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山登りの豆知識(2012年1月14日更新)





記載してあります内容は作者自身の経験から感じとったほんの一部の個人的な考えであり、 全ての方に当てはまるものではありません。 故に登山マニュアルではありません。 内容を十分理解され「at your own risk(自己責任において)」ご覧下さい。 作者は記載内容について発生した生命、負傷、金銭、物品等、全てのトラブルについて責任を負うことはありません。 以下、自己責任にて行動していただける方のみご覧下さいますようお願い致します!

重要なワンポイント 岩登り編  冬山編 幕営編 ちょっとしたこと 遭難事例 総括    







最初の質問

問 : 登り方で大切な事は何ですか?
答 : 何といっても自分の技術を過信しないこと。自分のグレードに合った山に登ることで飛び級はいけません。
    計画的に、無理をせず、焦らず、登り30、下り70と考え、時間に余裕を持って歩き
    登った経験のないルートの下山は危険です。 (遭難の大半は下山時に発生します。
    特に沢筋は徒渉もあり、ルートが日没になると分からなくなるので厳禁)は止めましょう。
問 : 服装はどんな物を着れば良いですか?
答 : 手まくりの出来る長袖、長ズボンを着用、夏でも手袋は必ず着用し転倒時の怪我に備えよう。
問 : 靴はどんなものを購入すればいいですか?
答 : 最近はハイキングシューズや軽登山靴という物がありますが、出来れば安全の為、革製の登山靴
   (革製でなくても登山靴と呼ばれている物)が良いでしょう。
問 : ザックの大きさや形はどのような物が良いですか?
答 : 装備、食料、水を入れて30%程余るもので、上蓋が上下に移動でき、一本締め物が何かと便利です。
問 : 四季を問わず必要な装備はなんですか?  
答 : 雨具、地図、磁石、ヘットランプ、マッチ、スイスメタ、ツエルト又はレスキューウシート、6mmx3m程のナイロンロープ
    又は平紐、下着、手袋、ヤッケ類、セーター類、非常食、豆蝋燭、小型ラジオ、常備薬、笛、ナイフ、水でしょう。          



重要なワンポイント(順不同)

★良い山岳会、山岳部、良いリーダーについて登ろう。
★良いリーダーとは、多少無理して登らせてくれるが、人一倍安全を考え、自分の登り方(登山パターン)を持ち、
 強い意志の気質を備えているが、人の意見も聞いてくれて個人的な情にに流されず内容を客観的に判断出来る人。
 すなわち、もかく無事に里迄下ろしてくれる人でしょう。
 少なくても、そんな所でザイルを使うなーなんて言うリーダーや、山岳会には難があるかも知れません!
★山行リーダーにも間違いがあるので、自分が疑問があれば進言しよう。(信頼できるリーダーでも間違いがある)
★混成パーテイ、俄パーテイ編成にて難度の高い山行は気を付けよう。(リーダー不在の山行になる場合が多い)
★混成パーティは出発前にリーダーの権限をはっきりしておかなければならない。メンバーのなかで妙な遠慮が働き、
 正確な判断を下せない可能性がある。
★山行のグレードにかかわらず必ずリーダーを決めましょう。
★非常用連絡用の携帯電話、(事前にエリアを確認する)又は非常用のトランシバーを携帯しよう。
★ガスにまかれた時、現在地は分からなくなった時の為に登山用のGPSを携帯しよう。
★装備、食料類のパッキングは必ず前日に終えよう。
★煙草をすう人は携帯用灰皿を使用し山火事に注意しよう。
★食料類の余分な包装紙はパッキング前に外しておこう。
★地図をみて予習、復習をしよう。
★ライターの他に必ずマッチ(防水包装)を持って行こう。
★ハイキングの方も山岳保険(作者の仕事とは無関係です)には必ず加入しましょう。
 ハイキング保険やその他の傷害保険には難があるかも知れませんので特約内容を確認しましょう。
 どんな条件でも、例えば、厳冬期の岩登り等でも適用され、山行届け不要のものが良いでしょう。
 医療保険付きとそうでないタイプもありますので保険会社に良く確認しましょう。
 事故の際、警察への未連絡や同行者が保険未加入の場合において
 保険未適用や支払額に問題が発生しますので十分に気をつけましょう。
★装備の中で、平紐(岩登り用のもの、15ミリ幅 x 3メーター位)は、けが人を背負う時や
 ガレ場を降りる時等、なにかと便利でしょう、但し、ロープのテグス結びとは違い、特殊である
 ため使用方法についてはベテラン登山家に確認して下さい。
 結び方を自己流で行ったりする事は絶対に行わないで下さい。 
 平紐が難しいと感じる方は6mmx3m程の登攀用ナイロンロープを装備に入れると良いと思います。
★鎖場の通過はハーネスからビレイをとろう。但し、結び方
 など特殊であるため使用方法についてはベテラン登山家に教えてもらいましょう。
★無理するなは山登りの基本ですが、登り30%、下り70%と考え行動時間を調整しましょう。
★登山靴、アイゼン等、新しい装備を購入した場合、ならし使用をしてから本番へ。
★晩秋の山、初冬の山、特に2000m級の登山は、雪山に急変するので注意しよう。(冬山装備携行)
 特に低気圧が八丈島と鳥島の間を通過するような気圧配置の場合は太平洋側の低山にも積雪が予想されますので注意。
★主尾根から支尾根に入ってはいけない。主尾根を外すと大事故に繋がる場合が多い。
★登山中、特徴のある風景を覚えておこう。
★支尾根、稜線からの下降点にて、下山を開始する時は、暫く休んで”この道で良いのか何度も確認しよう”
 一度下山を始めると不安になっても何とかなると言う気持ちが先行するので注意。戻る
★未経験のルート(特に沢は)は絶対下ってはいけない。(思いがけぬアクシデントに遭遇する危険がある)
★視界がきく時は山を遠望しよう、近くばかり見ず、遠くから良く山を眺め先に危険を察知しょう。
★次はどこまでとか、何分歩いたら休むとか、下山開始を何時にするとか、目標をもって歩こう。
★装備の準備段階、山行中、気がついた事は後に回さずすぐやろう。(靴紐が解けたらなおすとか)
★目的地間近や先に水場予定地があっても、又、水筒に水が残っていても水場があれば補給しよう。
 (例えば山行リーダーが水を補給しないと決めてもリーダの判断ミスかもしれないので進言すべき)
★水は下山口で30%程残っているのが良い。(最悪の場合、水が生死を分ける)
★ザックのウエストバンドは渡渉中や悪場においては外して行動しよう。(ザックがはずれて助かる事がある)
 渡渉中は必須。
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岩登り編

