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その日起こった重要(かもしれない)出来事をメモしておくコーナー

2002.12.

29 (Sun)

 『 長引く不況の中で、文化人らが愛した都会の“オアシス”が相次いで姿を消そうとしている。戦後の歴史を刻んだ思い出の場所が失われていくのを惜しむ声は強い。

 東京都新宿区歌舞伎町の繁華街の中にある名曲喫茶「スカラ座」は1日午前零時に閉店する。

 1954年に開店したスカラ座は、ツタが絡まる山小屋風の外観で、店内はオペラの登場人物の壁画などで飾られている。作家の向田邦子さんや喜劇俳優の古川緑波さんら文化人やクラシックファンが集う名店として知られた。娯楽が少なかった50年代後半は、300席の店内は常に満員で、床に新聞紙を敷いて席が空くのを待つ客もいた。

 しかし、バブル以降、周辺に風俗店が増えると客足が激減。店舗も老朽化し、経営を続けるのが難しくなった。先月、閉店が決まると再び客が増え、満席になることも。思い出の席やテーブルを「譲って」という申し出が多く、すでに数十脚が売約済みになった。

 一方、舞踏家・土方巽さんの拠点だったスタジオ・アスベスト館(目黒区)は来月、競売にかけられる。

 50年に開館した同館は、日本独特の身体表現である「舞踏」を創始した土方さんの練習場や発表会場として使われた。三島由紀夫、渋沢龍彦、種村季弘、池田満寿夫、唐十郎の各氏ら文化人が集い、夜を徹して語り合ったスタジオとしても知られる。

 土方さんが亡くなった86年以降は妻の元藤あきこさんが運営を引き継いだが、88年の改築の際に融資した銀行が破たん。業務を引き継いだ別の銀行から、昨年10月に負債約1億6000万円の一括返済を求められた。

 返済出来ないため競売が公示され、来月21日に入札が始まる。6月に発足した支援実行委員会が募金を始めたが、これまでに集まった額は約250万円で、最低売却価格の5747万円には遠く及ばなかった。元藤さんは、「芸術活動に理解のある人がスタジオを落札するよう祈るしかない」と話している(読売新聞) 』


 

28 (Sat)

 『 J1の浦和を戦力外となった元日本代表FWの福田正博(36)は、「現役を辞める方向で話を進めている」と、今季限りでの引退を示唆した。

 福田は11月にクラブ側から来季の戦力外とコーチ就任の要請を伝えられた。現役を退いた場合、指導者のほかに解説者への転身なども視野に、去就を熟慮してきた。

 福田は「具体的には今は話せないが、年明けには正式な話ができると思う」と話した(読売新聞) 』

 やっぱり辞めちゃうんですね。永遠のミスター・レッズ。今までありがとう。


 

27 (Fri)

 『 新興宗教団体ラエリアン(本部スイス)のフランス人化学者ブリジット・ボワセリエ氏はフロリダ州で記者会見し、米国人の女性(31)の皮膚細胞から複製したクローンの女児が26日に誕生したと発表した。また、ほかに4人のクローンベビーが今月末から来月にかけて生まれる見通しだと語った。

 ただ、女児が本当に女性信者のクローンかどうかを示す証拠は示されないままで、専門家は懐疑的な見方を強めている。教団側は10日前後でDNAの鑑定結果が得られるとしているが、どんな形で検証可能な情報を公開していくかは不明だ。

 ボワセリエ氏によれば、クローン羊ドリーとほぼ同じ手順を使い、同氏が代表を務める教団の関連企業クローンエイドの施設で、女性信者の皮膚細胞からDNAの入った核を取り出し、これをあらかじめ核を除去したこの女性の未受精卵に移植し、クローン胚を作成。この女性が帝王切開で出産したという。「イブ」と呼ばれている女児の体重は約3200グラムで、健康だとしている。

 近く誕生予定のクローンベビーのうち2人はアジア人の複製だとしている(読売新聞) 』

 

 『 フランス紙ルモンドは、ヒトのクローンづくりを目的に新興宗教団体ラエリアン(本部スイス)が設立した「クローンエイド」社が世界で初めてのクローン人間となる女児を誕生させた、と報じた。母親は30代の米国人女性で、自分の体細胞によるクローンという。出産は帝王切開で、母子とも健康としている。

 AP通信によると、同社は27日に米フロリダ州で会見し、ビデオを公開するという。真偽は現時点では不明で、専門家も「信用できる証拠が何も示されておらず、事実とは思えない」と同社の主張を懐疑的に受け止めている。クローン人間づくりは倫理的にも、安全性の面でも重大な問題があり、試みること自体が許されないとの考え方が世界のすう勢。今回の発表が大きな波紋を広げるのは必至で、クローン人間づくりを禁止する国際条約の早期制定などを求める声が強まりそうだ。

 同社はこれまで、30代の米国人女性が夫との間で子供ができなかったため、自分の体細胞からつくったクローンを自ら妊娠した、と発表していた(共同) 』

 

