春はまだ遠かったが… '2000.3.8


前々から思っていたが、関西私鉄ストーリーは昔からのボクの記憶を中心に、ほとんど取材もせずにウチにある資料とで書いてしまったのがたたって、写真のないページだというのは気になっていた。それにレイル・ストーリーにも関西ネタがあって、これまた取材が必要だ。ウムウム。
しかし、年度末も近づいていてこれから先休みも取りづらくなる…それなら今のうちに行ってしまえ!!ってなワケで急遽京都・大阪・神戸取材となった次第。気がつくと前日に指定を押さえていた(笑)

 ★時ならぬ積雪

予報では確かに雪だとは言っていたが、所詮は春の淡雪、せいぜい雪化粧する程度だろうとタカをくくっていたら、朝起きたら一面の銀世界!!早めに家を出て金沢駅に向かう。幸い道路は思ったほどの混雑ではなく、搭乗便…じゃなかった電車発車時刻の40分前には着いた。余裕余裕(笑)。
駅とはいえ金沢じゃ絶対的に人が少ない。これが朝のラッシュ時か?と思わせる程だったが、電車が着く度にドッと改札から人波が降りてきて少しホッとする。

8時6分発のサンダーバード10号でまずは京都へ。サンダーバードなんて凄いネーミングだが、実は北陸線の主力である特急の『雷鳥』を単純に直訳しただけ。その雷鳥は立山に棲息する鳥の名前だが、サンダーバードはアラスカに棲息する「かみなりどり」という別の鳥の名前。そのサンダーバードが北陸線にデビューした時は、キャンペーンも兼ねて乗務員がテレビのサンダーバードの隊員の格好で乗務していたらしい。

車内は暖房が程よく効いて暖かかったが、富山あたりから乗って来たとおぼしきオバサン達のグループがうるさいのに閉口。そんなに我先にと大声で喋らなきゃならないものかね。しかも説教たれてるし。せっかくインバーターの音を楽しもうと思っていたのにサッパリ聞こえず。

サンダーバードは雪景色の中を疾走!!福井あたりまで来ると金沢よりも雪が多く、ホントに3月かなあと思わせる。このサンダーバード(JR西日本681系)は同じ型が上越新幹線接続の『はくたか』にも使われていて、そちらはほくほく線内で在来線国内最速の150km/h走行を行っている。
こちらでは最高130km/hだが、乗った10号は停車駅が最も少ないタイプで金沢の次は福井、その次は京都だ。速い速い。

湖西線に入るとお馴染みの電源切替(交流→直流)だが、さすが新型、従来からのスーパー雷鳥、雷鳥と違って室内の照明が消えない。乗客が気づくはずもなく、案内のアナウンスもなかった。

滋賀県に入っても雪の量は減らず天気を心配しているうち、高島あたりから急に景色から雪がなくなり、晴れてきた。つい先日琵琶湖毎日マラソンの舞台となった皇子山のグラウンドが見えたらもう大津。トンネルを出て山科で姫路行き新快速と併走。一旦は抜かれたが再び抜き返す。こっちは特急だぞ。東山トンネルを出たら今度は新大阪行きのぞみが併走。結局新快速も追いついて仲良く並んで京都着。所要2時間と6分。

 ★さて取材だ まずは京都から

ここんとこ関西はクルマばっかりだったので、新しくなった京都駅はこれが初体験(笑)。でも時間が惜しいので探検してみたいキモチを抑えて早速地下鉄烏丸線で四条(烏丸)へ。駅を出ると「あの〜、高島屋は何処でしょう」と道をたずねられたが、「あ、それなら四条通りに出て右へ行けばいいですよ」と答えてしまう自分。ボクは京都人じゃない。でもスンナリ答えられるのは何故??(でも高島屋は四条河原町だから歩くには…まあいいか)
そこから一駅歩いて四条大宮へ。

まずは嵐山へ行く「嵐電」(京福電鉄)から。京都市電も消えて久しく、路面電車色の濃いこの路線は、京阪京津線の三条京阪-山科間が地下鉄東西線になってしまって三条通から消えてしまったので、今では京都の「市電」の雰囲気を残す唯一の存在だ。

四条大宮で待っていた電車に乗ると、ゆっくりと、ゆっくりと電車は走る。ワンマン化されていて「チンチン」とは鳴らないのは寂しいが、三条口からは路面電車(併用軌道)となり、ずっと昔に戻ったような気にさせてくれる。窓から射し込む春の陽射しが柔らかい。

途中の太秦で取材。もちろん「鉄」取材だったが、太秦といえばもちろん「東映太秦映画村」。ついでに前まで行って写真だけ撮ってきました(笑)。

嵐山にも行って見たいけど…渡月橋あたりいいだろうなあー。でも今日は取材。西院まで戻って今度は阪急京都線。その前に西院駅周辺を取材して電車に乗る。

取材のため水無瀬という駅で降りたら、いきなり隣の線路を新幹線『のぞみ』がボクの髪の毛を逆立てる程の勢いで通過していった(笑)。すごい風圧と音!!乗った電車は阪急じゃないの?なんで新幹線?その話は関西私鉄ストーリーで。

そのあと豊中の「鉄」模型の店へ行ったら、よく考えたら水曜で休みだったのに現地で気づいた。時すでに遅し。次の取材地は神戸。

 ★神戸は歩くぞ

阪急宝塚線で十三へ戻り、神戸線に乗り換えて三宮へ。もちろん特急。しかも1両目(笑)。やっぱり「鉄」がかぶりついていて苦笑したが、ボクは西宮北口まで記憶があるがあとはウトウト…。気がつくと王子公園を通過中。程なく三宮着。

