ラブホテル廃墟

 埼玉県日高市にあるラブホテルの廃墟。これは現存している(はず)。最初に所在地を書いておこう。これがあるのは埼玉県日高市になるが、ちょうど狭山市と飯能市と日高市の3市の境界になっているあたり。圏央道の狭山日高ICの北東。ラブホで「ティファナイン」というのがあるが、そのはす向かいにある。別の書き方をすると、国道16号を、入間市の河原町交差点で坂戸方面に曲がり、直進する。入間川を越え、根岸交差点を越えた先、根岸坂上の信号で道が二またに分かれるが、ここは右へ。そのまま1キロほどで右に「ティファナイン」が見えるはず。廃墟は道に面しているが、植物が繁茂していてわかりにくい。とくに鉄板や有刺鉄線で囲ってあるわけでなく、簡単に徒歩で入れる。車も脇道に停められるが、奥の工場の人からクレームがつくので、向いのパチンコ屋の駐車場に停めるのがいいだろう。廃墟になっているラブホは2軒。どちらも下が駐車スペースで、2階以上が部屋というつくりになっている。上の写真では、一番上が奥のラブホの中庭部分。下の2点が道路側のラブホの駐車スペース。さてそれでは内部の写真を。

 内部はこんな状態。一部に部屋全体が黒焦げになっているところもあって、これはなかなか無気味だった。ここでいったい何組の男女がセックスしたのだろうかと思うが、廃墟になってしまうとなんともさっぱりしたもので、まるで大津の幽霊ホテルのように、建設途中で廃墟化してしまった物件のようにも思えてくる。そうだ。生活の痕跡がないのだ。あたりまえだが、ラブホというのはそもそも生活の場ではない。どれもこれも、一回カップルが使用するたびに、きれいにリセットされる場なのだ。だいたいの部屋を探索し、最後にフロント部屋を探索すると営業していた当時の日誌が見つかった。日誌と言ってもその日の利用者の数を記しただけの簡単なもの。これだけが唯一、ここで確かに男女がセックス行為をおこなったという痕跡だった。さて、ここで撮影したのはワタシのフィルモグラフィーの55番。「V.M.」という映画。これは80分あるが、そのうち15分がこのラブホ廃墟で撮影された映像を使用している。くわしくは「山崎幹夫の映画」のところから入ってみてもらいたい。