ヘルメットは必ずかぶる。岩場のゲレンデや表妙義の稜線でかぶっていない人を見かけるが自殺行為だと思う!まず自己ビレイ。自己ビレイは必ずメインザイルからとる。ビレー支点の強度にもよるが、確保者は滑落者の重量から逃げる事が出来る。プルージュックも自己ビレーも、懸垂用捨て縄も必ず二本以上取る。 一つだけはあまりにも危険!
●メインザイルで自己ビレー後、ハーネスからの予備自己ビレーとかプルージュック等を取る時、ハーネスに安全環付き
 カラビナで直付けする(一つのカラビナから二つのビレイ等は取らない)。
●脱出用のポイントは必ず用意する。
●脱出用のポイントとは?
 確保するときにメインザイルで自己ビレイを取りますが、運良く支点が抜けず、滑落したパートナーの体重を支点が支えてくれた
 場合、プルージュック等を使い予め用意しておいた別の支点に固定する。
(運悪くメインザイルでの自己ビレイ支点が抜けた場合は対処しようが無い。)
 ここで大事な事は、脱出用に別の支点を準備しておく事です。したがって、ハンマー、ハーケン、埋め込みボルトセットは
 必需品です。懸垂下降の準備:懸垂支点、埋め込みボルト、ハーケン、立木等の強度確認。ザイルの回収できるかの判断。回収時、どちらの
 ザイルを引けば良いか。ザイルを投げる時の注意、自己ビレイはしてあるか、末端を結んでいるか等々。40mの懸垂をすると
 ユマールやプルージュック等で登り返しが必要になる場合がある。
 ヒント→雨天等ザイルの流れが悪い場合、捨て縄にカラビナを2枚以上かけ、捨てビナとすると良い。
●懸垂下降開始前の確認:自己ビレイされている状態において何か不具合が無いか安全確認をする。
 ハーネス、エイト環、安全リング、体重をかけてみる、末端処理をしているか等。
●ザイル回収時の注意(こぶがないか、どちらを引くか、落石等)
 ヒント→懸垂下降の時ザイルの末端を結ぶ。エイト環以外にカラビナをザイル間に通す。これにより、もしかの時や長さギリギリ
 の時など一番下で止まると言う事です。(岸壁を続けて数回下降する場合は重要)

