animal tracks - The Story of The Animals: Newcastle's Rising Sons / Sean Egan

 一部ファンの間では、一昨年からその出版が噂されていた一冊。膨大な量のインタビューを駆使して、アニマルズの実像に迫ろうとするその試みによって、これまでのどの著作よりもマニアックな内容になっている。これまでの著作でははっきりと触れられていなかった事柄についての記述が多いのはもちろん、諸説飛び交って何が事実なのかわからなかったようなことについてもそれなりの論拠から一つの結論を導き出していて、好感が持てる。ただ、ある程度予備知識のある人間ならばかなりの満足感を味わうのではないかと思うが、まずアニマルズについて知ろう、としている人には置いてきぼりの感がないではない。もっとも、巻末にはこれまでに出版された(その半分以上は絶版で入手困難だが)アニマルズ関連書籍の紹介があったり、また英米視点からのみのリリース状況ではあるけれども、基本的なディスコグラフィー及びテイク違い、レア音源についてのリストもあるので、入門者に全く薦められないというわけではない。

 この本の凄いところは、アニマルズのオリジナル・メンバーだけでなく、ズート・マネー、ジョン・ワイダー、ヴィック・ブリッグス、デイヴ・ロウベリーといった、この類の記録本ですら滅多に意見を聞くことの無いメンバーにまでインタビューを行っていること。その甲斐あって、これまではほとんど情報のなかったエリック・バードン&ジ・アニマルズ時代のことについても詳しく述べられている。ヴィック・ブリッグズ、ジョン・ワイダーの二人の消息はよくわかっていなかったのだが、ヴィックは現在、ハワイでラジオ番組を、ジョンはWarner/Chappellの著作権部門で働いているのだそうだ。あとは、92年のアニマルズ(ロシア・ツアーを行った。ヴィック・ブリッグズも参加)再結成以降の情報が無いダニー・マッカロックとバリー・ジェンキンスが何をやっているのかが気になるところ。バリーは、何でもアンティーク関係の仕事をしているらしいが…さて?

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