 『 スイスに本拠を置く新興宗教団体ラエリアン・ムーブメントのフランス人化学者ブリジット・ボワセリエ氏は、米フロリダ州で記者会見し、「クローン人間の女児を世界で初めて26日に誕生させた」と発表した。

 出産したのは、不妊に悩むカップルの31歳の米国人女性。自分の皮膚の細胞と卵子からつくったクローン胚で妊娠し、女児を帝王切開で出産。体重は約(3.2キロ)で、名前をイブと名付けた、という。生まれた国は明らかにしていないが、「米国外」としている。

 女性と女児のDNAが一致したかどうかなどの科学的データは示さず、「これから検査をし、1週間ほどで結果が出るだろう」と話した。さらに今後数週間のうちに4人のクローン人間が誕生する、と述べた(朝日新聞) 』

 

 で、名前がイブですか。うーん。

 それでもって、極めつけの記事を。

 

 『 人類は地球外生命によって作られたと主張するスイスの新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」は記者会見し、クローン人間づくりのために設立した関連会社のクロネイドの技術でクローンの女児が生まれたと発表した。

 クロネイドのブリギッテ・ボワセリエ氏は会見で「クローン児が生まれたことを喜んで発表する。女児は昨日午前11時55分、生まれた。健康状態は良い」と述べた。ボワセリエ氏によると、女児の体重は約3200グラムで、「イブ」と命名された。

 ボワセリエ氏は出生地を明らかにしなかったが、母親が米国籍の31歳で、母親の皮膚から体細胞を採取してクローン胚を作ったという。

 女児が本当にクローンであるかどうかは不明だが、ボワセリエ氏は「女児の祖母は、『母親によく似ている』と言っており、現時点ではこれが(クローンである)証拠だ」と主張している。

 ラエリアンは1997年、「クローン人間の安全で確実な方法の開発」を目的にクローンエイド社を創立した。ボワセリエ氏は同社の責任者とされる。

 クローン人間は、安全性のほか、倫理的な問題も深くからみ、実験自体が許されないとする考え方が世界で主流。ラエリアンは、フランス人のラエル氏が73年に教団を設立した。「世界最大のUFO関連非営利団体」ともいわれ、地球上の生命は地球外での細胞操作で誕生したとの説を唱えている(CNN) 』

 

 もうこれはクローンよりこの団体の方が問題だと思いますわ。

 だって、「地球上の生命は地球外での細胞操作で誕生した」わりには、自ら細胞操作して「イブ」を作ったんだよねえ(多分嘘だけど)。それってどうなの。

 「世界最大のUFO関連非営利団体」がそれでは、この先怖すぎ!


 

26 (Thu)

 『 日本代表の守備の要として10年以上にわたって活躍し、日本サッカーの成長を支えてきたDF井原正巳(35)=浦和=の現役引退が発表された。国際Aマッチ出場は123試合。国内で比類なき実績を持つ「アジアの壁」は、最後まで「代表」へのこだわりを貫いた。

 日本がワールドカップ出場に最も近づいた1993年アジア予選、いわゆるドーハの悲劇。苦闘の末に初出場を決めた97年の予選、そして世界の壁の厚さを知らされた98年の本大会。そこには読みの鋭さで守備を統率し、失点を悔しがる井原の姿が常にあった。

 年齢的に「最後のチャンス」と臨んだフランスW杯は、3 連敗で敗退した。しかし「海外には30代で活躍する選手も多い。年齢に関係なく、悔しさを4年後に生かしたい」と話した。日本代表としての誇り、喜びを実感し、再び意欲を駆り立てられたのだった。

 99年に代表から外れ、メンバー入りの可能性がほぼ絶たれていた今回のW杯も望みを捨てなかった。関連した仕事の依頼を、直前まで聞こうとはしなかった。

 11月に浦和から戦力外通告を受けた。「もう1年くらいはやれる」と当初は現役に執着した。しかし、今月中旬には「体の中に疲労がたまっている部分があるし、弱いところも出てきている」。引退を現実として受け入れ始めていたのかもしれない(サンスポ) 』


 

25 (Wed)

 『 今年生まれた赤ちゃんで一番多い名前は、男の子が「駿」、女の子は「美咲」と「葵」――明治生命保険は恒例の名前調査の結果を発表した。同社は、男の子には午年を反映した「スピード感」や「雄大さ」、女の子には「美しさ」に「優しさ」「強さ」などのイメージを加えた命名が目立ったと分析している。

 調査対象は、同社の契約者に生まれた名前のわかる男の子3728人、女の子3447人。女の子のベスト10に「愛」が5年ぶりに復活したのは、昨年12月に皇太子家の長女・敬宮愛子さんが誕生した効果とみている。

 読み方だけでみると、男の子は「ゆうき」、女の子は「あやか」が1位だった。

 <2002年生まれの子の名前> 順位(前年)

