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     ザリガニを釣るということ



  ザリガニ、いわゆる『アメリカザリガニ』。けっこうやった経験のある人も多いと思います。かく言う私もその一人であり、しばらくの間ハマった事も事実なのであります。何を隠そう、 “ サイトフィッシング ” なのですから。サイトフィッシングって言うからには、ザリガニは魚か!なんていう人もいるでしょうね。魚なんです。魚介類?なんですもの。

  小学校の低学年の時代。34〜35年も前のことでしょうか。
  当時、家の近くは何の為なのか、やたら沼がた〜くさん有りました。そして約半分は草が生えた湿地帯。クチボソ、ザリガニ、タニシ、ヤゴ、ゲンゴロウ、タガメ‥‥、水生昆虫の図鑑に載ってるような生き物が、それこそ沢山おりました。
  私の住んでいた小名浜(福島県)と言う所は、当時から国際港として諸外国の船が行き来する “ 国際都市 ” としてそれなりに有名だったんですけど。まぁ、そんな場所でした。

  学校から帰ると、適当な長さの竹など拾って(なぜかそんなものが、よく道端に落ちてまして)、少しばかりのたこ糸を持って、ポイント?に行くわけです。そして、竹の棒の先っぽにたこ糸をくくり付けてタックル?を完成させます。
  エサはどうするか。湿地帯の草を踏みつけながら歩いていくと、必ずトノサマガエルが現れます。それをつかまえ、(いま考えればちょっと残酷で、よくそんな事が出来たかと思うんですが)それを地面に叩きつけ失神させ、足から皮を剥いで白身にします。それをたこ糸の先に縛り付け準備完了!

  あとは、沼をのぞきながらサイトで攻めるのみ。
  ターゲットを発見したら、そいつの鼻先にそっとプレゼンテーション。中にはスルドイやつがいて、尻尾を使いあたかも魚雷を発射したかの如く、土煙を残しながら一気に駆け去るやつも。でも、殆どはまんまと騙され、その大きな両のハサミを使い、ちぎっては自分の口にエサを運びます。そして、すっかり安心しきって、がっちりと片方のハサミでエサをつかんだらこっちのもの。そのまま持ち上げればゲット!!

  そんな風にして片っ端から釣っていったものでした。中には “ トウフ ” と呼ばれる脱皮したてのやつなんかも釣れたりして。でも、体のでっかい真っ赤なやつが釣れればヒーロー。1ぴきでも多く釣った者もヒーロー。
  そして最後はリリース。あの時代、知らず知らずのうちに、キャッチ&リリースなんかやっちゃたりして。でも、ホントウは持って帰ると叱られたからだったりして‥‥。でもでも、一度なんか持って帰って、尻尾の肉をフライパンで揚げて食べたりもしたことあるんだなこれが。

  今のように、TVゲームなんか無い頃のなつかしい思い出です。