各種ヘッド加工の紹介
最終更新2006年1月17日
ノーマルヘッドの解説

加工前のシリンダーヘッドです。ガスケットが残っていたり、 ガスケットのシール部分が僅かにへこんでいたりします。 ブーストを上げたり薄いメタルガスケットを組み込む場合には 修正面研を行うことを薦めます。

バルブシートの内側に段付があるのが分かると思います。 古いエンジンだと特に段差が大きいので加工によるパワーアップが 望めます。

ヘッドの修正面研と段つき修正加工済みのヘッドです。 つや消しの物は定盤とコンパウンドを使用して修正面研してあります。 下手なフライス盤での加工よりも精度が出ます。

こちらは燃焼室研磨・容積合わせとポート加工を行ったヘッドです。 容積の誤差を0.1cc以下に抑えて圧縮比を揃えます。 燃焼室はバリ取りを行うことでSV比を向上させ熱効率をアップします。 また、ヒートスポットをなくすことでノッキングを起こりにくくします。

手前が加工開始直後、奥が加工済み。なんちゃって鏡面です(笑)。 テスト加工ですが、僅か2工程10分程度でこれくらいになりました。

4Eはインテークポートはなかなかいい形状だと思います。 こういったポートの場合にはあまり形状の変更などは行いません。

シートリング付近の段付が大きいのが分かると思います。

曲がりこそありますがポートの径はあまり変化しません。
吸気ポートの加工

段付き修正のみ

ポート研磨荒削り完成後。隔壁やバルブガイド付近で流速が 変化しないように形状を変更してあります。

燃焼室側から見るとこのような状態です。段付きはもちろん無くなり、 表面も結構滑らかになっています。

#120くらいで磨くとこのようになります。

同上

さらに粒度を上げ、#400くらいにするとこうなります。

もう少しで鏡面というところですが、 インテーク側は通常はこれ以上磨く必要は無いです。

ポート出口付近の中子押さえ跡と思われる切り欠きをアルゴン溶接で埋めてみました。 今使ってるデジタルカメラの性能にすごく不満があるのでそのうち買い換えます…。
排気ポートの加工

段付き修正のみ。最も費用対効果が大きいところです。

ガスケットサイズより2ミリ程ポートが細いので その分拡大してあります。

#120で仕上げたところです。

段つきは全くありません。

鏡面仕上げの下地を作るために #400を使い手作業で磨き終えたところです。

バフがけが終わり鏡面に仕上がったところです。

排気側は吸気側とは比べ物にならない位、流速が上がるので 鏡面仕上げの効果も多少はあると思います。このヘッドでは、 カーボンが付きにくくなるようにということで加工しました。 これくらいアルミの腐食があるヘッドはサンドブラストします。 やはり綺麗な方が嬉しいので。
バルブの加工

右側がバルブリフェース施工後です。画像の物は吸気バルブなので もともとそれほど痛んでいませんが若干の虫食いがあります。
最近のバルブは表面処理で硬度を上げてある場合が多いので、 カーボンを落とす場合にもなるべくバルブ表面を削らないようにします。
チューニングとしては軽量化、重量合わせ、鏡面仕上げなどが可能です。 バルブの形状にも依りますが、傘部の軽量化で約5%ほど軽くなります。 チタンバルブだと30%軽量!

4Eのノーマルインテークバルブ

軽量加工済み。1.5グラム程度ですが、軽くするのは大変です。

バルブリフターです。右側はオイル管理の良かった中古品。
左側は右と同程度の物をベースに磨いた物。フリクションの低減に効きます。

右側はオイル管理が良くなかった物。さっきのヤツとは随分状態が違います。 表面も荒れてます。
左は上の画像の物より磨き込んだ物。輝きが違います。フリクションは多分そんなに変わりません。