 【男の子】

 1(19) 駿 しゅん 

 2(2) 翔 しょう、かける  〃(7) 拓海 たくみ

 4(5) 蓮 れん

 5(9) 翔太 しょうた  〃(15) 颯太 そうた、はやた

 7(3) 海斗 かいと

 8(7) 健太 けんた

 9(1) 大輝 だいき、たいき

 10(15) 大樹 だいき、ひろき  〃(28) 優 ゆう、まさる

 【女の子】

 1(6) 美咲 みさき  〃(22) 葵 あおい

 3(3) 七海 ななみ

 4(34) 美羽 みう、みはね

 5(12) 莉子 りこ

 6(19) 美優 みゆ、みゆう

 7(8) 萌 もえ、めぐみ

 8(4) 美月 みつき、みずき  〃(8) 優花 ゆうか  〃(22) 凜 りん  〃(51) 愛 あい、まな、まなみ

 (朝日新聞) 』

 そうですか・・。

 なんか自分には馴染みのない名前ばかりなんですけど・・。

 この中で友だちの名前なんてほとんどないよ。男子はゼロ。女子は、「美咲(みき)」ちゃんと「愛(あい、または、まなみ)」ちゃんくらいかな。

 それはとんでもなく時代が違うよ、と言われそうだけど・・。

 でもどちらかといえば、女子の名前の方が永続性があるような気がしますな。


 

24 (Tue)

 『 カナダとオーストリアの研究チームが米男性誌プレイボーイの売り物グラビアに掲載される女性モデルの体型を最近約50年について調べたところ、バストとヒップは減少しているがウエストは増加し、ずん胴体型になる傾向があることがわかった。

 ウィーン大学のマーチン・ボラセックさんらが、1953年から2001年までプレイボーイに掲載された577人のモデルの体重とスリーサイズを調べ、分析結果を英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」最近号に発表した。

 それによると、50年代はマリリン・モンローに代表される「砂時計型」体型のモデルが掲載されていたが、60年代にはツイギーに代表されるやせたモデルが現れてバスト、ウェスト、ヒップとも減少。90年代にはケイト・モスのような「薬物中毒的」スタイルが現れている。ケイト・モスのウエストはマリリン・モンローと同じだが、バストとヒップはモンローより小さい。

 BMJの広報担当者は「体重を除くスリーサイズは意味のある変化を示している。つまり、バストとヒップは減少し、ウエストは増加している」と話す。

 研究チームのボラセックさんはAP通信の取材に対し、「今回得られた結果から、その原因を突き止めることは難しい。ただ言えることは、人々の嗜好は単純ではなく、長い期間で変化するということだ」と話している。

 プレイボーイの広報担当ビル・ファーリーさんは「女性はビジネスの分野でもどんどん活発になって、フィットネスに通うことも増えた。そして体型も変わった。私たちの雑誌もその傾向を反映している」と話す(CNN) 』


 

23 (Mon)

 『 23日午前1時10分ごろ、神奈川県横浜市神奈川区片倉町のスーパー「ヨコハママツザカヤストア片倉町店」の敷地内に設置された、横浜銀行の現金自動預入払出機(ATM)が壊されているとの110番通報が、近くの男性会社員からあった。神奈川署員が約4分後に現場に到着したが、ATM2台が持ち去られた。約2900万円が入っていたといい、同署が被害額を調べている。

 事件当時、男性会社員が現場から約100メートル離れた場所で知人を待っていたところ、パワーショベルを乗せた9トントラックが現れた。男1人が車から降りると、パワーショベルでATMの入った建物を壊し始めたという。

 男性はそれを見ながら携帯電話で「今、破壊中です」「早く来てください」などと通報、署員が駆けつけたが、間に合わなかった。男は保冷車のような車にATMを乗せて逃げたという。

 犯行に使われたパワーショベルやトラックは、いずれも21日以降に現場近くで盗まれたもので、現場に残されていた。神奈川県警によると、同県内では、昨年12月3日以降、同様の事件が28件発生しており、被害総額は約1億4000万円にのぼるという(朝日新聞) 』

 うーん、大胆な・・。

 つい昨日も、寒川町(神奈川県)で同様の犯行があったそうですよ。

 しかし1時10分頃って、まだそんなに遅い時間でもないし、4分間以内に姿をくらませているわけだから、鮮やかな(?)手口なのかな。

 ATMもあの大きさで1500万くらい入っているのか。

 まあなんだかドラマか映画みたいですね。ちょっと笑いの入ったタイプのね(決して熱い人間ドラマではない)。


 

22 (Sun)

 『 中国英字紙チャイナ・デーリーは、紀元前の中国・春秋戦国時代に建造が始まったとされる世界文化遺産の万里の長城(全長約6300キロ)が、農民がれんがをはがすなどしたために損壊が進み、半分以上消失したと伝えた。

 8月初旬から1カ月半、中国の専門家が実地調査した結果として伝えた。調査によると、完全に残っている長城は2割未満、一部損壊しているのが約3割で、残存部分は合わせて2500キロ程度、残りは消失した。18年前の調査では全長の約3分の1が消失していたが、消失範囲はさらに拡大した。