岩登りについて友人からのメール(参考になるので掲載させていただきました)。
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冬山編(これは基本論ですから気持ちだけでも考えよう)無雪期にルートを経験しておこう。自分の登山経験から冬山登山が許されるのか考えよう。
 簡単な冬山というものはありません。どんなルートでも、天気が崩れれば登山者の生死を分けます。
●目標を持って歩こう。ラービネンツーク(雪崩通過路)考えながら登ろう。
●休む時は先に雪を落し、靴、アイゼンを直す、ザックを開ける、必要な物のみを取りいちど閉める、それから休む。
●歩行時ともかくアイゼンのツアッケをスパァツに引っかけないように注意する。(尖りすぎのアイゼンは危険)
●5本指手袋の下には薄い手袋を併用する。(凍傷対策)目出し帽とオーバーミトンは必需品。(凍傷対策)目出し帽やオーバーミトンを風に流すと遭難に結びつく。小屋泊でもツエルトとスノースコップは用意する。(デブリよりの救出対策、雪洞等)
●冬山で道に迷った場合、雪洞に待避して、目印をおき(雪洞は発見されにくい)あわてず天気の回復をまとう。
(時と場合によるが動くのは死につながる可能性)
●非常用衣類には純毛の丸首薄手セーターを用意する。(最悪の状態においては素肌に着た場合、純毛に勝物はない、
 羽毛服は着ても純毛のセータは最後まで着ない)
●ザックの滑落に注意(ザックの確保を忘れずに)
●自己ビレー、ザックビレー無しの状態でザックを肩からはずしてはいけない。
●ザックのウエストバンドは臨機応変ではあるが悪場においては外して行動しよう。
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幕営編(四季のテント生活をさしていますので文中に四季が重なる部分があります)

●理想的には午後3時、遅くとも午後4時、NHK(第二放送)の気象通報が始まるまでには幕営作業を終了しよう。
●幕営地に着いたら、雪崩通過路や雨溜まりを避け、なにが何でも整地作業。
●天気が良くても土台作りは(特に積雪期)は十分過ぎる程行なう。ブロック積みをしないなど、手抜き工事は後で悲惨。
●天気が良くてもフライは必ず張りましょう。雨の中の作業は大変。
●テント撤収時、入り口のチャック等を閉めている人をよく見かけますが、すぐにでもテントに入れるよう、その他の
 理由から開けておかなければなりません。大きな木の下での幕営はやめよう、雷雨時危険、雨が止んでも長時間雨だれがある。
●靴の置きかたは、夏山では裏返しにして、冬山では良く雪を落としテント内に入れる、凍るのでザックカバー等に入れて睡眠する。
 ここで重要な事は緊急事態に備え、靴、靴下、ロングスパッツ等の置き場所の確認をしておく事です。
●ガソリンの補充等は寒くても必ず外でする。テント火災は死亡事故につながる。コンロに鍋がかかっている時は必ず誰かが鍋を押さえる。鍋の転倒は大事故につながる。特に冬山では悲惨。
●テント設営時、撤収時、ポールの紛失に十分注意、雪山で一時的に雪面に刺しておくのは危険。
●登山中、特に休憩時の後、テントポールの置き忘れ、紛失に注意、カラビナ等で固定しておこう。
●スノースコップは必ず入り口の前、又は、前室に入れる。ピッケル、アイゼン等はテントの入り口横にまとめて雪面に刺す。翌朝、回収時、素手で握らない注意も必要。
●ピッケルやアイスハーケンをペグ代わりには使用しない。緊急時の脱出が出来ない。
●十字ペグ(ナイロン製細引き1m付き)最低四個は出発前に準備しておこう。
●ダウンの「ぞう足を」はテント内を快適にします。
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ちょっとしたこと

