マルフク百景
100marufuku
13分/HDV/2009
[解説]8ミリからメディアをHDVに換えての第一作。前々からまるでインスタレーションのように、いい路地やいい時代落ちした建造物に寄り添うように貼られている「マルフク看板」をテーマにしたいと考えていた。あれこれひねったコンセプトを持ち込まず、シンプルに100景色を並べるだけにした作品。「マルフク看板貼り師」のもつ「美学」が伝わればそれでOK。

クラゲと亀裂
Jellyfish and Slits
15分/HDV/2010
[解説]街のなかに存在する多種多様な「亀裂」「割れ目」を映像収集して並べてみることにしたのだが、それだけではつまらない。何か別のものが必要なのだろう、何か反対の概念に属するようなものが、と、長いこと考えていたのだが、たまたま訪問した新江ノ島水族館でクラゲを見て「これだっ!」と。

1979/2010
15分/HDV/2010
[解説]1979年に自転車でブラブラしながら、8ミリでスケッチ撮りしたフィルムが出てきた。「じゃ、30年後のいまをHDV撮りして並べてみっか」と着手した。30年経ているから当然のように風景は大いに変化している。が、それよりも、8ミリフィルムとHDVというメディアのちがいによる質感の相違の方が大きいことに驚かされる。

夜のてのひらの森
Palm Forest at Night
26分/HDV/2011
出演=古関千華子、山崎幹夫
[解説]6がみっつ並ぶ地番を調査する女、チェプキと、彼女のアタマの確かさに疑問を抱きつつも肉体目当てで運転手をするコスプレフェチの中年男、ルカニ。女の奇矯な行動と言動に、ついに男は河原に女を置き去りにしてしまう。

赤バット娘
Red Bat Girl
22分/HDV/2011
出演=こもだまり、山崎幹夫
【解説】コスプレフェチの中年男ルカニ(山崎)はカリンパと名乗る女(こもだ)を被写体にアダルトビデオを撮ろうとする。しかしエロいシーンになると、どこからともなく現れる赤いバットにはばまれてしまう。

遊星少年パピィの路地
A Prince Planet Alley
12分/HDV/2012
【解説】作品にするしないは関係なく日常的に狭く細くどこまでも続く路地をさまよい歩くことに快楽を感じているのだけれど、たまたま関西方面に出向いたときにゆらゆらと歩いた路地が素晴らしく、歩きながら撮った映像をそのまま作品にしたもの。途中、カセット入替えしただけの2カットだけの作品。タイトルは作品の冒頭ちかく、民家の雨戸に貼られていた年代もののシールに由来している。

うろつきズム論ノート
38分/8mmビデオ→DVD/2012
【解説】1991年から1994年あたりにかけて、車に折り畳み自転車を積んで遠くの街にでかけ、路地をうろつくという行為を繰り返していた。そのときに撮りためた膨大な8mmビデオからチョイスして編集した作品。画面酔いがひどいとのクレームが多数あり、今後は上映する機会はないと思う。

もうすぐ夜がやってくる
25分/HDV/2013
出演=三谷めめ子、山崎幹夫
【解説】中年男ルカニは駅前でSNSのオフ会のカードを持った女に興味を惹かれる。女とラブホへ入るといういつもの展開になるが、後日、昼間に同じルートをその女と散歩しようと試みるのだが…。

もうひとつの異国
20分/8mmビデオ→DVD/2013
【解説】1994年、山田勇男さんらとサハリンに行ったときの8mmビデオを再編集したもの。このとき8mmフィルムを回していた山田さんは、それを編集して『異国』という作品にしているので、自分の方はこのようなタイトルにした。

1991年の北海道廃墟めぐり
28分/8mmビデオ→DVD/2013
【解説】映画『プ』のためのロケハンのために回していた映像を、廃墟部分を中心に抜き出して編集したもの。これも画面酔いクレームがあったので今後は上映しないつもり。

居酒屋張々の夜
15分/8mmビデオ→DVD/2013
【解説】映画『プ』が完成したのち、撮影の現場でもあった大夕張にあった居酒屋張々で、いろいろお世話になった人たちと飲み会をしたときの記録ビデオ。たんに飲んで騒いでいるだけではあるのだけれど、しばらく年月を経て観てみると、編集をすれば他人に見せてもいいだろうと判断してつくった。

キリライダー
7分/HDV/2013
【解説】地元の中学生によるポップロックガールズバンド「☆t!」(すたーと)のメンバーとその友人たちで短編を撮ってほしいとの要請があってつくった短い作品。あとになって「これはまさに<てのひらの森>の出来事じゃないか」と思いつき『マーキュリーハート』の中に組み込むことにした。

マーキュリーハート
100分/HDV/2015
【解説】これまでつくってきた短編『夜のてのひらの森』『赤バット娘』『もうすぐ夜がやってくる』『キリライダー』に、まとめ的に位置づけでつくった『水銀の心』(出演=荒井佑)を最後につけて長編とした作品。それまでの短編でつけてきた音楽(『キリライダー』はそのまま)を、エマーソン北村の音楽に置き換えた。

ディープスイーツ・ジュニア
17分/HDV/2015
出演=あね、るか、ゆな、あい、ひろこ、いくみ、ひな
音楽=大隈秀徳演奏=☆t!+plus(すたーとぷらす)
【解説】中学生のルウとフウは、川のほとりで不思議な行動をしていた女、ヌイに出会う。2万年も生きているというヌイは、ルウ、フウと一緒にかつてしていたという「おいはぎ」をすることになるが…。やがてつくる予定の『ディープスイーツ・シニア』のプロローグ部分としてつくられた短編作品。