禅雲山(Korea)
--韓国のガンコ--

 31 Oct.〜 8 Nov.1998


ホーキダリンをトライするNorthVillageくん

K2以降なんとなくフリークライミングモードだった。
9月にIshiさんと仁寿峰で合流する前に見にいった禅雲山は平日のせいか人の気配はなく、現地のクライマーと登ろうという目論見は、見事に外れたのでした。
11月ならマイレージで関空−ソウルがとれそうだった。
少し寒いかもしれないけれど、せっかくのチャンスを逃す手はないと、「鳳来のガンコにも似た楽しめそうな岩場」、「ちょっとくらい飛行機代カンパするよ」という甘い言葉を連発し、最終的に乗ってきてくれたのが、NorthVillageくんでした。
僕の最高グレードは、12aを数本といった程度だったので、当時すでに5.13に手が届いていたNorthVillageくんの参加は、願ったりかなったりで、10月30日午前中だけ仕事して京橋から関空快速に乗り込んだのでした。
空港からは、地下鉄でバスターミナルへ向かう。
バスターミナルで苦労して、井州行きのチケットを購入し、23時発のバスに乗り込んだ。

夜中の2時ごろ井州に到着。そのままタクシーで禅雲寺に向かう。
見覚えのあるバス停でおろされ、真っ暗の中適当に道端にテントを張って、眠ることにする。

日が昇ると、人の話し声と足音に目がさめた。
多くの人たちが露天の売店の準備なんかを始めている。さすがは、観光地である。

早々に撤収し、クライミングのベースにするつもりの売店を目指す。
途中、入園料?を支払い1時間程度(だったと思う)のハイクで、売店着。

長髪の兄ちゃんが出てきて、なにやら話し始める。彼もクライマーのようだ。
オンテンインと名乗るこの兄ちゃんには、近くの小屋に暮らしいるということで、昼間は手伝いをしているらしい。

近くでテントを張っていいかと聞くと、幕営は禁止になったらしい。
韓国人クライマーは、日が暮れてからテントを張り、早朝撤収して登っているらしい。
そうこうするうちに売店のおばちゃんと交渉してくれ、売店の納屋に泊めてもらえることになった。

山と違いフリークライミングが目的だったので、あまり記録を残していないのですが、古いメモを見ると、7泊して食事付で最終的に2人で198000W払ったようである。
いわゆる韓国の家庭料理を出してもらい、毎日ビールやマッコリで飲んだくれて、多くの韓国クライマーと交流(宴会)を持てたことを思うとかなり優遇していただいたのではと思います。
朝食を食べるNorthVillageくん 岩場遠望、観光バスもくる名所らしい

それにしても韓国クライマーは議論好きです。そして歴史をよく勉強している。
秀吉について意見を求められたりしたが、うまく返答できなかったことを恥かしく思ったものです。
ある晩の宴会の時、サッカーの日本対韓国の放送を見ていたのですが、いやはやエキサイトすることすること。
そのときは、韓国が勝ってちょっと良かったなと思ったりしました。
シナブロを登るNorthVillageくん(右) 11くらいのラインを登る私
zooを登る私 オンテインさんとコチャンにて

クライミングより宴会の方が印象に残ったツアーでしたが、多くの韓国クライマーと楽しい時間が持て、非常に有意義な経験をしました。
クライミングの方も、11前半くらいまでは、ほぼフラッシング(NorthVillageくんのムーブをしっかり見たけど・・・)でき、12a:1本、12a〜b:1本も登れて、少々甘めのグレーディングとはいえ、気分の良いクライミングができました。
NorthVillageくんは、ホーキダリン(13a)、僕もシナブロ(12b)という宿題を残しましたが、いつかまた行く機会があれば、トライしてみたいものです。
売店の納屋での宴会 売店に記念撮影
オンテンインさん、売店のおばちゃん、韓国クライマーの皆さん。
本当にお世話になりました。

NorthVillageくんがサイトに書いている言葉を引用します。
「ここは礼節の国。年上でよそ者の人間に人情の熱い国。」

年下のクライマーは、確かに皆礼儀正しかったけれど。しかし、そんなに席譲ってもらったかなあ・・・^^
冬ソナブームでより身近になった韓国ですが、見習うべき点のも多く、良い隣国関係になってほしいものです。

2005年1月30日 記