 長城は、日本人観光客にもなじみがある北京市郊外の八達嶺などが知られているが、破壊は観光地化していない地区で進んでいる。近くに住む農民が長城のれんがを民家や家畜小屋、道路建設の資材にするためはがして持ち去るのが主な原因。河北省北部では、1000メートル以上にわたり根こそぎ消失した長城跡もあった。れんがはトラクター1台分が15元(約220円)で売買されていたという。

 調査に対し「この壁が長城とは知らなかった」と答える住民が多く、住民の知識不足に問題があるとしている(サンスポ) 』

 しかし世界遺産が勝手に持ち去られてしまうというのもすごいですね。しかも220円ですか。


 

20 (Fri)

 『 新興宗教団体ラエリアンがクローン人間づくりを目的に設立した「クローンエイド」が、最初のクローン人間となる女児をクリスマスの日に誕生させる予定であることを明らかにした。同団体の科学責任者が、カナダで同国内のメディアに語った。

 報道によると、クローン人間を妊娠しているのは、米国出身の30代女性。夫との間に子供ができなかったため、自らの体細胞を使ってクローン技術で妊娠。近く帝王切開によって子供を産むという。この責任者は「クリスマスの日に手術が行われるなら素晴らしい」と語った。

 11月下旬、クローン人間づくりを公言しているイタリア人不妊治療医セベリノ・アンティノリ氏が、「最初の赤ちゃんが来年1月に生まれる」と発表。クローンエイドもその直後に「年内に誕生予定」と明らかにしていた。両者とも科学的な裏付けとなる事実は示しておらず、専門家の間には懐疑的な見方も強い。だが、クローンエイドは、誕生直後に血液や遺伝子の検査結果などを公表するという(共同) 』


 

18 (Wed)

 『 失業者が半年間、職を探し回っても、実際に就職できたのは2人に1人だったことが、全国のハローワークの求職者を対象とした厚生労働省の調査でわかった。また、仕事が決まらなかった5人に1人は、途中で就職活動を断念しており、雇用の厳しい現状が改めて浮き彫りになった。

 同省は、失業率が5%を超える高い水準で推移しているため、今年9年ぶりに求職者の追跡実態調査を実施。昨年12月の1か月間に、全国のハローワークを訪れた求職者のうち約2万400人を対象とし、約1万3300人から有効回答を得た。内訳は、リストラや倒産など会社の都合による失業者40.4%、自主退職者40.0%、転職希望者8.4%、新卒者ら6.3%など。

 このうち、6月の時点で就業していた求職者は49.4%と半数にとどまっていた。男女別では求職者のうち男性47.4%、女性51.7%しか決まっていなかった。

 仕事が見つからなかった求職者のうち、途中で就職活動をやめた人は19.1%に上り、65歳以上では62.2%を占めた。24歳以下でも22.6%で、高齢者と若年層で比較的早期にあきらめてしまう傾向がみられた。

 調査では、求職者が重要と考える就職の条件(複数回答)についても聞いた。男性は、「以前の職業の経験が生かせる」(41.4%)、「やりがいがある」(36.9%)、「賃金」(35.0%)が多かった。女性は、「希望に合った勤務形態・勤務時間」(56.8%)、「通勤が便利」(44.0%)、「以前の職業の経験が生かせる」(33.7%)を挙げ、男性は仕事の内容を重視し、女性は働きやすい職場環境を求めていることがわかった(読売新聞) 』

 というか、「以前の職業の経験が生かせ」ないと、再就職できないんじゃないの、やっぱり。


 

17 (Tue)

 『 岡山県警捜査一課などは、コンビニ強盗の被害者を装い店の現金65万円などを盗んだとして、窃盗の疑いで岡山市の元アルバイト店員容疑者(33)を逮捕した。

 調べでは、容疑者は、強盗致傷容疑で既に逮捕されている同市会社員容疑者(34)と共謀して先月27日、自分が勤める同県瀬戸町のコンビニ「サークルK岡山瀬戸店」で偽の強盗事件を仕組み、店の現金65万円などを盗んだ疑い。

 同県警は、元店員容疑者の話をもとに会社員容疑者の似顔絵を作成。似顔絵が決め手となり会社員容疑者を先月29日、元店員容疑者に軽傷を負わせて現金を奪ったとして、強盗致傷容疑で逮捕。

 その後の調べで、店内の防犯カメラに元店員容疑者が会社員容疑者の後ろをついて歩くなど不自然な姿が写っており、会社員容疑者を追及したところ、「消費者金融に約300万円の借金があり、2人で強盗を仕組んだ」と認めたという(朝日新聞) 』

 そもそも、そんな詳しい似顔絵作っちゃだめだろ。


 

16 (Mon)

 『 フィリピン国家警察によると、同国のリゾートの一つ、セブ州ラプラプ市の路上で14日午後9時ごろ、日本人観光客の24歳の女性2人が、宿泊先のホテルから約2キロ離れたレストランに向かう途中、短銃を持った3人組の男に襲われた。女性1人がモーターバイクで拉致されそうになったが、この女性は空手チョップと跳びげりで反撃し、さらに男の持つ短銃を奪い、逃げようとする犯人らに警告のため空に向けて1発撃ったという。

