塩見岳 (長野 3047m)

(’02/07/31 − 08/03)

   南アルプス塩見岳に行ってきました。
7/31
昼前、自宅を出る。 勝沼インターで中央高速を下り、20号を走って甲府で寄り道、茅野から杖突峠、分杭峠を経て塩川へ。



8/01
6:30 塩川発
8:30 尾根取り付き
13:20 豊口山分岐
14:20 三伏峠



塩川から川沿いの道を登っていきます。
人影はほとんど無し。

林の中の良く踏まれた道。
朝早いこともあってか、さほど暑くはありませんが、帰りは昼過ぎになったためきつかったです。

川沿いの道にはツリフネ・ホタルブクロ・ヤマアジサイ・クガイソウ・ヤマブキショウマ・クルマバツクバネソウ・ イチヤクソウなど。

尾根分岐を過ぎ、斜面を登り始めると羊歯の群生地。さまざまなキノコなども見られます。
やや季節はずれな感じもしますが、銀竜草も何箇所かにありました。

高度を上げるにつれて、シオガマ・ゴゼンタチバナ・バイケイソウ・     オトギリソウ・フウロソウ・イワツメクサ・ミヤマシシウドなどが現れます。
鳥倉林道からの道と合流すると、程無く三伏峠へ(と言いつつ、最後はなかなか着かなかった)。

テントを張ってからコーヒー休憩。余力があれば烏帽子岳まで行ってこようかなんて最初は 考えていましたが、結局疲れて ぐでーっとしていました。


塩川バス停付近の広場
(朝出発前に)



沢を離れて尾根を登り始めると
羊歯の群生地

キノコその1
キノコその2


キノコその3
銀竜草


鳥倉林道分岐
三伏小屋の前にある峠の標識
日本一高い峠だそうです




8/2


6:15 三伏峠小屋発
7:20 本谷山
9:40 塩見小屋
10:50 塩見岳
13:40 塩見小屋
15:10 本谷山
16:20 三伏峠小屋

小屋から水場までは往復 30分弱。その間や小屋の周囲にはカイタカラコウ・タカネマツムシソウ・ ウサギギク・カラマツソウ・イブキトラノオなどが咲いています。 塩見岳までの稜線ではタカネグンナイフウロ・イワギキョウ・シコタンソウ・タカネツメクサ ・ミヤマダイコンソウ・ベンケイソウ・タカネニガナ・ハクサンイチゲ・ハクサンシャクナゲ などを見かけました。


さて、この日は「行きはよいよい帰りは怖い」。

午後 1時半過ぎ、塩見小屋を過ぎて権右衛門山を巻く林の中の道歩いていたときに雨が降りはじめました。
すぐに本降りになり、雷鳴も。前後に登山者はほとんどなし。
ただそういう状況になると、人を見かけるとかたまって歩くようになりますね。
顔を見合わせて「いや、参りましたね」とか言いつつ、いっしょに歩くわけではないのだが、なんとなくつかず離れず、抜きつ抜かれつしながら、時々短く言葉を交わして。

その中で、
「この辺はまだしも、本谷山の山頂付近はやばそうだ。あそこにつく前に一旦行動を中止して、雷雲が過ぎるのを待ったほうが良いだろう。」
という会話をしていました。


朝、小屋の近くから見る塩見岳



本谷山より

塩見小屋付近から山頂を見上げる
南アルプス北部の山々
画面左端が仙丈岳。
甲斐駒・北岳・間ノ岳と続き、右端が農鳥岳。


塩見岳山頂
正面の尾根道は北岳へと続く縦走路。
小屋方面からは右にちょこんと出っ張って見える東峰
こちらの方がわずかに高い。



本谷山の手前で躊躇していると、反対方向から登山者が来て、山頂近くで雷に打たれた人がいるとの情報。
行って見ると十数人が雨の中斜面に座り込んでいる。近畿日本ツーリストのツアーの一行とのこと。
かなり重症の人もいるとのことですが、すでに山小屋や警察へ事故を報告し、救助を待っている状態とか。

私と、たまたま私の近くを歩いていた別のグループは、自力で下山できそうなメンバーを三伏峠小屋へと案内することを要請される。
同行のガイドは事故直後小屋へ報告に走り、添乗員はダメージを受けて足が痺れて動けないとのこと。
そこで、私と別のグループは、軽症者 8名を間にはさみ、小屋まで誘導しました。

後でニュースで聞くと、一名お亡くなりになられたそうです。
くれぐれも山の中での雷には注意しましょう。

負傷者を収容し、引き上げていく救助隊のヘリ。


その後、小屋から 4名ほどヘリで下界の病院へ移送するという話になったらしく、小屋の人がテント場に来て
「こことここ、ヘリが来るのでテントをたたんで下さい。あ、そちらの人は結構です。」
とのこと(テント場がそのままヘリポートらしい)。
で、私は「結構です」組だったのです。

最初にきた警察のは小ぶりで、風圧でかなりひしゃげたものの、ペグで持ちこたえました。
ところが、次に来た消防(?)のヘリは、一回りかふた周りくらいでかくて、風圧は「え? マジ?」
というくらい半端じゃなかった。
運動会の綱引きよろしく地面に両足ふんばって、必死に飛ばされまいとがんばったのだが
(ペグが吹っ飛んでテントは半分中に浮いていた & ピックアップに手間取ったらしく、なかなか飛んでいってくれなかった)、
結局アルミのポールがひん曲がってしまいました。





8/3


8:20 三伏峠小屋発
8:50 豊口山分岐
11:40 尾根取り付き
12:40 塩川

朝から快晴。
濡れたテントを乾かしてから、ゆっくりと来た道を帰路に着きました。
(下りだと言うのにかなり汗をかいた)


小屋近くに咲くタカネマツムシソウ
同じくミヤマシシウド





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