DON'T LET ME BE MISUNDERSTOOD / ERIC BURDON with J.Marshall Craig

(THUNDER'S MOUTH PRESS: ISBN 1-56025-330-4)

 エリック・バードン、10数年振り2冊目の自伝本。数年前からマニアの間では噂されていたものだ。アニマルズ結成前後から、ごく最近のことに至るまでのことが書かれている。

 エリック自身、記憶だけに頼って書いていると認めているように、資料としての正確さには欠ける。しかし、話自体はなかなか面白い。ジミ・ヘンドリクスはもちろん、ジョン・リー・フッカー、ローランド・カーク、スティーヴ・マックィーン、ジミー・ウィザースプーン、モハメド・アリ、ジョン・レノン、リンダ・マッカートニー、ジム・モリスン、ヴァン・モリスン…といった、興味の尽きない人物も多数登場。読み物としては、エリックのことをよく知らない人でも十分楽しめるだろう。還暦コンサート初日でまず最初に即興で歌っていたエピソードについても述べられている。

 ただ、僕個人としては、ちょっと残念だったところがある。まず、このタイトル。前の著作は、過去をふっきれたような前向きなタイトルだったのに、今度はなんだか後ろ向きだ。まるで先のない年寄りが自らは何もせずに、自分を認めてくれない他人に文句を言っているような所があるのだ。もちろん、エリックが受けた不当な扱いや、詐欺行為には怒りを禁じえないのだが、それはもともとエリックを解ろうとしている人にしか通じないだろう。ハナからエリックを曲解している人がこれを読めば、かえって不当な評価を増すことになるのではないかと、それが少し心配だ。

 尚、この本のおかげでこのコンピの正体がわかった。こんなものを録音、リリースするようでは…と思っていたが、やはりエリック自身の許可があってリリースされたものではなかったようだ。詳しくは、レビュー又はこの本を読んでもらいたい。

 予定では、この本の出版に合わせてニュー・アルバムもリリースされることになっていた。話によると、既に仕上げの段階に入っているということだ。期待したい。

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