 3人組は、現金3000ペソ(約7000円)とカメラの入ったバッグを奪い逃げたが、女性2人はすぐに、奪った短銃とともに地元警察に被害届を出した。関係者によると、女性2人は12日にセブ州に入り、15日早朝の飛行機で帰国したという。

 現場はマリンリゾートとして知られるセブ・マクタン島のリゾートホテルが集まっている地域(朝日新聞) 』

 いや、素晴らしい。実に素晴らしい。もう、素晴らしいの一言。かっこいいわあ・・。


 

15 (Sun)

 『 岩手県前沢町のスーパー「クオリティ・フードパワーセンター・バリュー前沢店」に、出荷直前の牛が乱入、店内を走り回り、客らがパニックになっていたことがわかった。

 騒ぎが起きたのは14日午後3時50分ごろ。同店に隣接したJA岩手ふるさと前沢支店で、東京食肉市場へ出荷する肉牛をトラックへ載せる作業をしていたところ、体重約700キロの4歳牛が、飼い主や職員の手を振り切って暴走した。牛は高さ約1メートルのフェンスを押し倒してスーパー敷地内に入り、さらに自動ドアに頭をぶつけながら店内へ乱入した。

 突然の“侵入者”に、買い物をしていた約100人の客は一時、パニック状態に。渡辺店長らが放送で外へ出るよう避難誘導し、けが人はなかった。牛は店内を約20分間逃げ続けたが、店の外で待ち伏せていたJA職員ら3人が取り押さえた。店内には商品が散乱し、従業員は午後8時過ぎまで後片付けに追われた。

 渡辺店長は、「前沢牛の地元とはいえ、こんな事があるとは……。お客様にけががなくて本当に良かった」と驚いた様子だった(読売新聞) 』

 

 『 15日午前4時45分ごろ、東京都中野区の路上で、近所に住む会社員岩谷太樹さん(25)が、路上駐車のオートバイに放火していた男を捕まえようとしてもみ合いになり、首や胸を刺された。岩谷さんは病院に運ばれたが重体。警視庁捜査1課は殺人未遂事件とみて中野署に特捜本部を設置し、男の行方を捜査している。現場周辺では今月に入り、車のカバーに放火されたり、オートバイのサドルが刃物で切られるなどの事件が続発しており、同本部は関連を調べている。

 調べによると、午前4時40分ごろ、現場近くの住民が、「だれか、だれか」という岩谷さんの大声で叫ぶ声を聞いた。外を見ると、男が岩谷さんに馬乗りになり、もみ合っていた。住民はすぐに110番通報して外に出たが、犯人の男はすでに逃走しており、岩谷さんは首などから血を流して倒れていた。岩谷さんは中野署員が駆けつけた際、「放火魔、放火魔」と繰り返していたという。

 男は身長1メートル60-70で、黒っぽいジャンパーと黒の帽子姿。年齢が40-50歳の小太りだったといい、岩谷さんを刺した後、東の方向に逃走した。岩谷さんは首と胸を数か所刺されており、現場には、刃物を収める革製のサヤが落ちていた。

 岩谷さんは友人と飲食し、歩いて帰宅する途中に放火犯の男と出くわしたらしい。通報の約10分前に、近所に住む別の男性会社員が、焼け落ちたオートバイのカバーの前で男2人が胸ぐらをつかみ合っていたのを目撃している。

 現場近くに住む電気工事作業員の男性は、「『助けてー』という叫び声を聞いて外に出ると、路上に血がべったりついていた」と青ざめた表情。また、近くの主婦も、「放火の現場を仮に見つけても、自分なら怖くて注意出来ない。被害にあった人がかわいそうで……」と声を詰まらせた(読売新聞) 』

 本当に心から、岩谷さんの無事を願ってやみません。


 

14(Sat)

 先日、南麻布に行ったとき、間近で六本木に完成しつつある高層ビルを見ました。これまでにないようなインダストリアルな建物で、似たような斬新さで、愛宕にも巨大なビルが出来ています。また、南青山にも高層ビルを建てる計画があります。特に、夜空に光を放って建つ姿は、まるでこれまでとは違う別世界が出現したかのようです。

 さて、そんな変わりゆく風景。それは、東京では特に顕著なんでしょうけれど、その分消えていく景色があります。個人的に、街は変貌していくもの、移り変わっていくもの、と思っているので、否定的ではありません。

 しかしもちろん、そこには残すべき何かも、確実にあります。以下は、かつてよく仕事で通った表参道で、いつも心を和ませてくれた同潤会アパートについての記事。大切な何かが、そこに潜んでいます。

 『 東京・表参道にある同潤会青山アパートの建て替え計画を、設計者の建築家・安藤忠雄さんが明らかにした。10棟すべてを解体した上で、いまの風景を再構築する。街の記憶をとどめる試み。「雰囲気は継承できるのではないか」と安藤さんはいう。

 安藤さんは、これまで歴史を重ねた建築が次々と姿を消すことに疑問を投げかけてきた。自ら手がけた京都府大山崎町の大山崎山荘美術館では、大正時代の山荘をそのまま利用し、新築部分は地下にもぐらせた。東京・上野の国際子ども図書館では、ガラスの箱を明治建築にかぶせた。