せっかく神戸に来たんだしと思って元町まで歩いてみた。南京町は相変わらず観光客ばかり。三宮に戻りがてらデジカメの電池切れでSeidenで電池買って、ついでにアバハウスなんかも覗いたりしたら、おやおやこのカットソーといい、デニムのベストもいいなあ。…散財しに来たんじゃないっ!!今日は取材だ!!(笑)
有酸素運動も兼ねて阪神国道をスタスタと春日野道まで歩く。けっこう距離あった(笑)。途中のバス停であとどのくらいか確かめようとしたら、後ろでバスを待ってたおっちゃんが「もう、来るで」親切に、ありがと(おおきに…か)。こんどは阪神電車取材。

駅に着くと「まもなく大阪方面行きの電車がまいります」のアナウンスで急いで写真撮り。こんどは西九条へ行くのでその電車に飛び乗ると、山陽電鉄から乗り入れの大石止まりだった。大石で再び梅田行きの普通電車に乗り、御影で特急に乗り換え。再び西宮で急行に乗り換え。またまた尼崎で西大阪線に乗り換え。煩雑なようだが、関西私鉄はこうして緩急接続が実にうまく行われていて、感心するばかり。となりのおっさんが広げていた新聞があの中目黒の事故を報じていたが、「東京で事故」「大惨事」の見だししか見えなかった。もうすこし詳しいことが判ったのは帰りに大阪駅から見えたマルビルの流れるニュースだったが。

 ★今度は大阪だぞ

西九条で取材してJR大阪環状線で天王寺へ。別に天王寺まで行く必要もなかったのだが、電車でGO!の風景を楽しんでみたかっただけ(笑)。関空快速がやってきた。この電車は初体験だ。

大阪ドームが見えた。でかいがヘンテコな屋根だなあ。

天王寺に近づくと「フェスティバルゲート」があった。あれだけの敷地によくまあ詰め込んだものだ。ジェットコースターなんか狭くて面白そう。世界のお風呂もいいかも(笑)

天王寺から地下鉄御堂筋線で梅田へ。しかしこの距離で\270は高いなあ。営団地下鉄なら\160位かな。でも駅のメロディに大阪を実感した(笑)のでよしとするか(?)。

御堂筋線梅田駅で今日最後の取材。これにて終了。旭屋書店で「鉄」の本を買い溜めしてニッコリ。お腹ペコペコになったので桜橋の「焼売太楼」で、あのとろけるようなシューマイを。うますぎ。そういえば東京新橋にも同じ名前の店があるのは知っていたが、その事を店の人に聞いてみたら実はそっちが本店で、大阪の店は暖簾分けなのだという。そうか!今度から上京してもこのシューマイが食べられるのか!(ニヤリ)今度みんなで行こうねー。

少し時間が出来たので、HEPファイブへ。さすがに屋上の観覧車には乗れなかった(笑)。
新宿フラッグスよりも規模は大きかった。というのも昔の阪急ファイブの頃より建物がずっと大きくなっていたからだ(同じくらいと思っていた)。

いきなりゴルチェ・オムを見つけ、肩がレースアップになってるカットソーに心を許してしまった。それに透け素材のカットソーも…また散財してしまった。くーー(この日悪魔は囁かなかったと思うんだけどなあ)。

 ★帰途は奮発

思いきり取材して、やっぱり散財もして、やがて帰りの時刻となり大阪駅へ。今度はサンダーバード41号(大阪18:42発)だが、思いきって憧れのグリーン車を奮発しちゃった。

静かで速くて広くてシートもよく出来ててしかもヒーター内蔵。客層も良く静かな空間だ。新大阪で新幹線に接続、京都に止まるとあとは湖西線を北陸へ一直線。シートテレビもついてて至れり尽せり。京都発車後におしぼりが配られた。あまりにいい乗り心地だったせいか、背中が暖かくなったせいか、それともよく歩いたせいか眠くなって、目覚めると琵琶湖バレイが見えたが、その頃はもう周りが白かった。雪だ。

近江今津を通過するあたりから、まるで飛行機で雲の中を飛ぶ時のように白いものが水平に流れていくようになった。その雪をついてサンダーバードは快走。深坂トンネルを抜けたら敦賀。次の長いトンネルはあの北陸トンネル。時折雪が強くなったりしながらも高速走行は続く。福井で先行する特急日本海を追いぬくが、函館行きなのに青森行きと表示していた。雪のせいで青森止まりになったのかなあ。

やはり福井は雪が多かったが、石川県内に入るとそれほどでもなく一安心。それでも小松に停車する前のアナウンスでは途中の徐行運転のため、4分遅れで運転中だと言っていた。あの走りで4分遅れとは。雪も止み、金沢までの20kmあまりで1分縮めてしまうハイパワーぶり。

最近通いだしたスポーツクラブ(リーブ・ルネッサンス)のあるパークビルが見えてきた。金沢到着。降りるのが惜しいくらいだった。

サンダーバードは素晴らしかった。ただし、国鉄時代からそのままの車内アナウンスは…もう時代遅れかな。でも、グリーン車…クセになりそう。

電車の旅って…やっぱりいいなあ。さて、取材もしたしあとは書くだけか(笑)。

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