Hilton Valentine and Jonh Steel.
interviewed by K.Boat.
translated by Gold Wax & K.Boat
Date: 1/29/'99
Place:Sweet Basil 139
カタナ・ボート:当時の映像記録などを見ると、アニマルズの演奏はとても黒い印象を
受けるんですが、ミッキー・モストと一緒にやっていた頃の録音には、そういう印象が
薄いんです。でも、トム・ウィルスンに代わってからの録音は、ライヴの印象に近いもの
があるんですが、その理由はプロデューサーの交代でしょうか?
ジョン:もっと違う音を得ようと決めたんだ。僕たちは、ミッキーと一緒では求めている
音を得ることができなかった。ミッキーはコマーシャルなマテリアル、そう、何がヒット
するか、というようなことは知っていたし、それを探してくることに関してはいいプロ
デューサーだった。でも、音楽的に、ミッキーは僕らと同じ方向性にはなかった。僕たち
は、もっとハードなロックンロールやR&Bに関心を持っていたんだ。僕たちは、自分たちの
ことをもっと理解してくれる誰かを探していた。それがプロデューサーを交代した理由だ。
ヒルトン:トム・ウィルソンの仕事はすごい気にいったよ。彼はディランのプロデュ
ースもやってたんだ。より深い部分を実現することができたことも嬉しかったね。
カタナ・ボート:ジョン、あなたが影響受けたドラマーは?
ジョン:エルヴィン・ジョーンズだね。まあ、彼のようにプレイしようとは思わない
けど(笑)。昔からジャズは大好きでよく聴いてたんだ。まだ学生時代に僕は友達と
一緒にジャズ・バンドなんかやっていたしね。エルヴィンのステージを観た時、確か
コルトレーンと一緒にやっていた時期だと思うけど、その時のエルヴィンはすごい
ファンタステックなドラマーだった。
カタナ・ボート:実際、あなたがエリックと最初に組んだバンドは“ペイガン・
ジャズメン”というジャズ・バンドでしたよね。
ジョン:うん、デキシーランド・ジャズをやってたんだ。当時僕はトランペットを吹
いていた。そしてエリックはトロンボーン。でも実際長くは活動していなくて、その
後、エリックはいきなりヴォーカルに転向して、ドラムのやつはエレキ・ベースに、
バンジョウ・プレイヤーはエレキ・ギター、そして僕はドラムをやることになった。
だれもドラムをやりたがらないから僕がやることになったんだ。それがドラムをやり
始めたきっかけさ。ちょうど15歳の時だったね。
カタナ・ボート:ヒルトン、あなたはアニマルズの前は“ワイルドキャッツ”という
バンドにいたそうですが?
ヒルトン:スタンダードなロックンロールを演奏していた。シャドウズ、ビル・ヘイリー、
エルビス、ジーン・ヴィンセントみたいなね。
カタナ・ボート:そういえばヒルトンは初日のアンコールでピーター・グリーン
の曲を演奏していましたね。ピーターは特に好きなギタリストなんですか?
ヒルトン:そうだね。多くのギタリストの中でも特に気に入ってる。ほかにはクラプ
トンやレイ・ヴォーンなんかも好きだね。……実は一ヵ月前にピーターのステージを
観たんだけど、彼がまたシーンの第一線に戻ってきてくれて本当に嬉しいよ。その時
のプレイはラフだったけど、それでもピーターはすごいよ。彼の持っているすべてを
見せつけられたショウだった。
カタナ・ボート:ヒルトン、あなたが最も影響を受けたギタリストは?
ヒルトン:チャック・ベリーだね。
カタナ・ボート:グループ名の由来についてなんですが、雑誌のインタビューなどで
エリック・バードンが友人の名前からつけたと話していることがあるんですが・・・。
ジョン:アニマル・ホッグ(笑)?アニマル・ホッグというのはニックネームで、
本当の名前じゃないよ。彼はヘルズ・エンジェルスみたいなギャングのリーダーだった。
でもその話も宣伝用のもので、本当の話じゃない。
カタナ・ボート:じゃあ、本当の話はグレアム・ボンド?
ジョン:そう、グレアムが考えてくれた。
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