●装備、衣服、テント等、の色は出来れば赤、黄色等、の暖かい色を購入しよう。
●登山靴の紐が長い場合は靴紐がセットされた状態で真ん中で切断し、切断部分両方の紐をちょうどいい長さまで引っ張り、
 一度靴紐を結ぶ、余った分を更に切断、しっかりと末端処理をする。
●赤色のガムテープ(布製)を適量持って行こう。標識、テントの補修、怪我時のテーピング等、何かと便利。
●登山用ストックは使用しなくても、装備にあると、ツエルトのポール、怪我をした時の添え木等、便利。
●ナイフやその他小物につけるひもはナイロン製のものを色分け、長さ別にして使用しよう。
●防水抜群のザック使用でも衣類はビニール袋に入れよう。
●小物入れ(防水の袋等)は色分けしよう。
●無雪期でも、何らかの手袋(軍手等)は必ずつけよう。転倒時の怪我防止、藪こぎ等に便利。
●雨降りでなくても冬季でもザックカバーを使用しよう。テント内の整理やザックの保護にも使え便利。
●笛(お巡りさんが吹くやつ)を首からぶら下げて登山しよう。熊よけ、非常時等、役に立つ。
●出来れば熊スプレーを装備に入れよう。
●小型のラジオ及び非常連絡用トランシバーを装備に入れよう。雷の予知、その他重宝。
●ヘットランプ以外の電池は保温力のある袋に入れ使うまで外しておこう。
●電気装備はヘッドランプ(予備電球必要)も含め電池が共通の物を選ぼう。作者の場合、今のところデジカメも
 単三型です。
●自作の足低板(土踏まずの部分が大きく出来ているインソールがあればベター)を装備に入れると脚が疲れたとき、脚の
 内側を損傷した時に土踏まずの部分に入れると痛みがほぐれる。作り方は、綿の靴下の中に綿、ぼろ切れ等を入れカットし
 縫い合わせる。
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総括

いずれにせよ、面倒くささとの勝負に負けると事故につながるのと、これから技術的なランクを上げ継続して登って行く
と大小はあるものアクシデントに遭遇する可能性があります。その時助かるか助からないかは、飛び級せずに養われてきた
回避能力と運命の様な気がします。
山の事故は相手が大自然だとしても何らかの原因があって発生するものです。
作者もこの数年の間は大きな事故はないものの、10年前からさかのぼること五年間で三回のアクシデントに遭遇し大怪我をしました。
今思うと、ほとんどが些細な事が事が原因でした。
今回記述した項目のなかにも含まれている内用です。中年を過ぎ段々と高齢に近づくと、かつてやったからできる、いうことが 
前のようにしょっちゅうやっていないから、つい体が忘れてるということがあるような気がします。頭で考えないといけなくなって
いるのでしょう。
何故あの時戻ろうとしなかったは遭難につきものです。リーダーは楽しい山行になるようコントロールするのも仕事ですが、
ともかく無事に里迄おろす、これは山のリーダーに課せられた最大の任務でしょう。
これは私の最近の持論ですが、最近はやりの100名山にこだわりなく、山なんて、あそこに登った、後いくつだではなく、
自分の好きな山を何度でも安全に楽しく、山や自然に助けれられているんだなーと思いながら登れればと思います。
今回少しでも安全登山に役立てれば思いこのページを更新しました。安全で楽しい山行をお楽しみましょう。
                              2012年1月14日更新。   有り難うございました。
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用語説明


