寝てしまいました。


と〜ちゃんパイロットになる

 長男新太郎が生まれる前に、子供の為に何かおもちゃでもそろえておいてやろう、そう思って何故かぬいぐるみを集めることにした。生まれて来る子がまだ男か女か分からない時である。ぬいぐるみなら、男でも女でも最初のうちはいいだろうと思っての事である。
 私は今、なぞのえんばんゆー・えふ・おーの操縦桿となるボタンを押そうとしている。そう、これからUFOを飛ばそうとしているのだ。目的地へ向かって右、前進と的確なボタン操作が要求される。それを巧みに操る。そして目的地へやって来たらゆっくりと降下し、標的を手に入れるのである。このUFO,1回のフライトに100円かかってしまう。
 私は実はずっと以前からこれが大好きなのである。月に一度、お小遣いをもらったら、最大1,000円の範囲で買い物に行ったついでについつい、つまんでしまうのである。1回に多いときで3〜4個は取る時も。今ではダンボールにいっぱいたまってしまったらしい。
 ところが新太郎は、ぬいぐるみには寝る時以外ほとんど興味を示さない。誰が教える訳でもないが、もっぱらの興味は車。自動車のおもちゃをあずければブーブーと言いながら一人で遊んでいる。やっぱり男なのかも。
 遥はどうだろう、女の子だしだいじょうぶだろう。と、そう期待しながら、私の楽しみはこれからも続くのである。
 そして今日もイトーヨーカ堂で、私は遥の為にUFOのパイロットになるのである。
2002.04.15 真夜中