音について


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実はですね、ワタクシ。
よく言いますよね、「このバイク、音がいい」とか悪いとか。
この、「音がいい」っての、全然わからないんですよ。
すいません。(笑)

大体、バイクですからさ。カッコ良くて安全に乗って楽しければOKだとは思いますが。
乗り物であるはずのバイクの、「音」のいい悪いって、一体、何すか?。

オーディオや楽器の話なら、いざ知らず・・。


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仕方ないので、「いい音」とはどんな音を言うのか、観察&リサーチしてみました。
いくつかの傾向に分かれるようです。
・共鳴音系
・破裂音系
・音量系
・威圧系


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共鳴系は、調整の行き届いた四気筒エンジンの甲高い共鳴音に代表される、一連の教義を言います。音質や周波数帯により、周波もとい宗派が分かれます。大義には、フェラーリ12気筒の音・偏愛系なども、これに含まれましょう。古くは主流派で、例えば、四発のアフター集合管市場などは、この教義が支えていました。近年は、もう吊るしから集合だったりするので、パワー重視を免罪符にした、音量系にシフトしつつあるようです。


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破裂音系は、「ドッドッドッ・・」と言った、一発一発の破裂音に由来する、これも古典的な教義です。ハーレーや旧車、シングルシリンダー愛好家など、各分野で根強い信者が居られます。エンジンの回転感の偏愛の一種とも言えそうですが、「アイドリングは低い方が良い」といった、機体に悪影響を及ぼしかねない異端も含まれますので(エンジン内でオイルが行き渡らず壊れる場合あり)、注意が必要な宗派と言えます。


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音量系は、目立ちたいだけの、いわゆる「族・アンチャン系」と、スーパースポーツやイタ車系の「パワー偏愛型」に二分されるようです。特に後者は、抜け良く音量大とすることでエネルギー効率が上がる、という信心が根強く、敬虔な信者が数多くあらせられます。


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最後に威圧系です。音量系との違いは、目的が音量そのものにあるのではなく、威圧による優越感にあることです。威圧が目的なので、音質は不快な程良いようです。昨今は、一時期のTWシブヤ系の一部から、中〜大排気量スクーターに主流がシフトしており、このところ特に増加の傾向にあるようです。数が多いため、教団に属さない一般人から主流派とみなされる可能性が高く(「バイクはやっぱウルセエよな」)、他宗への悪影響も懸念されるようです。


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いずれにしても、「音」の効果というのは、臨場感を盛り上げる程度の、二次的な効果しかありません。実際、音だけ先に行く(勇ましいばっかりで遅い)バイクも散見されます。音は、バイクの楽しみの本質的な所にはほとんど寄与しない、というのが、私の持論です。


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夜中にブンブンやってる若者は(最近は若くないらしいが)、かなり見栄えがしないものです。バイクの「音」で何かをしようというのは、程度の差はあれ彼らと同じであって、少なくとも大人を自認する者であれば、避けるべきであると筆者は考えます。(優等生過ぎます?。)

そういう意味で、昨今の、車検時の音量規制の実質強化に、私は賛成です。


ombra 2005年 12月

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