チラシ裏文章(チラシ画像は[追悼・犬飼久美子]にあります)
[大川戸読本完成記念上映]
「リュミエール以前の映像作家」あるいは「映像垂れ流し公害」あるいは[21世紀の大作家(つまり今世紀中は評価されないと、さまざまに評されていた映像作家、大川戸洋介の特集本が完成したのを機会に現時点での代表作2本と、彼の作品と密接不可分な彼の「実家」の訪問記フィルムをあわせて上映する。
ごく一部での熱狂的な支持はなにゆえか、読本における那田尚史、居田伊佐雄、山崎幹夫、森永憲彦、大房潤一らの文章とあわせて賞味ください。
山崎コメント
vol 2 「大川戸読本完成記念上映」は酒の勢いで「映像作家・大川戸洋介の本をつくる」と宣言してしまって、ちょうど完成した時だったので組んだプログラム。
「大川戸洋介の家へ行こう2」 山崎幹夫 1988 8mm 13分★
ホームムービーを基本とする大川戸の作品は、彼の実家内で撮られていることが多い。何作品も観ているうちに間取りまで書けるようになってしまった全世界で数名ほどの大川戸ファンは、その家が取り壊されると聞いて、一目見ておこうと駆けつけたのだった。これはその時の記録フィルム。こういうふうに上映はしたが、作品として自立はしていないのでワタシのフィルモグラフィには入れていない。なお「1」は金子丈男によるビデオの作品。
「フィルムは回る」 大川戸洋介 1985 8mm 31分
「夢主人」 大川戸洋介 1987 8mm 38分
なぜ大川戸洋介の作品が「映像タレ流し公害」とか「リュミエール以前の映画作家」などと言われつつも強烈なファンを獲得しているのかについては『大川戸読本』( 500円、残部僅少)を読まれたい。那田尚史氏、居田伊佐雄氏などによる文章が掲載されている。ワタシの私見で言えば、大川戸は世にも希なる「昆虫の眼」を持った映像作家なのだ。一見ダラダラしているように見えるが、何が欠落しているかでなく、何が研ぎ澄まされているのかを考えれば、まるで不意打ちのようにそこに映画のもうひとつの別のダイナミズムが立上がり、打ちのめされるだろう。