Vol.112   ヒーローたちの反省会

「じゃあ、取り合えずビールでいいかな?」
「じゃあ、生を・・・」
「あっ、私、カシスオレンジ」
「じゃあ、生4つとカシスオレンジ、うん、そうそう」
「おお、来た来た。はい、ここ4つね」
「じゃあ、取り合えず、お疲れ様!」
「お疲れ様でした!」
「あー、この1杯が堪らねえな」
「あっ、料理、串焼き盛り合わせと、大根サラダと、あと適当に・・・」
「うん、そんなもんで、取り合えず。はい」
「今日のバトルなんだけど、まあ全体的には良かったと思うよ」
「そうかなあ、私はイマイチだったと思うけど」
「うん、まあ、ただ最後の合体技ね。ちょっとアオのタイミングがずれたね」
「ああ、悪りぃ」
「アオはマイペースだからな」 「まあ、クールでマイペースってのがアオのキャラではあるけどな」
「アカはバトルばかり気にするけど、私はバトルに至るまでのストーリーが重要だと思うのよね」
「ああ、まあそれも大事だよ」
「最近ドラマ性に欠けてると思うのよね」
「そう毎回毎回ドラマチックになんて出来ないよ」
「せっかく紅一点のピンクがいるんだから、ちょっと色っぽい展開があってもいいんじゃないのかな」
「アカとのラブストーリーとかさ」
「おいおい、そんなことになったらチームが成り立たなくなるぜ」
「そうよ、辞めてよ。ただでさえ、彼氏にアカとの間を疑われて困っているんだから」
「へえ、そうなの。アカとピンクは目立つからな」
「すいません。おにぎりと焼きそばと下さい」
「相変わらずキイロはよく食べるなあ」
「実は好きで食べてるわけじゃないんだ。キャラを守るため無理してるんだぜ」
「おい、ミドリは何か意見はないのか?」
「えっ、ああ・・・俺ってキャラが中途半端で、特に目立った出番もないし、俺って本当に必要なのかな」
「いや、まあ、昔から俺たちヒーローは5人と決まっているし、ミドリのキャラだって、まあ必要なんだろ」
「よう、お疲れ様」
「あっ、ブラックサタンさん、お疲れ様です」
「今日はなかなか良かったぜ。次はもうちょっと手強い怪人を用意しとくから、よろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
「ヒーローと悪者が同じ店で飲んでちゃまずいかな」
「いえ、僕らもう出ますんで、どうぞ」
「おお、そうか悪いな」
「いえ、じゃあ、そろそろ行くか」
「そうね」
「じゃ、次回もよろしく。お疲れ様」
「お疲れ様でした」

                             了


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