旅日記Vol.34
雨上がりの街を
  2002.9.28


 ●大阪へ行ってこようか

冬でもないこの時期、二人で大阪へ行くのなら今までなら当然クルマだった。でも今年始めのみっちーツアーで大阪・神戸への電車の旅にすっかり馴れてしまい、考えてみると確かに日帰りならクルマのほうが安くはなるものの、駐車料金とその場所が問題。時間的にも電車の2時間半〜3時間弱は魅力だし、なんといっても運転しなくていいのは大きなメリット。日帰りだと帰り道は疲れを引きずっての運転になりがちだし、安全を考えるとクルマ案は…

ということで、迷った挙句電車での大阪往復と決定。行きは時間が読めなかったので自由席にして、帰りは最終の「サンダーバード49号」指定席に決めた。

日頃の行いが悪いせいか、その日は朝から雨。いや前日から雨だった(笑)。週間予報で雨というのが判っていたのも電車にした理由かも。
うまくいけば8:06発の「サンダーバード10号」に乗れるかな…と少し早起きしてみたものの、金沢駅に着くとタッチの差で逃してしまった。でも続く8:15発の「雷鳥12号」には間に合った。JR西日本管内でお馴染みのコンビニ「Heart-In」で朝食を買い、電車に乗り込むと金沢始発ということもあって自由席はまだまだ余裕。先発の「サンダーバード」は人気列車なので自由席は厳しかったかも…などと自分に言い聞かせてみたりして(笑)。

なぜ大阪行きを決めたかというと、実は春に買ったエアロ用のシューズが少しくたびれてきて、新しいのを買いに行くのが主な目的。たかがシューズぐらい…と思われがちだけど、ちゃんと自分の足にフィットするシューズじゃないとケガの素だし、実際に履いて確かめる必要があるということ。金沢ではメンズサイズのエアロ用シューズなんてどこにも置いてないのが実情だから。それにウェアも欲しかったし、秋物の服も欲しいなーなんて思ったから。

予報では大阪の雨は午後には上がるとのコト。でも電車に乗っていると途中雨足が強くなったりして、電車にして良かったなーなんて胸をなでおろしてみたり。でもそのつもりで傘を持ってこなかったので、着いてから雨になったら困るなあ…

10月に高架化される小松駅はもう殆ど工事も終わってあとは秒読み段階といったところ。福井で自由席はほぼ満席に。どうやら北陸線特急の人気は大阪方面のサンダーバード効果と越後湯沢・東京方面のはくたか効果も合わさって、ここ数年かなり回復傾向にあるようだ。

電車は北陸トンネルに入ると心持ちモーターの回転音が高くなり、130km/h走行になった。この北陸トンネルの線路は平坦ではなく、敦賀に向かって少しの間上り勾配になった後はずっと下り勾配になっている。「雷鳥」「しらさぎ」などの485系クラシックの特急は、大阪・名古屋方面行きは下り坂も手伝って130km/hで飛ばせるが、反対の金沢・富山方面行きは、そこまでは出ないとか。

湖西線に入った頃には雨も上がり、電車はモーター音も快調に大阪を目指した。

旅の思い出話 その1 寝台急行「つるぎ」 金沢→京都

今では富山-大阪間なんて3時間半で走る時代だけど、昔は同じ区間をのんびりと夜行寝台急行が走っていた。それがこの急行「つるぎ」。北アルプスの剣岳の名をとったものだ。
ボクが小学生の頃、父と京都へ行くのにこの列車を利用した。B寝台車だった。ところが子供の頃とてやはり旅行というコトで興奮して眠れず、結局米原あたりまで起きていたのを覚えている。眠れないまま車内の床を見つめていたら、なんとネズミがゴトゴトッと走っていて驚いた。

後にこの列車は新潟-大阪間の寝台特急になりビジネス客に愛用されたが、利用者が減り今は走っていない。

さてどこから見て回ろうかとウキウキしながらも(笑)、大阪には11:07定刻に到着。ここまでボク達を運んでくれた485系クラシックは京都所属A07編成。大阪方はもう数少ないボンネット型だった。

JR西日本485系 A07編成
雷鳥12号 大阪に到着!

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 ●さあ大阪でお買い物っと

まずはエアロ用ウェアからというコトで、OSビルのティップネス梅田へ。BODY BODY WEARのタンクトップとショートパンツ、BODY GROVEのタンクトップをゲーット!次はシューズ。阪急イングスのフィットネスフロアのリーボックショップへ行ってみたけど、欲しかったモデル(ERGOパワートレーナーW DMX)は履いてみると感触が固めでボクには違和感があり、ちょっとNG。考えた挙句リーボックにこだわる必要もないかとミズノに鞍替えして(笑)、結局Work-Out KUの白に決定。なかなか履き心地もよさげ。#2は予定どおりERGOパワートレーナーW DMXを購入。
ボクはエアロ用シューズだけ0.5cm大きい25.5cmのを履くんだけど、金沢あたりのスポーツ店には25cmまでしか常備してなくって、履いて試せないのが難点。取り寄せても実際足に合わなかったら悔しいしねえ。もっとも店のスタッフがそこまで詳しくないのも問題アリかと…。

競技用シューズのコンペティション ケニー(ミズノ)にも少し心が動いたが…競技エアロなんかしないからいいかー(爆)。

お昼は定番?の焼売太楼でハーフ麺定食。ついでにあんかけ揚焼売も。いつもながら旨いねえ。

次はDA MISSのアウトレットショップのあるATCマーレへ移動。地下鉄中央線の車窓からは来年のサバイバルエアロビクスの会場に決まった大阪市中央体育館が見えたり。また3月にはここへ来るコトになるのかな?買物を前に「珈琲館」で一休み。キャラメル・ラテにアップルパイも食べちゃった(笑)。今日だけね。
ここのショップはカタログに載っていない商品や、カタログ落ちしてバーゲン価格になってる商品がたくさんある。ボクはウェアをもう買ってしまったのでTシャツを1枚だけ。#2はうまくカタログ外のタンクトップをゲット。