 青山アパートは1927年、関東大震災の復興住宅として建てられた。鉄筋コンクリート造り3階建ての集合住宅。退色した外壁と並木が醸し出す洗練された雰囲気が、幅広い世代に親しまれてきた。「その風景を壊したくない」との思いが、安藤さんにあった。

 今回も、まずは現状維持の道を考えた。が、「老朽化が進んで使えない状態。天井が低く機能性もよくない。阪神大震災で強く意識した安全性も重視した」という。地権者も建て替えを希望した。これらを考え合わせ、出した結論が「風景」の保存だった。

 東端にある1棟の跡地に、現在の外観をそっくり再現した店舗用ビルを新たに建てる。元の建物の壁を張り付けることも計画している。

 西側9棟分の敷地には約250メートルにわたる前面ガラス張りのビルを建てる。集合住宅と店舗が入るこの建物は一部6階建てで、最高部は現状のほぼ2倍の23.4メートルとなるが、多くは3階建てに抑え、並木とのバランスをとる。屋上は植物で覆い、表参道の坂道に合わせて建物内の通路にも緩やかな勾配をつける。

 都市再生を旗印に、次々と巨大ビルの建設が進む東京。かつてそこに何があったのか知る手がかりさえ残さない変貌ぶりに、安藤氏は批判を込めてこう訴える。

 「人間のアタマがついていけないスピードになっている。人々の記憶に刻まれてきた風景ぐらいは、せめて残さなあかんのです」(朝日新聞より) 』


 

13 (Fri)

 『 13日午後2時半ごろ、神戸市灘区森後町、姫路信用金庫六甲支店に男が押し入り、持っていたのこぎりをカウンター内の女性職員に突き付けて「200万円を出せ」と脅した。職員らが取り押さえようとしたが、男はのこぎりを振り回して暴れ、西山巧支店長がもみ合いになった際、両手を切られるなどし軽いけが。職員が非常通報ボタンを押し、駆け付けた灘署員が強盗致傷の現行犯で男を逮捕した。

 調べでは、男は兵庫県伊丹市とび職容疑者(28)。事件当時、支店内には客はおらず、支店長以外の職員約10人にけがはなかった。

 支店の近くにいた公務員の男性は「男が『何じゃい、こら』と叫びながら支店の外にいた警官に向かってきたので、一緒に取り押さえた」と話していた(産経新聞) 』

 しかしのこぎりというのもせこいけど、200万っていうのがまず小さいし、「何じゃいこら」も、近くにいた公務員さんに捕まるくらいだからなあ・・。

 

 さて、毎日新聞に 『犬語翻訳機「バウリンガル」体験記 はたして人は犬語を理解できるか?』という記事が載っていて、なかなか面白かったです。けっこう優れものみたいですよ、バウリンガル。


 

10 (Tue)

 『 映画評論家の水野晴郎(71)が都内で行なわれたカルト的人気シリーズ「シベリア超特急」のサントラ盤発売記念イベントに出席。最新作「シベ超3」のPRと「同4」の舞台上演も発表した。

 同シリーズは、平成8年の第1作で酷評を浴びながら、ここ数年は評価が高まりカルト的人気を不動に。水野は「日本映画って本当に遊べない。遊んでいるのはシベ超だけ。映画は面白くなくっちゃ」と発奮。「松井どころじゃない。メジャーに行くのは水野!」とハリウッド進出も豪語し、ファンを喜ばせた。

 舞台化する「4」は前3作のパロディーで女優の三田佳子が長男・森宮隆と親子共演する(サンスポ) 』

 シベ超・・。

 特にコメントはないんですが、メジャーに行くのは水野!、なのですか・・。

 あと、「4」はパロディだそうですが、そもそもシベ超ってパロディじゃなかったの?それに今さら親子共演されてもなあ・・。


 

9 (Mon)

 『 8日午前、山梨県敷島町の少年柔道大会などが開かれていた会場の駐車場で、女性が車上荒らしをしていた男を見つけ、背負い投げで投げ飛ばして押さえ込み、警察に引き渡した。

 甲府署によると、窃盗未遂容疑で逮捕されたのは住所不定・無職容疑者(69)。調べでは、同日午前9時ごろ、同町島上条の敷島総合文化会館駐車場で、軽乗用車のドアをL字形の差し金を使ってこじ開け、車内を物色した疑い。

 コンビニ店員・岡田さん(16)が別の車から容疑者の様子を見ていて不審に思い、声をかけたところ、容疑者ともみ合いとなり、柔道技で取り押さえたという。

 岡田さんは柔道初段。この日、スポーツ少年団の複合スポーツ大会があり、岡田さんは柔道大会に出場する妹と一緒に来ていた。

 岡田さんは、「柔道の試合をしているときのように自然に体が動いた。投げ飛ばしたら男は観念した様子だった」と話した。同署は岡田さんに感謝状を贈る方針だという(朝日新聞) 』

