2003, Summer-Autumn.

 

  恋の九十九里浜  
 

 海は広かった・・。

 ということで、前々から計画していた通り、九十九里浜へ行ってまいりました。

 晴れるのは今日くらい、しかも日程的にもここしかないというタイミング。まあ予定外だったのは起きたら昼前だったのですが、さっ、と用意してすぐ出発しました。

 千葉で外房線に乗り換えなのですが、おおっ、もう見かけないあの青と白のストライプの電車が!しかもたくさん並んでるよ(涙)。

 意外に車内は混んでいて、しかも若者ばかり。どんどん田園(というか自然)風景が広がり、気分いいです。やー、千葉って田舎だなあ・・。

 (と自分の地元に近いとそれだけで喜ぶさいきち)。

 という間に成東に着きました。車窓の風景を見ていたらほんとすぐです。

 で、これがいい雰囲気なのですよ。線によって電車の止まる位置が全然違うし。牧歌的な中、なぜか高校生ばかり。

 駅前はなんかほんわりとしていて、とても海があるようには思えないのですが、まあ5kmくらい離れてるからしょうがないか。とりあえず歩いていると、成東海岸経由、というバスがあったので、さっそく乗り込みました。

 まあこのバスは後払いなのですが、懐かしいものです(もっとも、高校生のとき初めて東京でバスに乗ったときには、始めに料金を出してと言われて困った)。

 そうこうするうち、全く海とは関係ないようなところを走っていくのですが、突然「成東海岸前」とアナウンスが流れたので降りました。ううむ、ここに海はあるのだろうか。

 と、いちおう海岸入り口の文字が。とことこ歩いていくと、なんかヤシの実みたいなのが向こうに見えます。

 で、近づくと、ありました!しかも広い!波が荒い!人がいない!すばらしい・・。

 なんと言っても砂浜が広く、しかもきれいなのです。いつも行ってる湘南海岸はなんかきれいって感じじゃないし、砂浜が広くないからなあ。と、これは気に入ってしまいました。

 まあ千葉の海なんて20年振り!もともと千葉県民だったんですけどね。

 と、砂浜に座ってたそがれるさいきち。しかしいくら平日とはいえ、ほんとに人は4、5人しかいません。いいねえ。

 いや、よく見るとなんか海に点みたいなのが浮いてるなあ、なんだありゃ、と思ったらそれはサーファーだったのです。

 しばらくサーファーたちは海に浮かんでいたのですが、そのうち全員集合してゴミ拾いを始めました。いいぞ。最後にはまた全員揃って礼をしています。なにげに礼儀正しいんだな。

 空は少しだけ青を残し、あとは薄い灰色の雲ですが、なんかやわらかな感じ。成田に近いのか、飛行機が間をあけて飛んでいきます。ゆっくりと雲の前で旋回し、あれはいったいどこに行くのだろ。

 ずっと彼方を続いていく水平線、いつまでも繰り返す白い波。風が強く吹き、広い砂浜が広がり、まるで時間を忘れさせてくれるようでした。

 帰りもバスに乗り、あいかわらず高校生ばかりの成東から電車に乗りました。数はだいぶ減りましたが。暗闇のなか、どうも行きと違うルートを通ってるなあ、と思ったら佐倉です。おっ、Z32の友の街だよ。窓の外は、まあ東京とは全然違います。

 また千葉まできて総武線の快速に乗り換えました。いきなり人が増え、しかも窓の外は面白くもなんともありません。9時くらいだったのでただの通勤風景です。やっぱこういう景色はだめだ。

 なんて思う僕の脳裏には、あの素晴らしかった今日の風景が浮かんでいたのでした。