2ポッドキャリパーの取り付け
! ! ! ブレーキは重要保安部品です。命に係わる部品なので、
取り付けには技術のあるショップや整備工場などで行うことを勧めます。
自信の無い方は決して扱わないようにしてください。
自信のある方も自己責任で行い、
公道を走行する前に必ず点検を行いましょう! ! !
作業難易度
★★☆☆☆
基本的にボルトオンなので、ブレーキのエア抜き、 ブレーキパッド交換をやった事がある人なら出来ると思います。 キャリパーの加工、オーバーホールが一番厄介かも。
使用工具 ・トルクレンチ
・12、14、17ミリのソケット
・5ミリの6角レンチ
・タイロッドエンドプーラー(ハブボルトの交換に使用)
・シクネスゲージ(スペーサーとローターの隙間が無いことを確認するのに使用)
1、スペーサーの取り付け

ローターの裏にスペーサーのハブ側が手前に来るように置きます。 ローター、スペーサーの接触面はあらかじめ清掃しておくこと。
スペーサーのボルト穴とローターの穴の位置が合っていることを確認し、 皿ボルトを取り付け、数回に分けて均等に締め付ける。 締め付けトルクは2kg・mほどでよいと思います。

今回の改良で取り付けやすさが向上しているので、 新品のローターだったら隙間はほぼ無いはずです。 もし、この段階でローターとスペーサーが密着してない場合には、、 後ほどの工程で密着させます。
油圧プレスと不要なハブなどがあればそれで圧力をかけて密着させることも出来ます。 その際にはくれぐれもスペーサーとローターを傷つけないように。
2、ハブボルトの交換

スペーサーが8ミリと結構厚いので、ロングハブボルトへの交換が必要です。
ちなみに、上の画像は、「20ミリロング」のハブボルトです。純正よりも15mmほど長い程度です。

ホイール、キャリパー、キャリパーブラケットの順で外し、 ローターを外すと上の画像のようにハブが見えます。 キャリパーを取り外す前に必ずブレーキホースの キャリパー側をを一度緩めておきましょう。キャリパーを外した後だとなかなか取れません。 ホースを外したままにするとフルードが漏れ続けるので、 緩めたホースはフルードが漏れない程度に軽く締め、キャリパーを針金などで吊るしておくと良いでしょう。 ハブボルトはハブに内側から圧入されているだけなので、内側に押し込むことで取り外せます。 写真に写っている工具はタイロッドエンドプーラーです。

タイロッドエンドプーラーが無くても、ハブボルトにナットを取り付け、 それをハンマーでぶっ叩く事で外せますが、精神衛生上良くないです。 ハブベアリングにもダメージがあります。

抜けたハブボルトは車体前側のこの切り欠きからしか取り出せないようです。
取り外したら、ハブの錆をワイヤーブラシなどで出来るだけ落としておきましょう。 スペーサーはかなりの精度で作ってあるので、錆程度でも取り付けに支障がある場合があります。
ロングハブボルトをとりあえず軽くで良いので差し込んでおきましょう。
3、キャリパーの交換

まず、ハブにローターを取り付けます。取り付けとはいっても、ハブボルトをローターに通すだけですが。 その後、キャリパーブラケットを、ローターにかぶせるように取り付け、固定します。 ブラケットの加工が甘いとハブに干渉してしまいますので、その場合は加工しなおしてください。 ブラケットの取り付けボルトのトルクは900kg・cmです。
ブラケットを取り付けたら、用意したパッドをブラケットに取り付けます。 今回は効きとタッチを重視したのでシムは取り付けませんでした。 ブレーキの鳴きが気になる方はシムの取り付けを勧めます。
パッドを付けたら、次はキャリパーを取り付けます。トルクは255kg・cmです。 キャリパー取り付けの際には左右で間違いの無い様に注意してください。 ブリーダープラグが上側に来るように取り付けましょう。間違うとエア抜きが出来ません(汗)。 最後に、ブレーキホースを取り付けます。純正キャリパーからホースを外し、 必ず、新品の銅ワッシャ−に交換し 310kg・cmで締め付けます。
取り付けが完了したら、軽くエア抜きを済ませ、ホイールをしっかりと付けて、 ハブボルトを完全に圧入します。トルク12kg・m程度でボルトが手前に来なくなったら圧入完了です。 全てのハブボルトの突出量が均一になっていることを確認してください。
ハブボルトを交換した後は頻繁に点検・増し締めをしましょう。 ローターとスペーサーの間に紙も入らないようなクリアランスになっていることを確認してください。 シクネスゲージで確認します。紙すら入らないようなクリアランスということで普通の紙切れでも(汗)。
この後一度、ホイール、キャリパー、ブラケット、ローターを外し、 スペーサーの皿ボルトを増し締めしてください。面倒ですが、ブレーキですので手抜きは厳禁です。
締め付けトルクはトヨタの修理書のトルクをしっかり守りましょう。
ホイールのフィッティングについては、純正同様というわけにはいかないようです。
純正のキャリパーよりもオフセットが大きく、表に張り出していますが、
ホイールによっては14インチでも大丈夫なようです。ブラックレーシングなどは履けそうです。
ホイールによっては15インチでも無理な物もあるようです。
スペーサーの厚み8mmの分、ホイールのオフセットが変わるので、フェンダーとの干渉に注意してください。