NEWAYシートカッターの使用例
最終更新2010年1月26日

加工前のバルブシートです。辺り面の幅が広くなっており、 カーボンの噛み込みなどで少し荒れています。 手前の方が吸気側で、一般に排気側のほうが痛みやすいです。
加工前にガーボン等は取り除いておきましょう。

カッターの当たりを分かりやすくするために青ニスを塗ってます。通常は塗る必要は有りません。 最近は45度のカッターをセットし、手で軽く回して当たりを見ています。 全体に均一にあたっていない場合、パイロットステムのセット不良(異物噛み込み、ガイド偏磨耗)が考えられます。

バルブガイドを清掃するために私はこれを使用しています。 耳鼻科などで使用しているヤツです。薬局で300円程で買いました。 脱脂綿の巻き方でいろんなサイズに適合するので重宝してます。 ロングタイプの綿棒よりコストパフォーマンスも良いです。 細かなブラシを使用するのも良いです。

ガイドを清掃してからパイロットステムをセットします。 もちろんステムも清掃してください。 調整式はぴったりフィットします。 固定式は剛性感が抜群です。 仕上がりは同程度になりますので好みで選んでください。 価格は固定式が調整式の半額程です。 耐久性は固定式のほうが上です。 固定式は6.00mmとUS(アンダーサイズ)の5.98mm、OS(オーバーサイズ)の6.02mmといったラインナップが0.5ミリごとにあります。インチサイズもあります。挿入部がテーパーになっているのでバルブガイド内径より大きめの物を選んでください。

最初に45度からカット開始しています。 この角度がカッターの当たりを確認しやすいと思います。
周囲が一定の削れ方になるのが理想的ですが、様々な原因で偏りが生じます。 バルブガイドの偏磨耗、パイロットステムのがたつき、加圧し過ぎなど。

イージーターンレンチを使用するとすごく楽です。 左手でグリップを一定の位置に保ち、右手でグルグルとハンドルを 回すだけで軸のブレも無く、一定の荷重で加工できます。
確かにイージーです。

削れ方を確認します。一週繋がっていない場合はバルブガイドの偏磨耗やバルブシートの偏磨耗が 考えられます。 今回は見やすくするために青ニスを使用していますがインクが刃に詰まるので使わない方が良いとおもいます。
カット一回ごとにブラシでカッターを清掃しましょう。 切り屑を排出しなければ正確な加工が出来ません。

60度のカット後です。45度のカッターよりゴリゴリと食い込んで 行くので力を抜いて行いましょう。全ての角度で最初と最後の力加減が重要です。 ジワジワと力を入れ始め、カットが終わったら自然とフェードアウトさせ、最後は 下向きに力を加えずに数回転させます。 60度や75度のカッターでは、3枚の刃をそれぞれ微妙にオフセットさせると綺麗に仕上がります。 オフセット幅は切り欠きの幅の1/3ずつ位で良いかと思います。オフセットさせないと削り残しが生じます。 いろいろとテストした結果、一枚だけ切り欠き無しの刃を取り付けると、両方の刃のメリットを活かして綺麗に 加工ができる事がわかっています。是非お試し下さい。

30度のカット後。30度は削れにくいです。

75度のカット後。純正状態では30度・45度・60度だけのバルブシートも 75度のカットを行うことでなるべく段付を無くし、スムーズに吸排気出来るようになります。 究極的(?)にはR面取りみたいなシートカットもあるようです。 各カットの仕上がりを良くするためには、正確に真上から下向きに力を加えること、 加工幅を広くしすぎないことだと思います。一つの角度ばかり加工すると、加工面幅が次第に増して、 それに伴って加工精度が落ちるようです。隣の角度も加工してやると加工面幅の増加を抑えることが出来ます。

比べてみるといかにも抵抗がなさそうです。 加工の所要時間はシート一箇所で数分といったところです。 通常のシートカットも加工待ちの時間がなく、 特に状態の悪い箇所だけの修正もすぐに出来るので便利です。 ちなみに右が固定式、左が調整式のパイロットです。

新たに製作してみたスケール。これと比較すると当たり面幅が一目瞭然。 一列ごとに切って使用してください。黒線の隙間が黒線の中間のサイズ(1.15mmなど)になっているので 0.05mm以上の精度で分かります。まあ、相対的な比較には十分な精度だと思います。 バルブのセット長を合わせるのにも重宝してます。

調整式パイロットステムの構造はこのようになっています。 エンジン4機程で中心のコレットが次第に開いてしまい、 ガイドに入りにくくなってしまいました。 鬱陶しいので交換部品を取り寄せました。 細かな部品も取り寄せ可能です。安心して使用できます。 販売についてはこちらをどうぞ。