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       虫めづる姥やの虫の写真と詩(2018年)

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   ヤマトシジミ

  たとえ 色が褪せていても
  たとえ 羽が破れ傘のようでも
  君を好きだという思いだけは誰にも負けない

  君は眩しいほど美しく
  触覚の先まで溌溂としているけれど
  ぼくに不似合いというわけではない

  君がゆったりと
  ゲンノショウコの花の蜜を吸っているのが
  何よりの現の証拠



 
              〜〜2018年6月2日〜〜

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   ジガバチ

  ♀〜〜ミントの畑で出会えるなんて  うれしいな
  ♂〜〜どんな子を産むつもりだい?
  ♀〜〜わたしたちにそっくりの子に決まってるでしょ

  ♂〜〜自我 自我 自我の ジガバチかい?
  ♀〜〜似我 似我 似我の ジガバチよ


  ♀〜〜さあ、もう 飛び立つわ
       巣を掘って  青虫狩って 眠らせて
       静かにそっと 卵を産んで……

  ♂〜〜青虫をぼくらの子に育てるのかい?
  ♀〜〜お馬鹿さん 青虫の身体を借りるだけ

  ♂〜〜そうか ぼくらの子どもは 超自我か
  ♀〜〜そうよ 超似我 超似我 超似我よ


 
              〜〜2018年5月16日〜〜

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   キハラゴマダラヒトリのボーイ

  よく晴れた日に
  思春期風の歩き方をする
  毛虫のボーイに出会った

  どちらへお出かけ?とたずねると
  ぴたりと止まり 長い思案の後に
  五里霧中 デス とのお返事

  は? こちらも ぴたりと立ち止まる

  毛は晴天デスが 気持ちは霧中 デス
  しかも ぼくのデスは
  ディーイーエーティーエッチのデスでは ありません
  思春期風のデス なのデス

  ああ、ある ある わたしもそう デス
  今日も立派に思春期 デス

  ふたりは ゆっくり歩き出す
  思い思いの 思春期の方へ


 
              〜〜2018年4月5日(清明)〜〜

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   ナガサキアゲハ

  はじめまして  ピンカートン
  海峡を越えて はるばると

  さりげなく織り上げられた 漆黒の翅
  ほどよくちりばめられた 銀色の鱗粉

  長崎から 東京へ
  悪し様な風評は さておいて

  まあまあ ようこそ  ピンカートン
  今夏には マダーム バタフライと
  ツーショットを 撮らせてね


 
                 〜〜2018年1月27日〜〜

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   クロアゲハ

  あんな夏もあったよなあ

  屋根より高く舞い上がり
  事も無げにホバリング
  選んだあげくの花から 蜜を吸う

  あんな夏があったよなあ

  ぜいたくでもなんでもない
  ありがたいこととも思わず
  軽々とやってのけた夏

  あんな夏があったことを
  覚えておいたほうがいいのだろうか
  多分 覚えておいた方がいいのだろう

  軽々とは出来なくなる日が
  間近な身だからこそ
 
 
 
                 〜〜2018年1月26日〜〜


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