自己ビレイ:自己ビレー(自己確保)はアンカーとも言い、パートナーを確保するするとき、自分がパートナーの滑落時に
      巻き込まれない様に自分をしっかりと岩場のハーケン、埋め込みボルト、立木、岩カド等に固定しておくことを言う。
      滑落者の体重に巻き込まれない為、必ずメインザイルからとり、更に別の支点でハーネスよりとる。
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上蓋が上下に移動でき、一本締めザックとは。
      例えば、40L+10Lとか表示がありザックの吹き流しが少し延びる物でセンターの一本のバンドで締めるザック。
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ザイル  :ドイツ語でザイル、英語でロープと言う。昔はマニラ麻で30mの物が使われていた時代もあった。新しいマニラ麻
      ザイルをを購入すると木の股で擦り柔らかくして使ったそうです。「しごく」と言う言葉はその辺からでているので
      しょうか。作者が岩登りを始めた1966年は縒り(捻り)ナイロンザイル(12mm x40m)が主流でした。
      現在は主としてナイロン製で太さ10mmで長さ40mから50m、袋状の外被で覆われた編みザイルが主流で一本
      で登るには10mm以上の物が必要です。一度でも大きな滑落ショックのかけられた物は廃棄しなければなりません。
      又、トップロープにおけるゲレンデ練習時、大きな衝撃が数回かかっているザイルを本番で使用するのは危険です。
      重要な事は、延びきってしまったザイルは用がたたないと言うことであり、勿論、新品でも延びない構造の補助ロープ
      は登攀には使えません。
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ハーネス :滑落時の衝撃を和らげる為に使用するベルト、
安全ベルトとも言う
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ビレー  :確保の意味。グリップビレーやエイト環やビレー器具(A.T.C)等を用いる方法等、色々ある。
      ここではハーネスに直付けしたスリングを鎖に通し自分をビレーする方法を写真で紹介します。
            こんな工夫もできます。
      他のページにリンクされています。ブラウザの戻るボタンで復帰して下さい。
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プルージュックや懸垂下降(ザイルを使って岩場を下降する方法)をする際のザイルの連結はテグス結びを用いる。
注意点は結び目をしっかり締め付けておく事。更にもう一つ結ぶ事を忘れずに。
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平紐の結び方。
作者はビレー用に平紐を使用していますが、結び方は簡単の様
で難しく、又、解けやすいので重要な要素には使用しない方が
良いでしょう。山用品店に行くと、末端処理が縫い込みになって
いて強度も高い「ソウンスリング」と言う物が販売されております
ので用途に合わせ購入すると良いと思います。
消耗劣化がありますので定期的に検査しましょう。
身長にもよりますが3m位のソウンスリングを8の字結びに
すると怪我人を背負う簡単な背負子になります。
(ベテランの人に教えてもらって下さい)。
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プルージュックとは。
テグス結びで作った太さ3mm以上のループ
(一般的には直径30cm〜50cm)を写真の様に
メインザイルに絡ませて使用する方法です。
荷重がかかっていない時には自由にスライドし、
荷重がかかるとロックされます。家の中で練習してみましょう。
(ユマールと違い上方向の移動は慣れないと難しいです。)
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ユマールもプルージュックと同様な目的で使用します。
特に長い固定ロープ等にセットして使用します。
ユマールは商品名で写真は類似品です。
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写真は埋め込みボルトと岩に穴をあける道具、ジャンピングセットです。
埋め込みボルトはリス(岩の割れ目)が無くハーケンの打てない岩場に用います。
懸垂下降時は必ず2本は打とう。
岩質にもよりますが、穴をあけるのに5分/一本程かかります。穴が深すぎても
浅すぎても使用出来ません。雨の日など金属製の耳掻き棒をジャンピングセット
に忍ばせていると切り粉の回収に便利です。
写真上から、ジャンピングホルダーに刃が付いている状態。
中、替え刃(長さの違う物二種類)。
下、ジャンピングホルダーから刃を抜く際使う治具。
右、リング型埋め込みボルト(先のクサビに注目:打ち込んだ時にこのクサビで穴が締まる。)
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ハーケンとは。
ドイツ語でハーケン、英語でピトンと言います。縦方向の岩の割れ目に使用する縦型(写真左)
と横の岩の割れ目に使用する横型(写真右)があり、又、兼用型もあります。横型ハーケンは
物理的にかなりの滑落に対する強度を持ちますが縦型はよほど条件が良くないと簡単に抜けて
しまうことがあります。岩の割れ目の深さや角度もあり、長さの異なる物も携行する必要があります。
作者が登攀した中で谷川岳一ノ倉沢コップ右岩壁は岩の割れ目の深さが浅く前もってハーケンを
削った事もありました。(コップ近辺はボルトの穴もあきにくい)
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カラビナとは。
作者が岩登りを始めて5年間位は鉄製の物であった。(ブラウザの戻るボタンで復帰して下さい。)
鉄製の物が入手出来れば写真の様に細い鎖の輪にも入り安全に自分を確保する事が出来ます。
