The story of the Animals.

IN THE BEGINING.

アニマルズが結成されたのは1963年。メンバーはエリック・バードン(ヴォーカル)、チャス・チャンドラー(ベース)、アラン・プライス(キーボード)、ジョン・スティール(ドラム)、ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター)の5人。アニマルズの前身となったバンドとして有名なのは、アラン・プライスがリーダーだったアラン・プライス・コンボ。だが、アニマルズの起源はそれよりもずっと以前の1957年にまで遡る。ここではアラン・プライスがアニマルズのリーダーだったという通説を捨て、エリック・バードンのバンド活動こそがアニマルズの歴史だったという観点から見ていきたいと思う。

1957年、ニューキャッスルの芸術学校に通っていたエリック・バードンとジョン・スティールが最初に結成したのが、ペイガン・ジャズメン。ジョンの話によれば、デキシーランド・ジャズを演奏していたということだ。この当時、エリック・バードンはトロンボーン、ジョン・スティールはトランペットを吹いていた。だが、この活動はそれほど長くは続かず、翌年にはエリックはヴォーカルに転向、ジョンはドラムを叩くようになる。1959年には、バンド名をペイガンズと改め、その音楽も、ジャズからブルーズ/R&Bへと移行している。そしてこの年、一緒にギグをやったことがきっかけで、当時フランク・ヘドレー・グループにいたアラン・プライスがペイガンズに参加。1960年には、3人を中心にカンザス・シティ・ファイヴ(写真)を結成。4人の固定メンバーの他は流動的で、カンザス・シティ・セヴンを名乗ることもあったという。1962年、アラン・プライスはカンザス・シテク・ファイヴを脱退、チャス・チャンドラーが在籍していたコントゥアーズに加入。このことがきっかけでカンザス・シティ・ファイヴは解散、エリック・バードンは一人ロンドンへ、ジョン・スティールはいろいろなバンドの雇われドラマーとして活動を続けることになる。やがてアランとチャスは、ジョンを誘ってよりプロ志向の強いバンド、アラン・プライス・R&Bコンボを結成。コンボはやがて、ロンドンから帰ってきたエリックを加えてギグを行うようになる。ただし、この時点ではエリックはまだ正式なメンバーではなく、ゲスト扱いだったという説もある。エリックが加わった時期については、諸説あってはっきりとしない。そして1963年、ワイルド・キャッツのリーダーだったヒルトン・ヴァレンタインがコンボに参加。当初は二つのバンドを掛け持ちしていたらしいが、この年の夏頃には正式なメンバーとなっていたようだ。この時点で、アニマルズのオリジナル・メンバー5人が出揃うことになる。

WHO NAMED THEM "THE ANIMALS"?

アニマルズというバンド名の由来については諸説ある。一番有名なのは、彼らのステージがあまりにもワイルドだったため、オーディエンスの中から「アニマルズ(けだもの)!」という叫び声が上がり、やがて彼らは自らそう名乗るようになった、というもの。次に、エリック・バードンがインタビュー等で答えているもので、彼らの友人だったアニマル・ホッグという人物の名前からつけられたものだという説。三つ目は、マネージャーのマイク・ジェフリーが考えたという説。そして最後に、彼らをクラブ・ア・ゴーゴーで発掘してデビューのきっかけを作ったグレアム・ボンド(写真)が命名した、という説。ジョンによれば、エリックが言っているアニマル・ホッグ(ちなみに、これは本名ではないそうだ)という人物は確かに実在の人物だが、これもマスコミ向けのお話で、グレアム・ボンドが考えてくれた、というのが事実なのだそうだ。では何故アニマルズなのか?ということについては想像の域を出ないのだが、やはり彼らのステージが相当にワイルドなものだったからではないだろうか。そう考えると、これまでの伝説にも一応の真実があったわけだ。

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