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その日起こった重要(かもしれない)出来事をメモしておくコーナー

2002.7.

31 (Wed)

 『 日本が世界に誇る人気アニメ「鉄腕アトム」が、物語上のアトムの誕生日になる来年4月7日のスタートをめざして、22年ぶりにテレビ放送で甦ることが分かった。民放キー局が放送権の争奪戦を繰り広げる中、ソニー・ミュージックが同アニメの声優と主題歌・挿入歌を歌う歌手を兼ねた「歌える声優オーディション」を開催。キャストを決定する。アニメ世代を中心に応募が殺到しそうだ。

 新アトムは、歴代アトムに比べて表情が柔らかく、より親しみやいキャラクターに変身している。その他、妹のウランちゃんやお茶の水博士といったおなじみの顔ぶれに加え、新キャラクターのロボットも登場する。1年間の放送予定で、十数話分はすでに完成している。

 ただ、声優や主題歌・挿入歌などはこれからで、そのどちらもこなせる歌える声優を「アストロボーイ・鉄腕アトム 歌える声優オーディション」として募集する。アトムの声だけでなく、キャスト全員を対象としたものになる。

 ソニー・ミュージックでは、「同じ声を使う職業だし、声優志望者の中にはきっと眠っている才能があるんじゃないかと思い企画しました」などと話し、アニメ発のスター誕生を期待している(サンスポ) 』

 そういうのはアトム以外でやってくれよ。

 ちなみに、その22年前、僕は毎週欠かさず見てました。水曜日の7時からで、大好きでした。が、その時なんと、8チャンでは「ドクター・スランプ」をやっていたのです!

 ご存知のように、あの番組は大ブームを巻き起こし、その人気の影に隠れるようにして、アトムは終わってしまいました。残念でなりませんでした。だから、今になって「アトム〜」とか騒いでいる奴の中で大多数であろう、その時「ドクター・・」を見ていた奴らに、お前らうるさいんだよ、と言ってやりたいです。


 

30 (Tue)

 『 ここ数年、青森ねぶた祭では、不況の影響で大型ねぶたの出場辞退が相次ぎ、ねぶた師の仕事も減っている 』

 朝日新聞のこの記事。やはりこんなところにも影響が、と思って読み始めたのですが、これがなかなかドラマだったので、載せてみます。

 『 知事賞の受賞歴もあるねぶた師の内山龍星さん(40)は、今年制作する大型ねぶたが3台から1台になり、年収も400万円近く減った。だが、「みんなが不況を忘れるようなねぶたを作ろう」と、これまでにも勝る意気込みで取り組み、完成した1台は自身で「3本の指に入る」という会心作に仕上がった。

 内山さんは生計をねぶた制作で立てている専門職人だ。2歳の時から夏はねぶた小屋に通い詰め、14歳でねぶた師に弟子入りし、25歳でデビュー。順調にキャリアをつみ、6年前から毎年3台のねぶたを手がけるようになった。

 しかし昨年11月、状況に影がさしてきた。

 「悪いが今年はねぶたを出せない」 10年以上受け持った団体が出場辞退を告げてきた。

 「2台で頑張ろう」。そう気を取り直した翌日、今度は別の団体が、心機一転をはかり違うねぶた師で臨みたい、と言ってきた。作業場に使う土地を買い、900万円の借金をしたばかり。「お先真っ暗」の気分だった。

 ねぶた1台の報酬は約400万円。半分は材料費や人件費に消え、手取りは約200万円。

 今年は、デビュー当時から請け負っている団体のねぶただけだ。年収は無くなった2台分で約400万円も減った。

 しばらく、ねぶたの写真を見るのも嫌になった。が、1カ月後、「もともと1台から始めた仕事ではないか」と開き直り、「3台分の気持ちを1台に注ぎ込もう」と決めた。

 ねぶたの題材は、下北地方に伝わる源義経の先祖・頼義の鬼退治の伝説を選んだ。2カ月間ほぼ毎日ねぶた小屋に通い、骨組みや色付けは例年以上に細部にもこだわった。弟子の立田健太さん(17)も「今年の先生は厳しかった。1台にかける意気込みが伝わってきた」と振り返る。

 今月21日に完成したねぶたは、今まで手がけた33台の大型ねぶたの中でも自信作の一つに入る仕上がりだ。特に鬼の部分は「命が入った最高の鬼」と言う。祭り期間中は、はやしの一員として自分が作ったねぶたに付き添う。「わーっ」という観客のどよめきの大きさで、ねぶたの良しあしがわかる。

 「今年はどよめきが楽しみ。どんなに苦しくても、開き直れば何でもできる。自分のねぶたを見てそんな思いを感じ取って欲しい」(以上、朝日新聞) 』

 

 いろいろなことが分ります。これだけ伝統芸能でありながら、(やはり、と言うべきか)思った以上に収入も少ないこと、弟子も17歳なこと、祭りというかつての最大のイベントが、徐々に重きを失っていくこと、そしてきっと、職人さんたちが減っていくであろうこと。

 しかし、状況や直面する場面が違っても、ここには解決の糸口となる言葉があります。「もともと1台から始めた仕事ではないか」

 そう、もともと何もないところから僕らは何かを始めたのです。だから、いつのまにかたくさんの事に囲まれて、幸せでも、身動きが取れなくなっていても、またふとリセットして、一から始めてみてもいいのです。


 

28 (Sun)

 『 米陸軍特殊作戦司令部のあるフォートブラッグ基地で過去6週間に、アフガニスタンの軍事作戦からの帰還兵が妻を殺害する事件が次々に3件も発生した。同司令部は作戦に多数の兵士を投入しているため、戦争による極度のストレス状態が事件の背景にあると見て対策に乗り出した 』

 まるでどこかで聞いたような話。そう、ベトナム帰還兵の悲劇そのものなのです。

 『 米AP通信などによると、3件の容疑者はアフガンから帰還したばかりだった。同基地ではこのほか、空輸部隊に所属する兵士による妻殺しも発生した。容疑者のうち2人は直後に自殺、残る2人は逮捕された。

 同司令部は、アフガンに多数の兵士を送り込んだ米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の本拠地。司令部は、相次ぐ事件が偶然とは考えにくいため、カウンセリング強化など予防策に乗り出すという。

 戦争に参加した兵士が帰国後の現実に適応できず、肉親や配偶者など周囲の人々に危害を加える事例は、ベトナム戦争後にも報告されている 』

 