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安全リング付きカラビナとは。
写真をみて分かると思いますが、開閉部に安全リングが付いている物を言います。
以前はネジ式の物だけでしたが、最近はスライド式等、操作の簡単な物もあります。
ハーネス用、懸垂加工時等は安全リング付きカラビナを使用しましょう。
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アイゼンについて。
用途に合わせて色々な形がある。とても説明しきれないが、作者の場合、
冬富士と氷壁以外は写真の12本アイゼンで全ての山行に使用していますが、
山行に合わせたアイゼンを使用すべきとの説もあります。
アイゼンのツアッケとは4本爪、6本爪、8本爪、10本爪、12本爪とかの
爪の部分の意味。バンドの破損予備にロングスパッツ用ゴムを何本か装備に入れると良い。
ゴムバンドの片方の金属環をツアッケにかけ、靴の上を回しもう一つの金属環を反対側の
ツアッケにかけます。(あくまでも非常手段なので安全は確認されません)
オーソドックスな一本締めアイゼンバンドはパッキングや背負子のバンド等にも使用でき
装備に入れると良い。
雪ダンゴ防止プレートは絶対必要です。
冬山の滑落事故の70%以上はアイゼンのツアッケをロングスパッツに引っかける原因です。
作者の場合、新しいアイゼンを購入すると内側踵の爪を少し丸くして使用していますが全ての
方に通用するとは限らないので真似はしないで下さい。
最近はプラブーツや登山靴の改良によりワンタッチアイゼンが主流ですが、作者は固定バンドを愛用しています。
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冬山登山では目出し帽か高所帽とオーバーミトン(手袋)は必ず必要です。
写真左は目出し帽です。高所帽でも代用出来ますが、やはり目出し帽が顔面凍傷を防ぎます。
低山登山の為、目出し帽やオーバーミトン(手袋)なんていらないやー思う人も装備に入れ
ましょう。気象の急激変化やいざと言う時にきっと守ってくれるでしょう。
作者の経験では、目出し帽や
写真右はオーバーミトン(手袋)
を風雪に流し遭難した例を何件か聞いた事があります。
従って、流し止めは必須です。
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冬山登山でぞう足を装備に入れると快適です。
最近はプラブーツのインナーでテント生活をと言う方が殆どだと思いますが、
作者の場合、写真のぞう足(ダウン、底が革張り)を装備に入れています。
けっこう快適です。
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ツエルトの携帯。
写真、ツエルトの携帯については、大きな装備になる為、
レスキュウーシート等を代用する事で、必用、不要の意見
が分かれるようです。
作者の場合必要と考えていますので携帯しています。
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エイト環。
懸垂下降をしたり、確保にも使用する。写真左側の
大きいタイプは左側の小さいタイプに比べ制動力が強い。
大きいタイプから小さいタイプに変更後の懸垂下降は気を付けよう。
良く懸垂下降準備時にエイト環を落としてしまう人がいますが、
エイト環の大きい輪の方にカラビナを付け、カラビナから細引きを
ハーネスに付けておくと下降ザイル装着後まで落とすことはありません。
注意:小さい輪にカラビナをいれると不可です。
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アイスハーケン。
最近の作者はこの様な物を使う機会がないので全て25年位前の昔の物です。
今年の欧州遠征時、ガイドの腰の物をみたら写真上のスクリュウタイプの改良型
を何本かもっていました。
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ハンマー。
ロックハンマーとアイスバイル共に言えることはトップに少し重量があった方が良い。
軽量化を図るばかりだと実用性が無い場合があるので注意が必要です。
特に埋め込みボルト打ちは軽いハンマーだと役に立ちません。
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ワカンとピッケル。
写真のワカンとピッケルは既に使用していません。
木製の温もりは有り難いが金属製の物がある現在は安全のため金属製を使用しています。
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懸垂下降はアップザイレンとも言い、ザイルを使って岩場を下降する事を言う。
作者が岩登りを始めた頃はエイト環やその他の下降器が無く、肩がらみと言う方法で
懸垂下降を行っていた。エイト環やその他の下降器を紛失した場合にそなえこの方法
はマスターしておく必要がある。
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ラービネンツーク(雪崩通過路)とは、言葉の通り雪崩が通過するルートを言う。
完璧な稜線上で無い限り、沢筋は勿論、森林帯でも雪崩は発生します。
良く沢筋を歩いていると左右から小さな雪崩を見かける事がありますが、
小さな雪崩でも足下が埋まると脱出できなくなるので甘くみないことが必要です。
雪山に入ったら、あそこの斜面が崩れたら雪崩はどう流れてくるだろう?
と何時も考えていなければなりません。
昔、11月の富士山、吉田大沢で雪崩が発生し、作者も雪上訓練中に遭遇しました。
私たちは丁度大沢の真ん中にいて、100m先に押し寄せる雪崩を発見、もう、
助からないと思いましたが先輩の判断で頂上に向けて右側に移動、雪崩は私たちの
10m程左側を崩れて行きました。あんな沢の中でも良くみると起伏があるのだなー
と思いました。雪崩は怖いものです。
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岩登りについての友人からのメール。

