□制作のお仕事〜報われない日々 2003.5.7 豊島区内某所

わたしは今まで、制作専門で芝居に参加したことはない。
いっつも、役者兼制作だとか、演出兼制作だとか、とにかく何かのついでに制作をやっている。まあ、ついでと言うよりは、制作がいないので仕方なく自分でやっているのだ。

演劇をやっている人ならお分かりだろうが、制作という仕事はひとことで言ってしまえばつまらない。芝居そのものにはほとんど関わることなく、ひたすら稽古場取り、チラシ配り、チケット管理etc.に追われる。要するに、雑用全般といっても過言ではない。だから、制作はやりたい人が少ない。頼んでも断られる。
そんな仕事だということは、薄々は感じていた。いつも、何かのついでの制作だけに、これほどまでに芝居そのものに関われないとは気が付かなかったけど、だけどある程度自分で動いていただけに、心のどこかで気付いていた。
そして今回、わかったこと。
ひとつの芝居に関わる人は大勢いる。役者や演出家はもちろん、照明、音響、舞台監督、広報デザイン、舞台美術・・・。だけど、これほどまでに舞台が好きでないとできない仕事はない、ということだ。

今日も、役者たちは稽古のあと、数人で食事だか飲みにだか行っている。一瞬、わたしも行きたいと思ったが、明日は早くからバイトなうえ、その後打合せ、そして家でやらなきゃいけないこともある。ダメだ。今行ったら絶対後で後悔することになる。
わたしはみんなと駅で別れた。そして今、とっても悲しい。

みなさん。ちらしで制作の名前を見たら、「ああ、とってもがんばってる人なんだな」と思ってあげて下さい。


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