HPホームページの
トップページに戻る
MTtop マラソン大会の
トップページに戻る

 前回修正更新2008年9月9日、最新修正更新2023年5月10日 

マラソンについて、フルマラソンという言葉について

フルマラソンという競技種目はありません。

 「マラソン」のことを「フルマラソン」という人が増えてきました。マラソンを実体以上の立派なものに見せようとすることが、私は嫌です。(42.195kmを経験している)市民ランナーの自分をスゴイ人間であるかのように見せるために、フルマラソンという言葉を使う人がいます。自分がスゴイ人間だということが分かれば良いので単に「フル」とだけ表現する人もいます。野球、サッカー、マラソン・・・これらに、これら以上の立派な名前表現が必要でしょうか。
---------------------------------------------
 陸上競技場のトラック(或いは室内)で行われるランニング競技は、5000メートル(m)等のようにメートル(m)で表示され、道路で行われる距離競技(ロードレース)は、10キロメートル(km)等のようにキロメートル(km)で表示されます。(マイル表示の競技はトラック(或いは室内)で行われる場合もロード行われる場合もマイル表示です)。42.195kmを走るマラソンはロードレースなので、単にマラソンとか42.195kmと表示されます。
 マラソンは、(概ね平坦なコースを)(現在は)42.195Km走る陸上競技です。半分の距離の場合は(マラソンの半分ですから)ハーフマラソンと言います。マラソン(42.195Km)を超える距離の場合は、一般にウルトラマラソンとよばれています。単にマラソンと言えば、長距離走(競走)全体を指す場合と、42.195Kmのマラソンを指す場合とがあります。フルマラソンという競技種目はありません。
---------------------------------------------
 マラソンという言葉は、校内マラソンとか10Kmマラソン等の様に、長距離競走の代名詞として使われてきました。校内マラソンや10kmマラソン等長距離競走全体を単に「マラソン」という言葉で呼ぶこともあります。校内マラソンとか10Kmマラソン等というのは大会名の様なもので、大会の特徴や競技の内容等を表しています。このように古くから、長距離競走の代名詞としてマラソンという言葉が使われてきました。マラソンが、ただ単に長時間走り続けるというスポーツであると思われているからこそ、多くの長距離走の(大会の)代名詞としてマラソンという言葉が必然的に使われてきました。長時間の作業を長時間というだけの理由でマラソンという言葉を使って表現されることがあります。
 (42.195kmの)マラソンは、陸上長距離競走の中の一競技種目に過ぎず、(42.195Kmの)マラソンは、他の陸上長距離種目より優れた競技でも無く、他の陸上長距離種目を代表するものでもありません。フルマラソンという競技種目はありません。
---------------------------------------------
 しかし何時の頃からか(42.195Kmの)マラソンと、ハーフマラソンや10Km競走等とを区別するために、(ハーフマラソンやマラソンというものの説明をしないで)簡単で便利だからといって、(出版関係者等によって)フルマラソンという言葉が用いられるようになりました。そして一部の市民マラソン愛好家は、「フル」という文言に特別な意味を感じ取り、(42.195Kmの)マラソンと他の(マラソンより距離の短い)長距離競走との違いを強調するため、フルマラソンという言葉を使い始めました。しかしこれは誤りです。(42.195kmの)マラソンは他の競技と比較して特別に大変なものではありませんし、また彼らは他のスポーツ愛好家と比べて特別に大変なことをしているのではないからです。特別に大変なことをしているのではないのですから、強調する必要はありません。強調すると誤りを招くことになります。
 マラソンという言葉は、42.195Kmの陸上競技種目を表すたった一つの言葉です。そして、42.195Kmを走る「マラソン」という言葉と、それから用いられる様になった長距離競走を意味する「マラソン」という言葉とを、別の言葉で表現して区別する必要は特にありません。42.195Kmのマラソンをフルマラソンと言い、長距離走(競争)全体をマラソンと言うのはあまりにもマラソン(の歴史や実体を)というものを愚弄しています。42.195Kmという言葉が長ければ、42Kといえば良いのです。その方がフルマラソンという呼び方よりよっぽど正確です。42.195Kmがマラソンなのです。