 

27 (Sat)

 さて、アメリカはいかに病める大国かについて。

 『 肥満で心臓病、糖尿病を患ったのは不健康な食事をさせられたせい−と、ニューヨークのビル管理・補修作業員シーザー・バーバーさん(56)がこのほど、マクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズ、ケンタッキー・フライドチキンのファストフードチェーン4社に対する損害賠償請求訴訟をニューヨーク州地裁に起こした。

 代理人のサミュエル・ハーシュ弁護士は全国から原告参加者を集めて集団訴訟とする計画というが、巨額の賠償金を獲得したたばこ訴訟の再現となるかどうか注目される。

 50年代からファストフードを食べ続け、2度心臓発作を起こしたバーバーさんは、「牛肉100%というから体に良いと思っていたのに、脂肪ばかりで肥満になった」と主張。

 ハーシュ弁護士は「(このような食事は)健康に有害と警告しなければ詐欺になる」と述べ、たばこ訴訟との類似性を強調した。

 全国レストラン協会のスティーブン・アンダーソン会長は「全く無意味で根拠がない。最近の肥満増加への警鐘に便乗した訴訟だ」と反発している(共同) 』

 まったくばかげてるとしか思えないけど・・。自己の管理能力についてはどう思ってるんだろう。

 

 さて、ではもともと宇宙開発分野では、アメリカなんかよりずっと大国だったロシア(ソ連)からのお話。

 『 タス通信によると、ロシアの宇宙ロケット企業エネルゴマシュ社のカトルギン社長は、2019年に地球に激突する可能性があるとされた長径2キロの小惑星について、理論的には大出力のレーザーで破壊し、地球を防衛することが可能だと語った。

 同社長によると、地球に近い軌道上に10-12個のレーザー装置を配置し、地球に近づいてくる小惑星をレーザーで破壊できるという。

 一方で同社長は、現段階で「そのような大出力レーザーは存在しない」と指摘。地球防衛装置の必要性については「既に国際社会では真剣に話し合われている」と強調した(読売新聞) 』

 いやあ、SF映画みたいな話ですな。

 なんてお気楽でもないんだけどね。でも不思議というか凄いというか、国家機関にはほんの一握りだけすごく優秀なひとがいて、誰も知らないところで世界を動かしている訳だったりします。

 

 さて最後はなんとも哀れな話。

 『 山形県朝日村の「月山あさひ博物村アマゾン自然館」の水槽から逃げたコブラ科の毒ヘビ「エラブウミヘビ」が見つからないため、博物村は27日、敷地内全館の終日閉館を決めた。一方、捜索は午前8時半から、鶴岡署員や朝日村職員ら約20人で再開した。

 博物村は国道112号沿いで国土交通省から道の駅「月山」に指定されており、年間約30万人が訪れる。

 26日夜、ヘビを所有する日本蛇族学術研究所の所員が加わり、博物村職員らが27日午前0時過ぎまで捜したが、ヘビは見つからなかった(毎日新聞) 』

 しかし警察署員と村の職員というのが泣かせます。もちろんヘビの扱い(しかもコブラ科だよ)なんてよく知らないだろうし。まさに村の一大事です。


 

23 (Tue)

 『 「1本いっとく?」の人気CMタレント、不法残留容疑で逮捕 』

 およっ、と思ったこのニュース。詳細は・・。

 『 「1本いっとく?」のせりふで人気があるテレビCMのイラン人タレントが、約11年間にわたり不法滞在していたことが分かり、警視庁は入管難民法違反の疑いで、タレントのカリリ・ファ・エブラヒム容疑者(35)を逮捕した。同容疑者は「ハニホー・ヘニハー」の芸名で田辺製薬の「アスパラドリンク」のテレビコマーシャルに出演。「一本いっとく?」のユニークなせりふと風ぼうで人気があった。
 調べによると、同容疑者は1991年2月、90日間の観光ビザで入国したにもかかわらず、同年5月末以降、ビザを更新しないまま国内に不法残留した疑い。
 田辺製薬のホームページによると、98年度のボディービルの大会で3位に入賞したことがある。99年から同コマーシャルに出ている。

 田辺製薬広報部の話 「逮捕されたと聞いて驚いている。事実関係を確認しているが、事実が確定されるまでは当面、このタレントが出ている現在放映中のCMや広告を自粛したい」(以上、サンスポ) 』

 ううむ、また一つ名作CMが消えていく・・。

 しかしこれは捕まえることなのか・・。いや、不法滞在という制度がどうのではなく(まあこれ自体相当あやしいものだが)、そんなことをする人がボディビルの大会に出たり、ましてやテレビCMに出たりするのか(でもたしか、以前はバレーボールのイラン代表選手じゃなかったっけ?)。

 ということはつまり、全く悪気がなかったか知らなかったか、もしくは確信犯なのか。でも隠れようとなんかこれっぽっちもしてなかったみたいだから、やっぱ知らなかったんじゃないの。

 それにしても「ハニホー・ヘニハー」だったとは。そっちの方が驚きだよ。


 

22 (Mon)

 これは去年の8月3日に出た記事だったらしいのですが、ふと見つけたもので、非常に興味深いものです。以下、朝日新聞から。

 『 東京都内の獣医師(39)は2年前、長男(10)にせがまれた。「ウルトラマンティガのこと、インターネットで調べてよ」

 覚えたてのパソコンに向かう。ついでに、子どものころから不思議に思っていたことも調べることにした。

 どうして、セブンの12話は欠番なんだろう――。

 答えはすぐに見つかった。「原爆被爆者への差別的表現」。獣医師は母子感染によるB型肝炎のウイルス保持者だった。差別や偏見は人ごとではない。ファンの間に出回っているビデオを入手して子どもと見た。でも、何がいけないのか、よく分からなかった。

     *

 特撮テレビ番組「ウルトラセブン」の第12話「遊星より愛をこめて」は67年12月17日に放映された。

 <宇宙で爆弾がさく裂した。放射線に血液を侵されたスペル星人は、地球に潜入して新鮮な血を集めようとする・・>

 日曜日の夜7時、視聴率は30%を超えた。中国が初の水爆実験をし、原爆被爆者実態調査の結果が初めて発表された年の瀬だった。

 3年後、東京都内の女子中学生が、弟の持っていた雑誌の付録に、スペル星人のカードを見つける。目と口しかない顔、体中にケロイド状の傷。「ひばく星人」と書いてあった。

 「この『ひばく』って、原爆の被爆以外に考えられないよね」。女生徒は、都原爆被害者団体協議会専門委員だった父にたずねた。「被爆者を怪獣扱いするなんて」。父が出版社に送った抗議の手紙が新聞で報道され、広島や長崎の被爆者団体も立ち上がった。