津田:(私の考え方としては、岩登りに上手、下手は無いが)。

> 無事に登るのが目的、ということですか?
> 岩トレで本番を意識する、というのは、どういうことでしょうか。
> トップロープで は リード(トップ)&セカンドで登るということ?
> トップロープでも落ちない覚悟 で 登ればいい?
> ところで、「TOP」というのは、先に登ること? 私は、「リード」と教わって い ますが、 
> その意味の「トップ」のことですね? 

津田:ここで言う「TOP」とは、トップ、ミッテル、ラストの事です。
最近は「TOP」の事を「リード」、ザイルはロープ、ゼルバンはハーネスと呼んでいる様ですが..
怪我をした私には、今、言う資格はありませんが、これからの話は一人の山男としての私の考え方です。
無事に登る事は一番重要ですが、目標の山に登る、その山の一つのルートであるフェースから登る、
岩登りは一つの手段、ということであり、その人に適合しいるか否かの問題はあるにしても、安全面で
その人の許容範囲(フリークライムのTOPロープ以外はあり得ないとおもわれるが)に近ければ、その登り方に上手、
下手はないという意味です。あそこでザイルを使ったとか、(例えば、テールリッジでザイルを使ったとか)「TOP」
で登らなければ登った事にならないとか、あそこをゴボウしたとか、と批判する人も多いが、私は、その人がその時、
その状況の中でその人にふさわしいテクニックを使えば良いと思います。(無理せず自分を理解する)
私は、いわゆるフリークライミングの世界はさわり程度しか知らないので、これは、あくまでも、岩トレを本番に結びつける
事を前提にした場合の話ですが、岩トレで本番を意識するという意味は、岩トレで登るような難しいフェースやリッジは
一部の岩壁をのぞいて、本番には殆ど無いと思われる(高度感がプラスされ、とても登れない!)のでゲレンデの細かい
ホールド、スタンスに立てる技術を習得する事はとても大事な事ですが、ある程度修得したら本番で釣瓶で登っていることを
イメージして、例えば、彼が落ちたら、どちらに重量がかかるかなとか、たくし上げたザイルはどう流れるかとか、
ザイルに足を絡まれない様にするにはとか、その場合の脱出方法は、パートナーをどう助けるかとか、を考え登った方が
いいのではないかと思います。
勿論フリクライムのトップロープでも落ちない覚悟 で 登ればいいと思います。

> 滝谷のB沢でしょうか。ドーム中央稜は、「日本のクラシックルート」という本によ ると北穂から
> 稜線の縦走路を 第三尾根にそって下ってアプローチするようですが。

津田:申し訳ありません、その通りです。B、C沢の事ばかり頭にありました。

> 一の倉南陵は、入門というイメージがあり、滝谷というと、ベテランの岩登り というイメージがありましたが、
> 谷川のほうが難しいのですか。岩の質とか? ガイドに連れて行ってもらうのと、自分達だけで行くのとでは違う
> は思いますが。

津田:これも、人によって様々だと思いますが、私の経験ではやはり南稜の方が難しいと思います。
それは、ドームは順層、南稜は逆層(基本的に)。ドームの取り付き迄は殆ど下降、南稜はテールリッジを登る。
ドームの上部は即稜線、南稜は頂上迄の長くて危険な尾根と草付き(南稜を登り、6ルンゼを下降は別問題)。
総合的に考えた私が勝手に付けたグレードは、頂上が3000m級と2000m級の違いがあったとしても、
無雪期であれば、南稜:国境稜線迄抜けると5級、6ルンゼを下降した場合は4級。ドーム中央稜〜ダイヤモンドフェース
からつないで4級、中央稜のみ3級。どちらのルートもガイド無しで登る場合は釣瓶で登れる技術が必要でしょう!

> でも、なぜ二子山の主稜は危ないのですか。 初めて知ったのですが、車で連れて行ってもらうとアプローチが短いので
>魅力的です。

津田:私にも魅力的ですが二子山自体がフリー感覚で登ると危ない山だと感じています。以前にもお話し(していないかも?)
したかも知れませんが、昨秋、単独で登り落ちました。膝を擦りむいただけでした。
特に二子山の主稜(1峰中央稜と理解した)だからという事では無いのですが、岩登りのステップアップは南稜あたりの登攀
からと思います、私もそうでした。経験すると、一つの区切りを向かへ自信がつきます。つまり、極論ですが、危険への分岐点
に立ちます。だからガイド無しで1峰中央稜あたりのオールドルートを釣瓶で登ろうと考えたとしたら危ないので、
よりいっそう気を付けて登ってほしいと思ったのだけです。
自力で南稜を登り、6ルンゼの懸垂下降したり衝立の頭からコップの広場に懸垂で下り前沢スラブを下降したりすると自信が
つくようです!

