楽演計画#4 SACHINAGA STAGE WORKS

震災から。

 やまぐちみえが、気が向いたときにお届けするプロデュースプロジェクト、楽演計画の第4回公演は、1回目の公演から何かとお世話になっている、大村幸永さんの演出作品です。
 大村さんは兵庫県出身。震災当時は東京にいたようですが、もちろんご家族は兵庫で、震災は単に遠くの出来事ではすまされなかったことでしょう。
 実はわたしにも、ただ遠巻きに眺めているだけでは済まされない、そんな事情があり、今回この公演を楽演計画として上演することを引き受けたのです。

 原作は、講談社「アフタヌーン」誌に連載中の、木村紺・作「神戸在住」という漫画で、物語は、震災直後に発足した現地の若者のボランティア活動を描いています。
 とても現実とは思えない震災の後には、生きていかなければならないという、実に淡々とした現実があります。その現実には、家族や友人の死、残されたものの不安が付きまとい、逆に生きる力と優しさに気が付くきっかけがあります。
 この物語には、ただ単に災害の悲惨さだけを描いたものではない、何かがあると感じました。そしてそれが、ただ遠くから眺めていただけの人たちにも、何かを残せたらと思うのです。

 月並みな話題ですが、戦争が起きています。天災と違い、これは人災です。
 自分の意思で、わざわざ災害をもたらすなんて、人間は本当に愚かです。
楽演計画 主宰/「震災から。」 制作
やまぐちみえ
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