 「ひばく星人」という字幕やセリフは番組では使われていない。だが、雑誌や怪獣図鑑から次々と「被爆」の文字が見つかり、抗議と釈明、謝罪が繰り返された。そんな中、番組をつくった円谷プロダクションは70年10月、12話を封印した。

 それから、全49話のシリーズは48話で再放送された。ビデオや書籍には「12話は欠番」と表記され、ファンは「幻」と呼ぶようになった。だが、米国では昨年1月にも再放送されていた。

     *

 脚本を書いた佐々木守さん(64)は反論する。「若かったし、稚拙だったかもしれないが、原爆反対を訴えた」。監督した実相寺昭雄さん(64)も「声高でなく叙情的に核兵器の怖さを描いた作品だと自負している。ヤミで取引されたり、変なうわさが出たりするのは心外だ。見てもらえれば分かる」。

 ウルトラ警備隊のアンヌ隊員を演じた、ひし美ゆり子さん(54)は、問題の経緯を説明したうえで、DVD化することを提案する。「収益を被爆者団体などに寄付して役立てる方法もあると思う」

 作品に込めた思いは、差別の対極にあった。それでも、円谷プロに欠番扱いを変える予定はない。

 被爆して全身にやけどを負った元広島平和記念資料館長の高橋昭博さん(70)にビデオを見てもらった。

 「被爆者が怪獣になる話ではない。31年前に見ても差別されたとは思わなかったはずだ。核兵器廃絶の強いメッセージは感じないが、ラストでは平和を願う気持ちが伝わってきた」

 原爆が落とされてから56年目の8月が来た。被爆者の平均年齢は70歳を超えた。この星には、まだ1万4000発の核兵器が残っている 』

 

 僕も決してこれが差別だとは思えませんが、なにぶん幻なので見ないことには分りません。

 しかし例えば、いろいろなところで語られていることですが、当時の番組スタッフの作品にかける思いや熱意は相当なもので、それこそ新しい価値観を作ろうとする意気込みは、当時の特撮の質やリアリティなどを完全に超え、それ以上の何かになって厳然と起立します。

 ウルトラマンのデザインには、当時の日本でトップクラスのシュールレアリスト・アーティストたちが加わっていたし、特にシリアスな展開の「セブン」は市川森一も参加して、「エヴァンゲリオン」世界の基になったと言われている(謎の秘密基地に、正体不明の怪獣が攻めてくる。背景となる世界は敢えて語られない)世界。

 最初の「ゴジラ」がいまだに評価が高いのも、敗戦やビキニ諸島での被爆など、鬱積した負の捌け口が実はあるから。それをあのような作品に昇華させていたのが、そんな若き作り手たちの熱意やメッセージだったと思います。

 だから、と言うのも何なのですが、決して差別が意図で作ったのではないと思うし、逆にきちんと見せたほうがお互いのためにいいと思います。むしろそういう見えない力のほうが、差別を助長する何かだと思います。


 

21 (Sun)

 『 川に生息する珍しいイルカ「ヨウスコウカワイルカ」で、唯一飼育中だった淇淇(チーチー)(オス、推定25歳)が、中国科学院水生生物研究所で14日に死んだことが分かった。生息域・揚子江の環境悪化で生存は推定100頭以下と、約80種の鯨類(クジラ、イルカ)で最も危機にひんしている。国際的なカワイルカ保護活動のシンボルでもあっただけに、関係者は力を落としている。

 チーチーは体長2.2メートル、体重125キロ。80年に首に大けがをして発見され、同研究所に運ばれてきた。一時は捕獲されたメスと同居して繁殖が期待されたが、89年にメスに先立たれ、孤独に暮らしてきた。

 同研究所から、交流のあった東京大学総合研究博物館に連絡が入ったが、死因は不明。寿命は30歳程度と推定されている。現地に通って観察を続けてきた神谷敏郎・学芸員は「5月ごろからエサを食べる量が減り、体調悪化が心配されていた」と話している。

 カワイルカは世界に4種おり、透明度の低い水に適応して目が退化している、などの特徴を持つ(朝日新聞) 』


 

20 (Sat)

 『 向精神薬入りの錠剤をインターネットのホームページ上で販売したとして、麻薬特例法違反などの容疑で書類送検されたものの、「解離性同一性障害(多重人格)で、別人格の男性がやった」と否認していた女性(21)について、大阪地検は「障害を装っていた疑いが強い」として、同容疑で逮捕した 』

 ううむ。ことのあらましは以下の様です。

 『 女性は多重人格と診断され、大阪市から精神障害一級の認定を受けていたが、同地検は、「周囲に別人格の状態の女性と接した人物がいないなど障害を装っている疑いが強く、罪証隠滅の恐れがある」として逮捕に踏み切った。書類送検された容疑者を地検があらためて逮捕するのは異例。同地検は今後、最終的な責任能力の判断のため、鑑定留置して精神鑑定を行うことも検討している。
 これまでの調べでは、女性は昨年2月から8月にかけて、福岡市の女子大生ら8人に郵便小包などで向精神薬入りの錠剤・5種類・135錠を、計約9万円で販売したとされる。女性は数年前から複数の病院に通院。通院先の病院のほか、海外の販売サイトからも薬を入手し、「漆黒の天使の薬箱」と称したHPに薬品名をリストアップしていた。
 女性は大阪府警の調べを受けていた際に、突然男性のような低い声で意味の通じない話を始める場面もあったといい、これまでの地検の調べにも「私は覚えていない」と、容疑を否認していた(以上、朝日新聞) 』

 この向精神薬、調べてみますと、『麻薬ほど依存性はないが、服用すると陶酔感やリラックス感などを味わえ、乱用の危険性のある薬』だそうです。なるほど。

 さて、この事件ですが、許せないことは二つ。まず小さい方から言うと、精神障害がある(と思わせる)と許される、と思っているところ。ばかか。

 で、何と言っても許されないのは、こういう奴のせいで本当に障害で苦しんでいる人への理解が遠のく、ということ。だいいちやけに落ち着いてHPで薬売ってるよねえ。こんな奴に認定を下ろす大阪市もどうかと思うが、それにのさばるお前は大ばかよ。少しでも天使を名乗るなら、堂々とやって言いたいこと言って、きちんと罰を受けてみろ。


