い宮殿は制服を着た大学生で満ちていた。)という用法、 もう 1 つは、La malregulaĵoj svarmas en la naciaj lingvoj. (民族語には不規則性が多い。)という用法である。 どちらも(器でなく)多いものが主語になっているので、交換可能とはいえない。

ところが、エスペラント小辞典には次の用法があった。
La rivero svarmas per ranoj. (川にはカエルがうようよしている)
ということは、ひょっとして次のようにもいえるのか。謎である。
Ranoj svarmas sur la rivero.

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MARUYAMA Satosi