
THE PRICE to play / ALAN PRICE SET
アニマルズを脱退したアラン・プライスは、まずはじめに
自分のかってのバンド、アラン・プライス・コンボの名前
で新しいバンドを結成、ニューキャッスルのクラブ・ア・
ゴー・ゴーに出演するようになる。初期メンバーは、
ナイゲル・ステインジャー(テナー)、ジョン・ウォルターズ
(トランペット)、クリフ・バートン(ベース)。このうち、
テナー・サックスのナイゲル・ステインジャーはアニマルズ
結成前のコンボのメンバ−だった人物。やがて、バンド・
メンバーのうちジョンを除く他の二人に代わって四人の
メンバーが加入、名前をアラン・プライス・セットと変更し、
デッカと契約。その他にも多少のメンバー交代はあったようだが、
最終メンバーに加わった4人はブーツ・スレイド(ベース)、
スティーブ・グレゴリー(テナー、フルート)ロイ・ミルズ
(ドラム)、クライブ・バロウズ(バリトン)。当初の方向性
としては、ジャズ的な音楽を目指していたようだ。しかし、
やがてそれでは一般的に受け入れられないことに気付いたアラン
はコマーシャルなシングルを作るようになる。一枚目のこの
アルバムでは、アニマルズ時代のイメージにもつながるR&Bから
の選曲も多いが、シングルではポピュラー/スタンダードから
取り上げたものが目立つ。この再発盤CDでは、彼のその後の
音楽性に大きな影響を与えるきっかけとなる、ランディ・ニューマン
作の「Simon Smith And The Amazing Dancing Bear」を収録。
余談だが、アナログ盤のライナー・ノーツはエリック・バードン
によるものだった。この二人の関係も、他の多くのライヴァル達
同様、他人には立ち入れないものがあるようだ。

A PRICE ON HIS HEAD / ALAN PRICE
実際にはアラン・プライス・セットの曲もあるのだが、この頃
にはアラン個人の名義でリリースされることが多かったようだ。
このアルバムでは、なんと当時はまだ自分で歌うことはして
いなかったランディ・ニューマンの曲を7曲もとりあげている。
エリック・バードンがこのアルバムがリリースされる前年に
リリースした初ソロ・アルバム『Eric Is Here』でもランディ
の曲を取り上げているが、それ以上の入れ込みようだ。これ
以降、アラン・プライスの自作曲には内省的なものが多く含まれる
ようになる。