 

18 (Fri)

 『 昨年7月の兵庫県明石市の花火大会事故で、現場の歩道橋で生後2カ月の赤ちゃんをかばいながら亡くなった神戸市西区の主婦草替律子さん(当時71)に、兵庫県は善行をたたえる「のじぎく賞」を贈った。県によると、同賞が創設された1963年以降、表彰は約3万3000件に上るが、故人は初めて。
 授賞式には夫の与一郎さんらが出席。家族が抱いた律子さんの遺影の前で、与一郎さんが表彰状を受け取った。与一郎さんは、「『このままでは赤ちゃんが死んでしまうよ。誰か助けて』という絶命寸前の妻の声が今も耳に残っている。一周忌が迫り、最高のプレゼントだ」と言葉を詰まらせた。
 律子さんが救った明石市の山下翔馬ちゃんは軽傷で済んだ。命日の21日には草替さん方を訪れて、成長した姿を見せる 』

 初めは、「よくある、いい話」なんだな、と思って読み始めたのですが、『このままでは赤ちゃんが死んでしまうよ。誰か助けて』というのを読んだとき、目が止ってしまいました。少しして、改めてそこを読み返しました。やはり初めに読んだときと同じ気持ちがまたしました。

 ほんの時々、ごく一瞬、ほんとうに他人のために何かをしたい、と思う時が人にはあります。それは殆ど存在しないものだから、気のせいかと思うけれど、やっぱりあるのかもしれない、と思える瞬間があります。


 

17 (Wed)

 芥川賞と直木賞が決まりました。さて、どんな小説なのでしょう。以下は朝日新聞の記事。

 『 第127回の芥川賞に吉田修一さん(33)の「パーク・ライフ」(文学界6月号)が、直木賞に乙川優三郎さん(49)の時代小説「生きる」(文芸春秋刊)が選ばれた。

 吉田さんは長崎市生まれ。法政大卒。97年、青春小説「最後の息子」が文学界新人賞を受賞しデビュー、芥川賞候補に。その後、「破片」「突風」「熱帯魚」と候補になる。長編「パレード」で今年の山本周五郎賞を受けた。東京都在住。

 吉田さんは、「先月、山本周五郎賞をとったばかりで、また芥川賞に決まり、自分がどんな気持ちなのかわからないぐらいうれしい」と喜びを語った。

 乙川さんは東京都生まれ。千葉県立国府台高卒。ホテルマンを務めた後、産業機械などの技術翻訳者に。「酔った勢い」で書いた小説が小説誌の新人賞の最終候補に残ったことから、38歳で時代小説を書き始めた。96年「薮燕」でオール読物新人賞。同年「霧の橋」で時代小説大賞。01年に「五年の梅」で山本周五郎賞。横浜市在住。

 受賞作は、逆境の中で尊厳を失わずに生きる姿を描いた三つの物語からなる。表題作の「生きる」は、藩主への殉死を禁じられ、さげすまれながらも生き抜いた男の心の揺れを描いた。

 乙川さんは「少しでもいいものを書こうと思ってやってきたのが、今日の結果だと思う。これからもっと技術的、精神的に向上したら、暗いものを明るく書けるでしょう」と話していた 』


 

14 (Sun)

 先日お伝えした夢の「次世代超音速航空機」の実験が行われました。日本が独自に設計したこの実験機、さて結果は。

 『 実験機は全長約12メートル、重さ約2トンの無人機。ロケットに背負わせて打ち上げた。しかし発射直後から傾いて飛行し、約15秒後に発射場近くに墜落した。

 事故の原因はまだ不明だが、ロケットのエンジンの点火直後に実験機がロケットからはずれ、バランスを崩し、墜落したとみられる。実験機は発射場近くに残っているという。

 予定では、高度約18キロまで打ち上げて切り離し、マッハ2の速度で約65秒間滑空させ、機体の圧力などのデータを得た後、パラシュートを開いて降下させ、機体を回収する計画だった。

 使われたロケットは、宇宙科学研究所が補助ロケットとして使っていたものを実験用に改良したもの。前後2カ所に分離結合装置が付いていた。 実験機がはずれた原因として、結合部の機械的な問題や、制御信号の不具合などが考えられるという。

 当初は同様の実験が秋以降3回予定されており、それが成功すれば、2006年頃にはジェットエンジン搭載の実験機を飛ばし、次世代・超音速旅客機の国際共同開発に、主体的に参加することを目指していた。

 しかし肝心の実験機打ち上げの段階で失敗してしまい、日本の技術力が問われることとなった(以上、朝日新聞の記事より抜粋) 』

 うーん、夢の5時間・ロサンゼルスの旅が・・。

 しかしこのところ、技術大国・日本っていったい本当なの?ということが、続いてますねえ。思うに、町工場の大掛かりな倒産・閉鎖が、響いているんだと思うね。こういうところから叩き上げて、今日の技術力があるというのに、弱者切捨ての国の無為無策が、事態を悪化させているのだと思います。

 (とまあ、怒りの矛先を勝手に変えてみました)


 

13 (Sat)

 『 旧タリバン政権などに破壊されたアフガニスタンの仏教遺跡バーミヤン石窟群の全容撮影に、京都府のフリーカメラマンがこのほど成功した。全壊が懸念されていた石窟内の壁画は、7割程度が破壊されていたが、残りは傷んではいるものの破壊を免れていたことが分かった。

 撮影したのは、世界の仏教遺跡を撮り続けるフリーカメラマン中淳志さん(43)。重要な壁画があった東西の「大仏龕(だいぶつがん)」では壁画はすべてなくなっていた。残っていたのは第330窟「仏坐像」や第530窟の「楽人の列」など2、3割。すべてがひどく傷んでいたという。

 中さんは京大や名古屋大などのこれまでの調査隊の報告書を基に計画を立て、今年5月、バーミヤン入りした。約60メートルのがけにも命がけで登り、3週間かけて撮影。

 1979年の旧ソ連のアフガン侵攻以前の調査で、重要遺構とされた約120の石窟を見た。壁画があったと報告されていた約7割の壁画が破壊されていたという。

 中さんは、「壁画を目にしたときは『やっぱりあったのか』と思った。指で押したらさっと崩れるほどの状態。一日も早く何とか修復してほしい」と話している(以上、産経新聞)』