 いいですね。


 

8 (Sun)

 『 不法入国と知りながら中国人を雇っていたなどとして、警視庁外事特捜隊と群馬県警警備1課などは、医療品製薬メーカー(東京・板橋区)の男性社長と同社幹部2人、30代の中国人男性ブローカー=入管難民法違反で起訴済み=の4人を同法違反(不法就労助長)の疑いで、きょうにも逮捕する。

 同社は数年前から、ブローカーを通じて20人以上の不法入国の中国人を雇っており、中国の密航組織「蛇頭」が介在していたとみられる。

 調べでは、社長らは2、3年前から、ブローカーを通して中国から密航して日本に不法滞在するなどした中国人男性6人を雇い、不法就労を助長した疑いが持たれている。6人は既に入管難民法の疑いで逮捕されている。

 ブローカーは数年前に正規のビザで来日。滞在期間が過ぎた後も国内に残り、同社に入社した。ブローカーは蛇頭のメンバーに知り合いがいるといい、日本国籍の旅券を偽造し、日本と中国を往復。中国で蛇頭を通じ、日本での働き口を求める中国人を紹介してもらい、福建省の港から貨物船で密航させるなどしていたとみられている。

 中国人の密入国後、ブローカーが同社幹部に紹介し、同社で雇い、都内の本社や群馬県玉村町の工場で働かせていた。ブローカーは、密入国した中国人から300万円、その家族から150万円の成功報酬を受け取っており、一部は蛇頭に渡っていたとみられる(読売新聞) 』

 蛇の頭・・。

 すごいですね。なんか映画のシナリオみたいだ。

 でまあ、日本の入管法はおかしいと常々思っているので、ほんとうはこの社長を弁護してやりたいのですが、ちょっとねえ・・。それに中国で300万といったらすごい大金だよねえ。で、その人たちはすでに逮捕されちゃってるんだよねえ。そりゃお前も逮捕された方がいいわ。


 

6 (Fri)

 「 米ニューヨークのセントラルパークで1989年、ジョギング中の白人女性を乱暴して重傷を負わせたとして、レイプなどの罪で有罪判決を受けた黒人や中南米系の男性5人について、ニューヨークの検察当局は5日、判決の無効を求める文書を司法当局に提出した。これにより、来年2月に無罪判決が出ることが確実となった。5人の家族らは人種的偏見に基づく捜査があったとして、損害賠償を請求する見通し。

 事件は、被害者の白人女性が将来有望のキャリアウーマンだったことから、暴力的な複数の黒人による襲撃として、当時大々的に報道されたが、予想外の結末となった。

 5人は事件発生当時、14-16歳の少年で、すでに服役を終えている。今年1月、殺人罪などで終身刑判決を受けた別の受刑囚が、セントラルパーク事件について単独の犯行であることを自供、DNA鑑定の結果、供述が裏付けられた。

 少年5人は逮捕された後、警察に自供を強要されたと主張したが、当時28歳で投資銀行に勤めていた女性は事件当時の記憶を失い、犯人の顔を覚えていなかった(読売新聞) 』

 この事件のことははっきり覚えています。高校3年の時で、確かに大センセーションな報道のされ方でした。当初は、朝の、しかもセントラルパークという場所で、意識不明の重傷(だけでなく暴行も)を受けたということ、しかも被害者が白人女性で、犯人が黒人とプエルトリカンの少年ということで、大問題になりました。つまり極端に言うと、アメリカなるものが、見下しているものに汚された、ということなのです。

 しかしやがて、さらなる問題が浮上してきました。この少年たちの姉妹や近いものたちも同じような犯罪に日常的に巻き込まれていたこと、にもかかわらず、まったく捜査もされてこなかったことが分ったのです。そして当然のように、そのことは度外視され、またそのまま続いていくことになるのです。

 当時のリベラリストたちは、「(その頃は少年たちは犯人だとされていたため)確かに犯罪はひどいものだし許されもしないが、もっと根本的な問題がある」と言っていました。つまりはもう、人種差別以外のなにものでもないし、プア街や移民の問題など、解決すべきものがそのまま放置されていたのです。

 それがしかも、無実だったのですね。確かに予想外の結末となりました。そして当初、事件の根本的問題とされていたものが、我々の思っていたものよりさらに深かったことを、これでもかと浮かび上らせます。


 

5 (Thu)

 『 マウスの全遺伝情報(ゲノム)の解読を進めていた国際研究チームは作業をほぼ終え、結果を5日発行の英科学誌ネイチャーに発表する。哺乳類でゲノム解読が終わったのは、人間に次いで2番目。遺伝子に関していえば、マウスも人間も大した変わりはないことがわかった。

 マウスと人間はいずれも約3万の遺伝子を持っている。そのうち、それぞれに固有のものは300だけ。人間・マウスの共通の遺伝子の中には尾の情報を持ったものもあり、人間ではそのスイッチが入っていないだけだった。 研究チームのエリック・ランダーさんは、「人間のゲノムの99%は、それに相当するものがマウスにもあった。また8割は同じだった」と話す。このほか、マウスのゲノムは人間のものより14%小さいことや、臭いを感じる機能を情報を持つ遺伝子はマウスのほうが大きいこともわかった。