エアロ買物に心を満たされ、少し外に出て潮の香りを実感。

ATC

WTCタワー

大阪南港

ATC海側のテラス

WTCタワー

大阪南港に停泊する船

梅田に戻り、今度は秋物の服を見ようと最近出来たイーマへ。大阪もかなり東京のスタイルの店が増えてきたなあ。

Shipsは少し客層の年代を高めにした設定。なかなか渋いものが多くて心が揺らぐが値段も高め。結局ここではアローズでいいカンジの色の長袖カットソーをゲット。続いてHEPへ移動してアバハウスでも長袖カットソーを。いやー来てみてよかった今回の大阪。#2もこれからの季節にとセーターやスカートなぞ。

とどめは旭屋書店で「鉄」関係の本。すっかり荷物も増えたが、そろそろ晩ゴハンの時間。最後は炙屋の焼肉だー!という話になり、混んでるかなと思い店に電話してみると、歩いていく頃には席が用意出来る様子。のんびり食べる時間がなかったのがちょっと残念だったけど、旨い焼肉が堪能出来てホント満足。
時計は20:30を回り、そろそろJR大阪駅へ。

旅の思い出話 その2 夜行急行「立山3号」 金沢→大阪

「つるぎ」と同じく富山-大阪間の夜行急行だったが、こちらは全部座席車の475系電車。普通車じゃ眠れないだろうと父がグリーン車を奮発してくれた。いざ乗ってみるとまるで別空間のように思えた。
ちょうど乗った日は40分以上の遅れで金沢を発車したものの、かなりののんびりダイヤだったらしく吹田辺りで目覚めると、電車は定刻運転に戻っていた。
夜明け前の大阪駅に着いたところで、当時はコンビニなどなく、朝まで時間を潰すのに苦労した覚えがある。

その後夜行急行「立山3号」は特急用583系が転用されるまで比較的長く続いたが、これも今は廃止されている。

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 ●金沢へ

サンダーバード683系と新快速223系2000番台

帰りの電車は20:51発で最終の「サンダーバード49号」。電車は683系だったが、今年春のJR西日本ダイヤ改正で160km/h対応の先輩格681系は、多くが越後湯沢行き「はくたか」の高速化にコンバートされており、こちら「サンダーバード」では683系を見かけることが多くなった。

先日JR西日本は名古屋・米原行き「しらさぎ」「加越」に来春の新車投入を発表した。この新車はグリーン車のマイナーチェンジが予定されている他、外観ではJR東海のイメージカラーであるオレンジの帯が追加されるという。確かに新車になればますますサービス向上となるが、「鉄」の目からは老優485系の活躍の場がまた狭まるのが寂しいのは否めない。
このままなら485系クラシックの最後のステージは、やはり生まれ育った「雷鳥」になるのだろうか。昭和39年12月のデビュー以来、住家である京都総合車両所(国鉄時代は向日町運転所)を離れることなく関西と北陸の間を走りつづけた485系クラシック。最期の日までオリジナルの姿のままで活躍して欲しいと願うのは、「鉄」なら誰しも同じだろう。

旅の思い出話 その3 夜行急行「きたぐに」 金沢→京都

これはまあなんとスリリングな…という話。当時の「きたぐに」はもちろん青い客車を繋げた列車だったが、この時もグリーン車。かなりくたびれてはいたが…今となってはボクにはこれが唯一の客車のグリーン車。
当時は食堂車も連結されていて、朝になり「朝食の用意が出来ました」と放送があった。京都で降りるボクと父にはあまり時間もなかったのでそこで食べることは出来なかったが、珍しさもあってチラリと食堂車を見に行った…。
しかし…ボクと父はその日の特急「雷鳥」で金沢に戻ったが、続いて青森に向けて出発した急行「きたぐに」は、北陸トンネル内で食堂車から出火、列車は火に包まれ多くの死傷者を出す大惨事を起こしてしまった。つまり、ボクと父が乗ったその編成が、その夜燃えてしまったのである。何ということだ。ボクが見た食堂車が火元だったなんて…。

客車急行列車の食堂車はこれを期に全国で廃止されてしまった。ただし急行「きたぐに」は、今や最後の583系夜行列車として現存している。

車内はUSJ帰りの客が多く、指定席を押さえておいて正解。大阪駅を発車してまもなく梅田のビル街が見えるが、いつもこの風景に金沢に帰るというのを実感する。
淀川を渡り新大阪に停車、新幹線からの客を乗せ、電車は北陸路を目指して行く。京都でほぼ満席となって、長等トンネルを抜けると右手に琵琶湖の夜景が広がった。それもしばらくして少しずつ光が少なくなっていき、電車は高速走行で漆黒の闇を切り裂いていく。

敦賀で寝台特急「日本海3号」を追いぬき、あとは福井に停車すれば次は金沢。定刻23:22到着。金沢はまだ冷たい雨が降っていた。

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今回の旅は、慣例(笑)を破り電車日帰りにしたが、帰り道のコトを思えば、これが正解だった。翌日は疲れも感じずスッキリと目覚め、夕方には買ってきたウェアとシューズを持って、いつもどおりにルネサンスでエアロと筋トレも出来たんだから。

さて、次の旅は…実はANAのマイレージが15,000マイルを既に超えているので…(爆)。

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