 

 実は貴重な遺産を発見したり、その保存に尽力したりするのは、一介の個人だったりします。国家レベルですることや、人々が恩恵に預かったりしていることも、誰に頼まれたわけでもない無名の人の努力だったりもします。

 ここでも、たとえば「約60メートルのがけにも命がけで登り」、「全壊が懸念されていた石窟内の壁画は」、3割くらい残っていることが分りました。仮にこの人ががけから落ちて死んでも、誰も知らないし、文化人たちが残念だと言うこともないでしょう。熱に浮かされたある個人の、まったく自分勝手な情熱のうえの行動。

 しかしそれゆえ、その行為は100パーセントの純真さに富み、ある一瞬、人々の欺瞞を突き破ります。


 

12 (Fri)

 『 【ドイツ・ザールブリュッケン】 複数の詐欺行為で数年の服役刑を言い渡された姉(37)になりすまし、10カ月間にわたる刑務所暮らしを送っていた女性(33)が、外出許可を得てから戻らず、身代わりがばれるとの事件がこのほど起きた。ドイツ警察によると、女性は獄中生活はもう十分と、戻らなかった理由を述べている。

 姉には4人の子供がおり、女性は姉が子供の世話を出来るようにと自ら進んで偽装していた。犯行が発覚した際、女性は「もう嫌になった。二度と戻らない」と決意を固めていたが、刑務所に入る際の文書偽造罪で「本当の受刑者」になりそう。二人は非常によく似ているという。姉妹そろって同じ刑務所に入るのかどうかは不明

 【ロンドン】 英国ポーツマスにある水族館が、人間の手からえさを与えられることに慣れてしまったテッポウウオに、自分で獲物を捕らえる「訓練」を実施することを決めた。努力しなくてもえさにありつけることを知ったため、怠け者になったのを矯正したいと述べている。

 英デーリー・テレグラフ紙が報じたもの。テッポウウオの名前は、水を吹きかけて水面上にいる獲物を捕らえることから付けられている。水族館のスタッフは、テッポウウオのこの本来の行動を取り戻そうと、水槽の上にプラスチックのはえをくくりつけた動くひもを制作。テッポウウオが獲物に水を命中させると、えさが水面下に落ちてくる仕組みを考え、“しごく”予定だという。

 水族館スタッフは、「自然の中にいるように、自分で生きたはえを捕まえるようになってくれればいいが」と期待している。

 問題のテッポウウオに怠け癖がついた飼育の期間などは伝えられていない(以上、CNN) 』

 うーん、人間も同じか。


 

11 (Tue)

 フジテレビで24:40分から「禁じられた遊び」という番組をやっているのですが、これがいいです。「禁断のセラピスト・望谷女南」が、毎回、これをやめたい、と言って現れる患者に、逆説的に魅力を語る、というもの。

 で、その望谷女南役が、「ミラクル三井」こと篠井英介。これがまんまミラクル三井(ドラマ「トリック」に出てきた役ね)なのは、もう凄みさえ感じさせます。ある境地を開拓した、って感じですね。

 それでもって今日の患者(ゲスト)は犬山犬子。知る人ぞ知る、演劇界のヒロイン(それでもってやはり「トリック」でいい演技してた)。

 番組では真面目に、おかしなことを説明します。そう、「カノッサの屈辱」系なのは、構成が小山薫堂だからです。

 それにしてもあの不可思議なキャラ、いいよなあ・・。


 

10 (Wed)

 『 「世界最高速の動く歩道、転倒者続出で閉鎖」

 朝夕を急ぐビジネスマンの便を図ろうと、パリ市交通公団が地下鉄の通路に、自称「世界で最も速い動く歩道」を設置した。ところが転倒者が続出し、4日目であえなく閉鎖した。

 設置されたのは、パリ・モンパルナス駅の国鉄−地下鉄の乗り換え通路。延長185メートルに5億3000万円かけて新型モデルを備えた。「これで乗り換えが楽しくなりますよ」のうたい文句で、2日に開通式を開催。1日11万人の利用を予想した。

 利用者はまず、通常の速度の動く歩道に乗り、助走した後に、「最速の歩道」に乗り移るシステムだった。これがかえって混乱を招いたのか、開通数時間で転ぶ人が相次ぎ、けが人も出た。被害者の多くはハイヒールの女性。介助をする係員を配置して断続的に運行したものの、ついに5日、運休となった(以上、朝日新聞より抜粋) 』

 恵比寿に導入したらどうだ。ちなみに記事では、『 一刻を争う通勤に慣れている日本と違って、マイペースのパリ市民はせっかちさについていけなかったようだ 』と言っております。

 『 ボスニア・ヘルツェゴビナ駐屯のNATO主導の平和安定軍(SFOR)は9日、セルビア人戦犯を逮捕した。SFORは7日にもセルビア人戦犯を逮捕。だが、相次ぐ“朗報”にもかかわらず、最重要戦犯2人については行方すらつかめていないのが実情。また、SFORの活動に直接かかわるものではないが、国際刑事裁判所問題を巡り、米国がボスニアの国連平和維持活動の延長反対を打ち出すといった不安定要因も生まれ、旧ユーゴスラビア戦犯追及の前途には、次第に不透明感も漂い始めている(読売新聞) 』

 最も何かを言いたかったのはこの記事。といって、とても簡単には言い切れないのがこの問題。世界に誇る、稀に見る異形国家だったユーゴ・スラビア。異なった民族の奇跡的な融和。それが、世界でも最もおぞましい民族紛争へと、全く簡単に突き進んだ。時々、言葉なんて意味を持たず、もうみんな死んじまえよ、と思うときがあるけれど、こいつらもみんな地べたをのた打ち回り、未来永劫に切り刻まれてしまえ、と思う。ほんとに。

 さて、「マッハ2以上の速度とコンコルドを上回る輸送能力を持ち、低騒音・低公害の次世代超音速旅客機」を、開発中の航空宇宙技術研究所が、初の飛行実験を行うそうです。

 『 欧米各国が次世代機の開発を進める中、「飛行実験を行うのは日本が初めて」という。2015年の実用化を目指しており、コンコルドの約3倍の300人の乗客を乗せ、東京からロサンゼルスまで約5時間で飛行が可能になるという(読売新聞) 』

