まるで「未知」ゆえ興味あり


○ MOTO MARTIN



(RIDERSCLUB誌 1985.10 No.88 より)

こういうヨーロピアン(イギリスだが)耐久?カスタムというのは何しろレアで、実像はよくわからない。オーナー様、いらしたら是非、存分に語って頂きたいと思うのだが。(ベラミさんにも・・。)

しかし、ストリップを見てみると、実に「リア乗り」な感じが決まっていて、シャシは公道でも使い心地がよさそう。

きっと、もうこれから先、決して乗れない類のバランスを持ったシャシなんじゃないか、と思います。


○ GODIER GENOUD


(RIDERSCLUB誌 1988.1 No.115 より)

これも上と同様、ただし、こちらは「おフランス製」。

この手の機体は、ユーザの手に渡ってからもカスタムが進むことが常なので、我々は、ビルダとカスタマの意向が重なった結果を見ていることになる。だから、実際に走ると、どこがどう違うのか、端からはなかなか読み難い。

でも、そこがまた魅力かな。(笑)


○ EGLI 各車

Target CBX
(The Bike別冊'87輸入バイク総カタログより引用)

選ばれし者のためのオートクチュールバイク。
”多方面”に余裕がある人でないと、所有・維持できないでしょう。

XL600のシングルエンジンを搭載したTARGETと、CBX1000の6気筒を搭載したMAGNUM CBXは両極端なキャラクターではありますが、好きなエンジンを選んで、オーナー好みのハンドリングに仕上げたスーパースポーツという点は同じだと思います。

公道バイクという点では、ちょっとズレるかも。
何たって製造台数が…。


○ NORTON MANX 500


(「究極のレーサー」ISBN4-381-07683-4より)

言わずと知れた名レーサー。

昔、「英国バイク業界の歴史」みたいな本で、「NORTONはレースがやりたいがためにバイクを作っていた。MANXが走るのなら、市販車など売れさえすればどうでもよかったのだ」てな記事を読んだ。

これが本当かどうかは置いて、確かにMANXは何となく違う。この車種がバイクの技術史に残した足跡は言わずもがなとしても、今、公道で自分が乗ることを前提に眺め直してみても、アライメントから何から、実に美味しそうに見える。

シングルレーサーという意味では、SRやGBでイワせていたオジさま方も多かろう。こういう「先例」について、ご意見を伺ってみたい所である。

(ISBN4-415-03630-9 より)

ノートンと言えば、ロータリーもありました。これ、ちゃんと調べたら、すごく面白そうではあるんですが。すいません未達です。(開発スタートは60年代、なんですか・・?。)エンジンの感触の「異次元さ」と「希少性」、NRあたりより際立ってるかも!?。


○ クラウザー ドマニ

(ISBN4-415-03630-9より)

いえね、別にドマニじゃなくてもいいんですけど。
私が乗ってみたいのは、側車じゃなくて、ニーラー。
ニーラーですよ!。

もう、あれを見る度に、私は岡本太郎先生に憑依されます。
「何だろうこれは!?」(笑)

左右非対称のアライメントからなる3輪の車体の上を、乗り手が動き回りバランスを取りつつ、操縦する乗り物。

や、やってみたい・・・!。

なんて甘なこと抜かしてると、熊さん達に怒られちゃうかな。
(RIDERS CLUB誌 1992.2 No.203 より)


○ ブリッテン



(BRITTEN Motorcycles : John Britten Story, ISBN 0-7603-2056-Xより)

John Britten。
彼がなし得たオリジナリティあふれる仕事は、見るほどに考えさせられる。

経済的な地位と、マシンデザインの才能の両方に恵まれた彼が、一見、あまり強そうには見えない生命力を燃やし込んで作った機体である。

速いバイク。
そのための構造。
無駄を省き、合理的に、突き詰めた結果。他の何にも似ていない。

動きも独特だ。豪快で、繊細。
パワーと剛性で固め尽くしたジャパニーズレーサーの、鉄下駄のような風合いとはまるで違う。

とにかく軽い。その良し悪しが、併存して顕在している。
軽い分、素早く動ける。楽で、速い。
反面、全てが挙動にダイレクトに出る。路面の荒れなどの外乱、セッティングのズレがもたらす収差、乗り手のミス、全てに容赦がない。

感覚的な言い方をすると、普通ならドンと受け止めてくれそうなところを、ガシャッと素通しして、耐え切れなければ、あっけなく壊れそうなイメージ。多分、材質的な要因もあるのだろう。

レースでは好成績を残した機体であり、それだけで評価されて然るべき機体だ。
当然、公道向きではない。

公道向けのセッティングは、足回りにしてもエンジンにしても、ピークよりもレンジを優先させる場合が多い。ブリッテンは、レンジを広げるのは難しい構造だろう。それは、ピークを上げるために生まれて来た、ブリッテンが持つ「血」の故である。

ひるがえって、もし自分が公道バイクをデザインするとしたら。
何が出来るだろうか。

多面的な「良し悪し」は、理にかなっているか、だけでは決まらない。
もうひとひねり、違う相の思考が必要なのだろう。

それは、何なのだろうか。

Brittenは、他に居並ぶ名車達と同様、そのヒントを教えてくれているように感じる。

彼の「考え方」に、学ぶ点は多いと思う。
その故か、この機体を見るたびに、考え込む。

私が彼に続けないのは、私が貧しいから、だけなのだろうか。
どうして、彼の後に、誰も続かないのだろうか。

(ISBN 0-7603-2056-Xより)



※ 以下続々!?


ombra, et al.  2006年 2月 (2007年 7月 更新)

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