 マラソンという言葉をそのように使い分けしようとすると、マラソン(というスポーツ文化の精神が)が崩壊してしまうように思います。マラソンという言葉が今何を指しているのか、分かろうとすれば分かることですし、そのような関係も含めて文化となっているからです。それがマラソンというものです。100Kmは100Km、5Kmは5Kmです。そしてそれらもマラソンと呼ばれることがあります。
 「マラソン」という言葉が、明らかに42.195Kmのマラソンを指している場合にも、「フルマラソン」という言葉を使う出版・報道関係者やスポーツライターがいます。簡単で楽で便利(で無責任)な言葉であり、その言葉を好んで使う人が増えてきたからでしょうか。しかし彼らも、日本の実業団や世界で活躍しているトップランナーに対して(直接に)は「フルマラソン」という言葉は使いません。マラソンと言う言葉が42.195Kmの陸上競技を指すたった一つの言葉だからです。42.195Kmを意味する「マラソン」という言葉と、「フルマラソン」という言葉の持つ意味の違いを知っているからです。
 マラソンを実体以上の立派なものに見せようとすることが、私は嫌です。マラソンは野球やサッカーと同じように私たちの身近にあります。
★参考資料(東京都公式ホームページ 東京マラソン報道発表資料 を複写引用しました。)
 フルマラソンという言葉を使う出版・報道関係者は、マラソンを単なる報道対象として、単に事実の断片(タイム等)のみを寄せ集めて報道すれば良いと考えているからでしょう。マラソンというものが社会にもたらしてきたものや現代社会に存在している意義が分からないのでしょう。マラソンとフルマラソンという言葉は似ているけれども同じではないのですから、違うものとして受け取って(感じ取って)当然です。違うものとして受け取らなければ(感じ取らなければ)違うことの意味がありません。違うものとして受け取って欲しいから意識してこの言葉を使う人も沢山います。
 マラソン(という言葉)は、単なる陸上競技種目(を表す言葉)ではなく文化を表す言葉になっています。フルマラソンという言葉は、マラソンにマラソンには必要のない意味を付加するために造られ使われるようになりました。このフルマラソンのフルという文言には、特別な意味が込められて使われています。その特別な意味が、マラソンの精神(スポーツの精神、平等の精神)に反しているように強く感じます。
 マラソンに「大変な」とか「すごい」等の意味を付加するために、フルという文言を付けて使われることがあります。「42.195Kmを走るってすごいでしょ」と言う代わりに、「フル」という修飾語を(わざわざ)付ける人がいます。また「大変なことをやっている」ということさえ伝わればよいので、単に「フル」とだけ言う人もいます。しかしそれは間違いです。マラソンはそのような(特別に大変な)ものではありません。5000mや10km、或いは野球やサッカーなど他のスポーツと比較しても、特別に大変なものではなく、特別に凄いものでもありません。
 マラソンに(半分という意味の)ハーフという文言を付け加えると、(マラソンの半分の距離を走る)ハーフマラソンという長距離競走を意味する言葉になります。しかし、マラソンという言葉にフルという文言を付け加えては、マラソンとは別の特別なものを意味する言葉になってしまいます。
 長距離ランニング競技にはマラソンのイメージとは少し異なる山岳地を走るトレイルラン(ニング)と呼ばれるものもあります。登山競争とか山岳マラソンとか呼ばれたりもしています。砂漠を走るレースもあります。制限時間が24時間を超えるレースもあります。走行距離で競技を比較しても伝えられることは僅かです。マラソンという言葉に囚われなければ、ランニングの世界は無限に広がります。フルという言葉に囚われればマラソンからもランニングの世界からも離れて行くように思います。
 マラソンは(他のものと比べて)特別に大変なものではありません。マラソンをフルマラソンと呼ぶことにより、マラソンやスポーツの精神が失われてしまいます。マラソンやスポーツに差別を持ち込まないでほしいものです。マラソンはマラソンです。マラソンは(フルマラソンのように)特別なものではありません。(サッカーや野球のように)誰にでも出来るものそれがマラソンです。
 何千人もの人が同時に参加できる市民マラソンは、すばらしい(競技)スポーツです。マラソン大会以外にこの様な競技会があるでしょうか。少し練習をしてマラソン大会に参加してみてください。そして(もう少し練習して)何時かマラソン(42.195Km)にも挑戦してみてください。

ジョギングサークル : 三国丘CRC 堺市堺区中三国ヶ丘町7丁 代表 秋山 元生
最新追記修正:2023年5月10日(修正随時)


 ▲このページのトップへ戻る 
 
HPtop ホームページの
トップページに戻る
MTtop マラソン大会の
トップページに戻る

Copyright(c) 2005-2023 ジョギングサークル:三国丘CRC(代表:秋山 元生) All Rights Reserved. 無断転載・複写を禁じます