 この5時間というのは、きっとすごく画期的なんでしょうね。外国に行ったことない自分には、いまいちぴんときません。だって5時間といったら、電車で大阪くらい行けちゃうよね。そんなもんなのかな(って、全然分ってない・・)。

 さて、気象庁は世界の天候に影響を及ぼす「エルニーニョ現象」が既に発生している可能性が高い、と発表しました。

 このエルニーニョ現象、読売新聞によれば、「太平洋東部の赤道付近の海面水温が半年から1年半にわたって平年より高くなる現象。日本の気候への影響は間接的ではっきりしないが、統計的には、夏の気温が低くなり、東日本や西日本では降水量が多くなる。梅雨明けが遅く、台風の発生数が少なくなる傾向もあるとのこと。

 「神の子」は、僕らに何をもたらすのでしょう。


 

9 (Tue)

 またまたCNNから異常電波が・・。

 『 ミズーリ州マウントバーノンでの出来事。

 結婚式を数時間後に控え、準備に忙しい花嫁宅。自宅での挙式のため、準備でばたばたしている家の前に突然、車が急ブレーキをかけて停車し、男が押し入って来た。男は自分の車に爆弾を積んでいると脅し、花嫁の小型トラックをよこせと要求。

 しかしこの強盗の要求を、花嫁はきっぱりと拒否。逆に「爆弾を爆発させれば」と答えた。これを聞いた強盗は花嫁に襲いかかった。花嫁は、警察に電話をかけようとしていたフィアンセから22口径の短銃を取って応戦。強盗と銃の取り合いになった際、はずみで引き金がひかれ、銃弾が男の胸に命中し、強盗を撃退することになった。

  花嫁のニーリーホワイトさんは、「あのトラックは、自分にとって大切なもの。強盗なんかに渡せない」と話している。

 この様子を、花嫁宅の飾り付けをしていたリンダさんは、「彼女は落ち着き払って強盗に立ち向かった。彼女の勇気に敬服します」と感心している。また、郡保安官は、「彼女の行動は正当防衛だ」と、ニーリーホワイトさんは何も罰せられないはずだ、と話している。

 警察は、病院で手当を受けているホルヘ・ルイス・セセナス容疑者を、強盗容疑などで逮捕した 』

 相変わらずスパイスが効いているのは、カウボーイの国の特権でしょうか・・。


 

7 (Sun)

 『 歌舞伎の頂点で活躍した名女形で、六代目中村歌右衛門さんが住んでいた東京都世田谷区の家(敷地約2千平方メートル)が、近く取り壊される。広大な敷地には歌右衛門さんが植えた木々が茂り、長男の中村梅玉さん夫妻の希望で一部をそのまま残し、一部はゆかりの施設に移すことになった。歌右衛門さんがもっとも気に入っていたシダレザクラも残って、この土地を見つめ続ける 』

 これは朝日新聞の記事。

 『 世田谷区岡本の住宅街にある歌右衛門さん邸は、12軒分の宅地として売り出される。相続税の関係で、梅玉さんは土地を手放さざるを得なくなったという。有紀子夫人は、「父の思い出もあり、ずっと住んでいたかったのですが……」と残念そうだ。

 夫妻は土地を売る際、この木を残すことを条件にした。ほぼ正面に、区が管理している広場があり、周辺は区民の散歩コースとして親しまれている。このため、歌右衛門邸も区に買い上げるよう求める要望が多かった。区は買いとる業者に遺族や住民の希望を伝え、庭にある多くの緑もシダレザクラと一緒に残ることになった。

 緑色の花が白からピンクに変わるウコンザクラは遺品を保存している早稲田大学に、梅の木は2度の入院で世話になった近くの病院に、それぞれ移植される 』

 貴重な財産が国の無能ぶりで失われていくのですね。残念です。しかし世田谷区は頑張りました。住民も夫婦も頑張った。小さないい話。でも相変わらず、相続税が人々のささやかな願いをぶち壊します。

 さて、そんなところに侵入者が。

 『 7日午前8時ごろ、愛知県佐屋町のJR関西線永和駅構内で、信号が赤のまま変わらなくなり、名古屋発鳥羽行き快速列車「みえ51号」(2両!快速なのに!)が立ち往生した。係員が調べたところ、線路のポイントのすき間にカメが挟まり、ポイントが切り替わらなくなっていた。カメは体長28センチで、すでに死亡していた。

 このトラブルで、後続の紀伊勝浦行き特急列車「ワイドビュー南紀1号」など、上下7本が最大45分遅れ、乗客計約1100人に影響が出た。現場は田んぼに囲まれた田園地帯(読売新聞) 』

 現場は田んぼに囲まれた田園地帯・・。最後に添えられたこの一行が、なんともいい雰囲気を醸し出しています。

 ところで先日、東急の新型車両に乗りました。オール・ステンレス製、中は寒色系でさっぱりして、なんと15インチ液晶付き。これがなかなかの優れもので、行き先から走行地点から、何号車に今いてどのへんで乗り換えるといいかまで標記され、さらには魚が泳ぐ映像まで流れるという・・、素晴らしいです。

 で、思ったんですが、だいたい一両の定員が150人くらいだから、朝なんか1500人くらい乗ってる、ってことですよね。そんなんがぼんぼん出てるわけですよね。まるで移動する町みたいなもんだな。


 

6 (Sat)

 さて今日は、文化的に、非常に興味深い2点を選んでみました。

 まずは数奇な運命を辿った映像から。

 『 68年当時の若者を撮ったドキュメンタリー「にっぽん零年」が、初めて一般公開される。「キューポラのある街」の浦山桐郎、「八月の濡れた砂」の藤田敏八ら4監督が共同制作することになったものの、意見が対立し、会社も中止を命じたが、ひそかに撮影・編集されたという「幻の作品」だ。東京・渋谷のユーロスペースを皮切りに全国上映される。

 映画を企画したのは多くの名監督をデビューさせた大塚和プロデューサー。当時、日活で「私が棄てた女」を撮影中だった浦山監督が、「実際の若者を追いたい」と持ちかけ、藤田敏八、河辺和夫、斎藤光正の3監督にも声をかけた。

 藤田監督は学生運動の活動家に密着し、河辺監督は新宿のフーテンや自衛隊員を撮影した。浦山監督は自転車旅行をする仙台市の工員を追いかけ、斎藤監督は大阪でデパートの店員を取材した。

