フィリナキリバー・1
1999年12月15日 目が覚めると昨日までとはうって変わった朝だった。 そうなんです、あの、夏のニュージーランドの日差しが帰ってきたのでした。 思えば、夕べはかなり寒かった。内側まで濡れたウェイダーを乾かすのに、部屋に備え付けのデロンギのオイルヒータを使ったが、これでは足りず廊下(の暖房用?)においてあった更に大きいオイルヒータを持ち込み、暖房していた。外はずっと雨だったし。 「まだ夏は来ていないんじゃないのぉ?」そんな心境だった。更にこの年は、どこに行っても雨の日が多かった。ここに来てまでも‥‥‥。気分は落ち込む寸前。 しかし、やっとこの日、この地は夏を迎えたのでした。 ![]() ![]() ロッジのテラス、夏の朝日を受けて ガイドのピータ、1年ぶりの再会 これからの2日間、我々のガイドをしてくれるのがピータ。前年、やはり2日間ガイドをしてくれて、とれも楽しかった思い出がある。 最初、我々を見たとき『覚えてる』と言っていたが、あやしいものである。日本から持ってきたおみやげと前年の写真を見せたら、無理やり?思い出したようであった。 |
今日、これから行くのは彼お得意のフィリナキリバー。前年と同じポイントかと思いきや、さらにその上流。一旦、川の状態を確認。しかし、夕べまでの雨の影響かあまり良くないようである。更にまたその上流へと向かう。![]() ![]() 釣り始めて間もなく細い流れのところにレインボー発見。ドライでやってみるが、見向きもされなかった。 ![]() ドライには来そうに無いので、ニンフにインジケータを付けて、まいわいふと交互に釣り上がって行く。流れは徐々に太くなっていく。 なかなか当たりがこない。 ピータの聞きなれた言葉が飛んでくる。 「 next point ! 」 ![]() 別に、あんまり釣れなくったって日本の川で慣れてるけどね。 と思ってると、向こう岸の木の枝の下にキャストしたらヒット。ひっさびさの感触。38cmのレインボー。これでもけっこう引きました。 ![]() 見ればけっこうな太さのレインボー。 まずまずってとこでしょうか。 |
この少し後、浅い流れの所でまたヒット。 一旦上流へと走った相手は、反転し下流へ一直線。すばらしい勢いでリールが逆回転する。なかなか止まらない。引き出されたラインは、電柱の間を這う電線のようにゆるやかなカーブを描き水面に突き刺さっている。これ以上走られるとはるか下流の流れ込みに入られてしまう。回転するリールのハンドルに指を叩かれながら、その回転を止めた瞬間、ラインはだらしなく水面へと落下した。 「60cm以上はあった」 ピータはそう言って悔しがった。私も心から悔しがるピータに合わせ悔しがっては見せたが、内心はそれほど悔しくは無かった。姿こそ見えなかったが、川であれほどの勢いでラインが引き出されるようなファイトは今まで味わったことが無く、その興奮が悔しさよりも勝っていたのかも知れない。 その後、大きな流れ込みで何とか48cmを上げ、この日は終了。 この日の釣果は私が2尾、まいわいふは残念ながらノーフィッシュ。まだまだこれからだよ。 ピータが何やら早口でまくしたてる。どうやら、ピータは自分ひとりで車を取りに行くら ![]() 少しどころか、けっこう歩いても道路なんかない。こんなとこに二人で残されたらどうしよう。少々不安になってきたが、無事発見。橋も見つかった。 しかし、30分以上たってもピータは来ない。またまた、不安の2文字が頭をもたげてくる。道路も、車なんか全然走ってないし‥‥‥。 結局それからしばらくしてやって来たが、よく考えればかなりの距離を釣り上がって来たということ。今日はやっぱりシビアなコンディションだった訳である。 ![]() ロッジの前で “ today's memory” おんなじポーズ、きまってる? |