 人間のゲノム解読結果は昨年2月に発表されており、「今さらマウスか」と思う人がいるかもしれないが、今回の成果について人間のゲノム解読と同じぐらいの期待感を持つ人もいる。 というのも人間の場合、ゲノムが解読できたといっても、含まれている遺伝子のそれぞれがどんな働きをしているのかを知るのが困難だからだ。

 ところがマウスでは、実験的に一部の遺伝子のスイッチを切ることができ、その遺伝子の働きを知ることができる。人間ではこんな実験はできない。ある遺伝子のスイッチが切られたマウスがどんな病気になるかを調べれば、人間のその病気の治療研究につながる。実際、病気に関連した遺伝子の9割は人間とマウスは同じだった。

 人間もマウスも、1億2500万年前―7500万年前ごろに、ラットほどの大きさの共通の祖先から進化したと考えられている。 マウスのゲノムについては、1年半ほど前に米セレラジェノミクス社が発表していたが、詳細は明らかにされていなかった。今回発表された結果は、だれでも自由に使うことができる。

 哺乳類のゲノム解読は、人間、マウスのほか、ラット、ウシ、チンパンジー、イヌで進められている(CNN) 』


 

2 (Mon)

 『 米国の10代の男女間で結婚まで性行為を控える傾向が強まり、新たな性革命が進行中−と2日発売の米誌ニューズウィークが報じた。結婚までの禁欲を勧める高校での教育も広がりを見せているという。

 それによると、疾病対策センターの2001年の調査で性行為を経験したと答えた高校生は46%で、1991年の54%から急減した。10代の妊娠も減っている。

 結婚まで「純潔」を守ろうとする若者の風潮について同誌は「気楽に性行為に走る親の世代の風潮を拒否し、視聴率を稼ぎ、製品を押し売りするため日常的にセックスを利用する主流メディアと明白に対立する新たなカウンターカルチャー」と位置付けた。

 禁欲教育は道徳的・社会的な問題だけでなく、性病予防策としても重視される傾向があり、米全国の高校の3分の1以上が実施している。ブッシュ政権は禁欲教育にかける予算を1998年の6000万ドルから1億3500万ドルに増やそうとしている(共同) 』

 これ本当なんですかねえ。

 「気楽に性行為に走る親の世代の風潮を拒否し、視聴率を稼ぎ、製品を押し売りするため日常的にセックスを利用する主流メディアと明白に対立する新たなカウンターカルチャー」って、嘘っぽいけどなあ。でもちょっと新たな文化が生まれそう、というとこだけ惹かれる。その内容は疑問だけど。

 それより、ブッシュ政権の方がもっと嘘っぽいな。国がこういうことを統制しようとすること自体嘘っぽいけど、ブッシュでしょ、なんだかねえ・・。


 

1 (Sun)

 『 32年間にわたる教科書検定訴訟の原告として、国の教育へのかかわり方を問い続けた、歴史学者で東京教育大名誉教授の家永三郎氏が先月29日に死去していたことがわかった。89歳だった。

 東京大文学部国史学科を卒業後、同大史料編さん所で仏教思想史や倭絵を研究、旧制新潟高教授から44年に東京高等師範(後の東京教育大、現筑波大)教授に。東京教育大を定年退官した後は、中央大教授も務めた

 62年度検定で執筆した高校教科書「新日本史」(三省堂)が不合格、63年度検定で条件付き合格になった。「検定は教育や表現の自由に反し違憲、違法」として65年、国に損害賠償を求める訴訟を起こした(第1次訴訟)。

 67年には、66年度検定での不合格処分取り消しを求めて提訴(第2次訴訟)。さらに、「南京大虐殺」などの記述を修正させた80、83年度検定が不当だとして、84年に損害賠償請求訴訟を起こした(第3次訴訟)。

 第3次訴訟では97年、最高裁で、検定そのものは合憲だが、「七三一部隊」「南京大虐殺」など4カ所の記述削除を求めたのは裁量権逸脱で違法だとする「一部勝訴」判決が確定した。

 半生を費やした教科書裁判を通じ、国による教育内容の統制を批判し、教育は誰のものかを問い続けた。支援運動は全国に広がり、一般市民が教育行政に対して発言する土壌になった。それまでの教科書検定は、日本の侵略行為についての記述を薄めさせる方向に働いていたが、徐々に強権的な姿勢が軟化し、歴史教科書に加害の記述が増えた。これも教科書裁判の効果だとされている(朝日新聞) 』

 家永教授の名前はもちろん知っていました。僕も国による統制はおかしいと思っているので、こういう闘う学者がいることにすごく共鳴したことを覚えています。

 おかしいと思えることに、きちんと主張して闘う人が、めっきり少なくなってしまったように思います。見返りはないし、何も進んで困難な道に入っていこうなんて、思わない方が幸せなのかもしれません。

 でもだからこそ、闘った人の意思は、半永久的に残ります。

 




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