 しかし、1カ月ほどで撮影は暗礁に乗り上げた。理由は、「藤田監督担当分の政治色が強まったことに浦山監督らが反発した」「藤田監督らが4人別々のオムニバス構成を主張した」など、さまざまに伝えられているが、真相は定かではない。大塚さんと浦山、藤田、河辺の3監督は世を去り、斎藤監督も「降板した作品。一切話したくない」と口を閉ざす。

 ただ、斎藤監督の助監督を務めた岡田裕さん(64)は、「藤田監督が、どうしても撮影対象の学生で1本の映画にしたいと頑張るものだから、まとめ役のはずの浦山監督が勝手にやれよとすねちゃった」と証言する。

 学生運動が激化する当時の社会情勢の中、日活も社会的影響を恐れ、制作中止を決めたが、大塚プロデューサーの一存で撮影は続けられた。

 浦山、斎藤監督の撮影分は入っていないが、68年10月の新宿騒乱、69年1月の東大安田講堂落城も収め、69年に作品は完成した。当時の世相を知る貴重な映像で、映倫も通った。だが、日活は経営の混乱期で、71年にはロマンポルノに路線変更したため、上映する機会を逸したという。

 藤田監督分を撮影したカメラマンの大津幸四郎さん(68)は、「撮影隊は監督以下5人の少人数だが、よく飲む人たちで、ほとんど二日酔いで撮影していたような気がする」と話した(以上、朝日新聞) 』

 半ば伝説的な映画ですね。稀代の名監督たちに、激動の季節。うーん、すごくそそられます。

 この時代の日本って、けっこう好きで、音楽にしろ文学にしろ、名作多数。それはいわゆる、日本自体が青春期にあたるような背景があり、混乱があり、一つの熱に浮かされる最後くらいの時間だったから、なのかな。是非観てみたい一本であります。

 さて、次は人類史上、最大の謎について。

 『 約180万年前にアフリカから欧州にわたった原人(ホモ・エレクトス)の脳は、従来考えられていたより小さいことを示唆する化石が、旧ソ連のグルジア共和国でみつかった。

 同国や米国などの研究グループが、5日発行の米科学誌サイエンスに発表する。原人の「出アフリカ」は、大脳が発達し、知能を得たためという定説が覆る可能性もでてきた。

 頭骨は、同国南部のドマニシ遺跡で見つかった3個のうちの一つ。容積は約600CCで、従来の原人の3分の2しかなかった。全体的に横長で顔が突き出ていて、大きな犬歯も生えていた。原始的な猿人の特徴もあわせもち、アフリカにいた初期の原人によく似ているという。

 原人は約200万年前のアフリカで猿人から進化。脳が大きくなったり脚が伸びたりした結果、より高度な道具を使い、長距離移動するようになったとされていた。アジアに渡った原人は、北京原人やジャワ原人として知られる。

 国立科学博物館の馬場悠男・人類研究部長は、「砂漠を越えてアフリカを出るには、水や食料、相当の体力が必要になる。身長が現代人ほどあり知能も発達した原人でないと無理だとみられていた。今回の発見は、従来のシナリオに見直しを迫るものだ。180万年前は氷河期に入る直前の時代。砂漠の周辺の乾燥がそれほどひどくない地域を移動したのかもしれない」と話している。

 原人は数万年前までには絶滅。現生人類のホモ・サピエンスは、約20万年前にアフリカで登場し、約10万年前にアフリカを出て、その後世界各地に広まったとされている(朝日新聞) 』

 「完全」になる前に出ちまった、ということですね。

 ところで、記事の最後にも出ているのですが、最大の謎というのは、人類がどこから現れたのか分らない、ということなのです。ここでも、『「原人は数万年前までには絶滅」した後、「約20万年前にアフリカで登場」し、「その後世界各地に広まった」』となっていますね。つまり、原人と人類を結ぶ鎖が途切れていて、その間の進化の過程を表すものがない、ということなのです。

 その疑問に、もしかしたらこの発見は答えてくれるのでしょうか。

 一説には、原人から人類にはなり得ない、という論もあります。人類は突然現れたのです。だからまあ、そんなよく分らない生き物なのです、我々は。


 

5 (Fri)

 『 長野県議会は田中康夫知事に対する不信任決議案を賛成多数で可決した。田中知事は10日以内に議会を解散するか、解散せずに失職するかを迫られる。知事職への意欲があり、失職するか、解散しても自ら辞職するかして知事選に臨むとみられる。

 決議案では、「『長野モデル』の発信と称して、県民の生命や財産を守ることよりも自己の理念の実現を優先させた」「独善的で稚拙ともいえる政治手法により県政の停滞と混乱を招き、多くの県民の期待を裏切る結果となった」と田中知事を批判。県政会団長の下崎保県議が「『脱ダム宣言』以来1年4カ月。タレント活動に励み、無為無策だった」などと提案理由を説明した。

 共産党の5人が反対した。社民党系の社会県民連合の7人と県政会の3人は退席した。退席した県政会の一人は、「すさまじいエネルギーで県政にメスを入れてくれた知事の力が、もう少し必要だ」と述べた。

 県議会側が解散覚悟でこの時期に不信任を突きつけたのは、来春の統一地方選で県議会が改選されることが挙げられる。定数が四つ削減されるうえ、田中知事を支持する新顔が立候補する可能性もある。むしろ、いま県議選をした方が現職に有利との読みがあるためだ。

 田中知事は00年10月の知事選で、県議や市町村長の大半が推す前副知事を破って当選。共産党を除き「オール野党」の県議会は、「脱ダム宣言」などをきっかけに知事への反発を増し、4回にわたり県の予算案を修正、今年3月には知事に対する「県政停滞の問責決議」を可決した(朝日新聞) 』

 こういう独善的で周りが見えず、井の中の蛙になっていることが分らない無能な議会があり続けることがいかに馬鹿らしいか、ということですね。


 

4 (Thu)

 怒涛のCNN攻撃を2つ。まずは米オハイオ州ペインズビルでの出来事。

 『 ペインズビルの裁判所は、州立公園の湖畔で先月13日、愛の営みにふけった33歳の男性と、24歳の女性に対し、公衆の面前で不適切な行為を行ったとして、地元紙2紙に謝罪文を載せるか、もしくは計22日間の収監生活を送るかの二者択一を迫る判決を下した。

