眠る永遠主義
35分/8mm/2005
Rest in Eternalism

[解説]
前作『無翼の朝と夜』が結果的には鬱々とした世界を形成したことから、その反動的な作品を模索した。死へと向かうのではなく、静謐でありながら生のエネルギーに向かうことを目指した。すべて三脚使用のフィックス映像で、無機的な事物がたんたんと続くという作品になった。

ロートレックの路地
10分/8mm/2005
A Rautrec Alley

[解説]
『眠る永遠主義』では移動しながら出会ったものを吟味して撮っていくというコンセプトだったので、それでは一カ所を徹底的に撮ってみるとどうなるだろうと考え、撮ってみた作品。前作の撮影中に発見した路地にこだわって撮ってみた。

富士山へ飛ぶ夢を見るまで
26分/8mm/2005
Before My Dream of Flying to Mt Fuji
[解説]自宅の屋根裏部屋には窓があって、そこからは富士山が見える。ちょっと前の上映会で酔って「では次は富士山でも撮りますか」と言ったのを思い出し、何日か撮影してみた。そうすると富士山まで行きたくなる。自宅と富士山を結ぶ直線を地図に引いてみて、その間にあるもののことを想像する(たとえば武蔵野うどんと吉田うどんの間に八王子ラーメンがあるということなど)。自宅から富士山までの距離とは、そうした事物の積み重ねで表現できるのではないかというコンセプトでつくられた作品。地図の線はさらに、背後の太平洋へと向かう。

武蔵野ブラウン運動
11分/8mm/2005
Musashino Brownian Movement
[解説]簡単に言えば映像しりとり。まずは自宅の北の窓から、はるか先に見える所沢スターレーンのピンオブジェからスタートして、カメラがパンしてべつのものへズームする。その繰り返しで、最後はまたスターレーンのピンオブジェに戻ってくるという趣向。

スターレーンをめぐる円周軌道
8分/8mm/2005
An Orbit around Starlanes
[解説]『武蔵野ブラウン運動』と同じ所沢スターレーンのピンオブジェに注目し、この作品ではピンオブジェを中心にして、円周を描く軌道を探していく。そうして撮った写真をつかって、最後はピンオブジェのまわりをブンブン回る実験映画的映像でシメる。モトネタは伊藤高志さんの『悪魔の回路図』という作品コンセプトで、それを自分なりに改良したつもり。

予感
13分/8mm/2005
Anticipation
[解説]公園にあるちょいと変わった滑り台オブジェ。その上に立つと向こうに郊外型ラブホが見える。公園オブジェをさまざまな手法で撮ってみるパートと、ラブホ内で奇妙な行為にふける男女のパートが交互にあらわれる。

表面科学の路地
10分/8mm/2006
A Surface Science Alley
[解説]『ロートレックの路地』につづく、路地の即興撮り第2弾。『ロートレックの路地』は、カメラがたびたび路地から飛び出してしまうのが欠点だと反省し、ここではひたすら路地内をさまよう。表面科学とは何かといえば、この路地内に「表面科学研究所」というものがあったから。

うずまきの彼方へ
16分/8mm/2006
Inflating Vortex
[解説]東京都下、羽村市にある「まいまいず井戸」。この螺旋的に地下へおりるかたちの井戸があるのは「羽村市五ノ神1-1」。これは5がキーワードだと考え、螺旋を物理的に5倍、さらに5倍と拡大していって、その先にあるものを撮ってしまおうというコンセプト。上記画像は78125倍した地点である北海道大樹町のホロカヤントー竪穴遺跡。