きままに
日々思うこと、いろいろを思いつくまま・・・

124 2004.4.15 薬から始まる疑問 光線過敏とニポラジン


里帰り後、どうも花粉症関係が思わしくない。
私は子供の定期通院に合わせて、小児科でアレルギーの薬をもらっている。色々相談しやすい先生で、次男の喘息では本当にお世話になった。もともと大学病院から来ている先生で、毎週木曜だったのが、昨年から隔週木曜、それも午前中限定となってしまった。次男の症状は安定していて、別に他の先生でも大丈夫なのだが、どうしても私はその先生の日に行ってしまう。様子を話して、薬をもらうだけ、春休みなどの長期休暇期間に子供を連れて行き、診察してもらうパターンが定着しつつある。

今日は、二週間前に新しく処方してもらった私のアレルギーの薬を追加してもらうために受診した。ちょうど里帰りする直前で、最初の一週間は東京で、残りは盛岡で飲んでいた。

先生「どうですか、今度のは眠くならないですか」
私 「はい、大丈夫です。今週あたりから、顔がかゆいんですけど、やっぱり花粉のせいでしょうかね〜」

そんな話や次男の様子などの会話のあと、先生は同じ薬を処方してくれた。私も、合う薬が見つかって良かった、と安心していた。帰宅して薬の袋を見ると、症状がひどいときに飲むように処方されたニポラジンという薬だけ、量が少ない。盛岡に戻ってから症状がひどかった私は、そのとき、ニポラジンも合わせて飲んでいた。

薬の量を数えつつ「いつ頃からやめようかな」と思い、何気なくPCを立ち上げて薬名で検索した。用法や薬の特徴などがわかれば、と。
ある薬剤師さんのHP「調剤薬局日記」を開いて驚いた。頼りになる薬と信頼していた薬に、恐い副作用の可能性があると書かれていたのだ。

それは「光線過敏症」。初めて知る名前だったが、私は紫外線アレルギーもあるので「おや」と引っかかるものがあった。これって、今の顔のかゆみに関係あるのでは…? 薬による光線過敏の場合、私のような体質の者が服用すると、紫外線により薬剤が毒性の強い物質やアレルゲンに変化する可能性が高いらしい。

ここで甦るのが、5年ほど前のこと。やはり花粉症用に耳鼻科で処方してもらった抗アレルギー薬が合わず、ひどい蕁麻疹に悩まされた。その時の薬の名前を検索してみると、やはり同じような副作用がある薬としてヒットした。
思い出される薬剤師との会話。「この薬を飲んでから症状が出た」と相談した私にある薬剤師は、「蕁麻疹やかゆみにも使う薬なのだから、これが原因のはずがない」と取り合ってくれなかった。
素人ながら、そんなものかな、と思って引っ込んだが、その後受診した病院の医師は「その薬が原因になった可能性が無いとは、決して言い切れない」と肯定してくれた。

「光線過敏症」で調べ進めると、私と同じように「そんなはずはない」と突っぱねられて嫌な思いをした、というアトピーの子供を持つお母さんの記述もあった。どんな名医より、我が子に詳しいのは母親である。不振に思った薬の服用をやめてから、ひどかったアトピーが快復に向かったという文章を読みながら、大きく頷いてしまった。

私も自分の判断で、ニポラジンをやめることにした。アトピーのお母さんの場合もそうだが、抗アレルギー薬は副腎皮質ホルモン薬とは違うので、中止してもリバウンドなどの心配は無いようだ。
副腎皮質ホルモン薬は常用すると体内での過剰を察した脳が、自力で副腎皮質ホルモンを作るのをやめてしまう。だからいきなり服用を中止するとバランスが崩れ、抑えられていた症状が一気に出て悪化する、という恐ろしい事態になってしまうことがある。この薬を服用しているときは、医師と相談の上、計画的な服用が大切である。

さて、ニポラジンを中止して1週間。かゆみはやっと治まってきた。中止直前に細かい発疹でザラザラしていた肌の様子も、安定してきたように感じる。

薬は難しい。どんなに無害のようなものでも、個人差や体調によってどんな反応が出るかわからない。でも、薬によって現在の私が支えられていることは否定できない。片頭痛の苦しみを未然に防いでくれるもの、吐き気を抑えてくれるもの、風邪薬から胃腸薬、ビタミン剤まで、頼りにしている薬の種類の、何と多いことだろう。
せめて、不調を感じたら相談出来る相手、調べられる環境をいつでも頭の片隅に置いておきたい。