 カップルは謝罪文を選んだ。文面は、「社会を見下し、他人を害するような行為を働いたことを謝る」などの趣旨になる予定。二人が事に及んだ湖岸は地元でも人気があり、遊びに来ていた数家族が“異変”を目撃、管理人などに通告していた。

 この判決を下した裁判官は、「創造的な裁断」を打ち出すことで地元では有名だという 』

 次はロンドン。

 『 ギルドホール美術館で3日午後、今年5月に除幕されたばかりのサッチャー元英首相の大理石像を、ロンドン近郊在住の男性が鉄パイプやクリケット・バットでたたいて破壊したため、像の首が転がり落ちた。男性は器物破損などの疑いでロンドン市警に逮捕された。動機は明らかにされていない。壊されたサッチャー像は、ゆくゆくは英議会下院に歴代首相の像とともに並ぶはずだった。

 ギルドホールはただちに像を撤去した。像を製作した彫刻家ニール・シモンズ氏が点検した後、修復するかを判断するという。シモンズ氏は、8カ月かけた像を破壊され、「こんなに時間をかけた作品が数秒の無思慮な暴力で破壊されるのは悲しいことだ」と話している。

 一方で英タイムズ紙は、容疑者が、「(元首相の)多くの政敵がついぞ出来なかったことを成し遂げた」と報じた 』

 ついぞ出来なかった・・。ううむ、これが英国流シニカルな笑いなのでしょうか。それに、「創造的な裁断」!ですよ。CNNってけっこう笑いのツボ心得てるかも。


 

3 (Wed)

 これはちょっとすごいです。文章もいいので、朝日新聞の記事ですが、そのまま載せます。

 『 69歳大物女スリ師、涙ながらに「引退宣言」

 その世界で全国に知られた大物女スリ師(69)が、足を洗う覚悟をした。10代で手を染め、これまで何度も捕まったが、現行犯以外は決して口を割らなかった。それが、昨年1月出所以来の202件、総額1000万円の余罪を自供。罪を償って出直す決意を固めた。心を入れ替えさせたのは、孫娘への愛情だった。

 「ねえさん」と仲間たちから呼ばれた。盗犯担当の刑事たちは「プロ中のプロ」と逮捕に全力を挙げてきた。

 4月7日、北九州市のJR小倉駅で新幹線を降り、デパートで買い物客のバッグを置き引きした。博多駅から尾行していた福岡県警の複数の捜査員が現場を押さえた。昨年1月に刑務所を出たばかりだった。

 幼いころ両親と別れ、福岡県内の祖父母に育てられた。小学校の途中から工場や商店で働き始めたが、悪い仲間と一緒に行動するようになる。関西方面にあった「スリ学校」で学んだとされ、最初に捕まったときは10代だった。

 東京、大阪、福岡などの電車やデパートを主な舞台に犯行を重ねた。指の動きが衰え始めたこのごろは、スリから置き引きに比重を移していた。夫がいるものの、ほかに生活費を得る方法がなかったことも足を抜けなかった一因と捜査員はみる。

 「独特の美学があった」と言われる。財布から現金だけを抜き取り、「大事な物も入っているだろうから」と、たとえ高価なカバンや財布でも見つかりやすい場所に置いてきた。

 逮捕後、身柄は小倉北署に移された。口が堅いので、余罪の立件は困難とみられていた。

 ところが、調べに加わった30代半ばの女性捜査員と言葉を交わすうち、同じ年頃の娘や小学校高学年になる孫娘の話などをきっかけにうちとけ始めた。

 「娘には母親らしいこともろくにしてやれず、まともな道をたどらせられなかった。孫は私のようにはさせたくない」

 「もうこれで最後にしませんか。余罪を隠していたらまた犯行を繰り返しますよ」

 「かわいい孫がグレたら困る……。今回を最後にします」

 涙を流しながら話した。母親が不在がちな孫娘の姿に、やはりおばあちゃんっ子だった自分の姿を重ね合わせているのでは、と捜査員はみる。

 「4〜5年は刑務所に入ることになるだろう。刑が重くなることを知りながら余罪を自供したことで、決意のほどがわかる」

 言葉通りまっとうな生活に戻れるかどうか、出所後が正念場と捜査員は期待している 』

 ここにはたくさんのドラマがあります。「スリ学校」、「独特の美学」、豊かとは言えないもう一つの昭和史。決して表だけではない現実の歪んだ流れが、一瞬だけ闇を照らし出します。


 

2 (Tue)

 まずは一気に事件の概要を読んでください。

 『 福井市内でひき逃げ事故を起こし、マウンテンバイクを盗んで逃げていた新潟県新津市生まれ、無職・熊木弘之容疑者(40)が、約1000キロ離れた鹿児島県内で建造物侵入の現行犯で逮捕され、釈放された2日、福井署に道交法違反の疑いで逮捕された。

 調べによると熊木容疑者は、6月11日、福井市内の国道8号線で玉突き衝突を起こして富山市内の女子大生に軽いけがをさせ、車を現場に放置し近くの路上にあったマウンテンバイクを盗んで逃走した。野宿しながら九州に向かい、28日ごろ、鹿児島県志布志町内の倉庫に窓ガラスを割って侵入。ねぐらにしていたが、所有者の通報で30日に志布志署員に逮捕された。

 熊木容疑者は所持金20円で、ひげも髪もボサボサ。家族の家出人届が出ていたため、ひき逃げの容疑者だったことが判明した。調べに対し熊木容疑者は、「あてもなく鹿児島まで来た。人生に疲れた」と供述しているという(読売新聞) 』

 このコーナーはジャンルは問わないのですが、ニュースを選ぶ上でとある基準が自分の中にあります。どんな基準か、というのは説明できるものではないのですが、たとえば今日のはまさに直球でした。南へと走り続ける男。その無意味な行為は、だからこそ弁護する気も起こらないくらい愚かしく、さんざん嘲り笑った後には、涙しか残りません。


 

1 (Mon)

 『 ロイター通信は1日、アフガニスタン南部で米軍機による誤爆があり、住民少なくとも120人が死傷したと伝えた。また米政府当局者はAFP通信に、パトロール飛行中に対空砲火を受けて反撃した米軍機の爆弾がそれたようだ、と話した(朝日新聞) 』

 それたようだ・・。何がそれたんだよ!

 




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