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遭難事例

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昭和40年夏、私自身の滑落。(助かった例)
場所:谷川岳一ノ倉沢Dルンゼ。
   本谷バンドから二ルンゼを登攀しザッテル越えをして広河原(名前の通りテントが張れそうな程広い場所)へ
   CルンゼとDルンゼはどちらかと言うと明確ではなく登りやすい所を登っていく。ザイルを付けていた場合、
   滑落するとよほど運が良くないとパーテー全員が巻き込まれることになり、ここでザイルを付けるか否かの
   良否は何とも言えない。上部、C、Dルンゼを横切っている露岩帯でTOPで登っていた作者がスリップ、
   10m程滑落した。このピッチ、一本の残置ハーケンにカラビナを通していた為助かった。

昭和41年春に発生した友人の遭難。(確保テラスから脱出出来ず遭難死された例)
場所:谷川岳幽ノ沢中央壁右フェースルート。
   草付きハング上のテラスにて、上のピッチでTOPが滑落、確保点を通過し滑落された方が宙づりになる。
   私の友人は自己ビレイをメインザイルから取らずハーネスから取っていたためテラスにたたきつけられてしまった。
   残念な事ですが、救助隊が到着した時には息絶えていた。二人とも遭難死されました。
   ご冥福をお祈りいたします。

昭和42年冬、亜細亜大山岳部の遭難(山岳保険に未加入で自己負担金がかかった例)
場所:西鎌尾根上部。
   作者がリーダーの冬山合宿、中崎尾根上部、簡単な岩綾を越え、西鎌尾根合流点にて強風のためツエルトで避難。
   風雪弱まり、我々キスリングの縦走パーテーはその日の幕営地、槍の肩を目指していった。飛騨槍沢上部はアイゼン
   のツアッケ立たず、ピッケルでのカッティングを強いられていた。直後、後輩がバランスを崩し飛騨に滑落、
   1000m滑落して深い雪の中で止まった。引きずりながら何とか槍平小屋迄と思うも豪雪で思うように移動出来ず
   難儀。後輩の怪我酷く、それだけが心配だった。別の後輩に後を頼み中崎尾根上に幕営していた長崎大学山岳部の
   テントに救助応援要請に向かう事にした。テントを移動していなければ良いのだがとの気持ちが脳裏をかすんだ。
   猛ラッセルで疲れ倒れていると白ウサギが目先にいた。気がつくと満天の星、又歩きだした。テントを発見、
   助かったと思った。長崎大学山岳部の皆様と後輩の所に向かい何とか槍平小屋に収容する事ができました。
   私はその足で新穂高の中崎山荘へ向かい救助隊の要請をした。山岳保険に加入していなかった為、当時のお金で
   50万円位を皆で負担する事になった。この事故がきっかけとなり山岳部は亜細亜大学山岳部全員の山岳保険加入
   が義務となった事は言うまでもありません。
   長崎大学山岳部の皆様には大変お世話になりました。
   怪我をした後輩にはリーダーとして申し訳ありませんでした。

昭和44年春、亜細亜大山岳部の遭難(遺族側から訴訟されかけた例)
場所:北アルプス、西穂高から奥穂高の稜線。
   新人強化合宿の天狗のコルより穂高側の岩場で新入部員の遭難死された。作者もOBとして現地へ向かいご遺体の
   収容を行った。当初、ご遺族側の対応は非常に好意的であったが、時間の経過と共に恨みとなり山岳部は犯罪者
   となっていった。私たちは今回の遭難に関して知識人の方々の意見を求めに歩き回り、ご遺族に状況説明を行った
   が訴訟は取り消して戴いたものの最終的理解は得られなかったと感じた。
   遭難しては、させてはいけないと心から感じたました。
   ご冥福をお祈り致します。

昭和50年冬、亜細亜大山岳部の遭難(キノコ雪の破壊を受け滑落、ザイルが切断された例)
場所:北アルプス、後立山連峰、八峰キレット。
   昭和50年度冬山合宿(鹿島槍ヶ岳東尾根〜白馬岳主綾下山)において遭難事故が発生した。東尾根を登攀が終わり
   キレットのコルよりキレット小屋方面にフイックス工作中、工作中のO君の上のキノコ雪(幅3m、厚さ1m)が破壊、
   それを体に受け滑落、信州側に約150m滑落後積雪に入り停止した。キノコ雪破壊時に口の中に多量の雪が入り
   滑落した事を告げることができなかった。滑落時パートナーにより確保がなされたが岩カドでザイルが切断されて
   しまった。作者も事故の報告を受けOBとして現地に向かい、大町高校グランドよりヘリコプターで白岳の冬季小屋に向かい
   キレット小屋に向かうも夕方から吹雪となり、当日の救助を断念、翌日に救助、白岳の冬季小屋に収容した。収容後
   吹雪となり、ヘリが近づけず難儀しました。
   重傷のO君は現在、山岳部監督として頑張っています。
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