前回、夫婦ゲンカ継続中で終わってしまったので、とりあえず次の話題に行く前に締めとかないと、と思って書く。
夫婦ゲンカした直後というのは腹立たしく、気分も晴れず、とにかく誰彼かまわず「ワタシ、ケンカしちゃった、家飛び出しちゃった!」と言って回っていた。我ながら、結構ショックだったんだと思う。
意外なのは、「な〜に、そのくらいウチもだよ」という反応が多かったこと。私のように始終飲んだくれているワケではない彼女らは、飛び出すのもちゃんと車で、というのだから感心する。
「でもね、家を出たのは一回だけ。次からは自分からは出ないの、大変なんだもの」という答え。ふむふむ、なるほどね。
高校生の頃からの友人は「最初、なんでこんなことでケンカ?」と言いながらも「ケンカってコトの発端はたいしたことないんだよね。ちょっとしたことがひきがねで、今までのうっぷんがわーって出てきちゃう。だからこそ、こういう時に話し合うことが必要」と経験者ならではのメールをくれたりした。
そう、四六時中顔をつきあわせている夫婦という毎日の中で、うっぷんはホコリのように積もっていく。最初は空気中に漂っていて見えないが、ふと気がつくとそれは堆積して見るも不快な存在になっているのだ。
夫婦ゲンカというやつは、やっぱり自分自身で解決しないことにはキレイに片付きはしない。根底にある真実は、他人にはどうしたってわからないものなのだから。
ケンカから数日後、と言っても期間は長かったようでたった3日だったわけだが、「ハッキリさせないとイヤだ」と思って話し合いをした。
しかし、お互いの言い分をハッキリさせてスッキリ解決のはずが、何とも意外な方向に展開してしまうことになる。夫がアタマに来たことは、私が思いもよらないちょっとした言動からであって、「ナニ? そ〜んなこと思ってたわけ〜?」とあきれ果ててしまうような内容だった。
その内容は何かって?・・・え〜と、私の掃除の仕方が雑だとか、秋田の実家からもらってきたキノコを私が食べなかったとか、そーんな文字通り「犬も食わない」コトなのだ・・・。
何だかめいっぱいくだらなくなる。離婚調停が泥沼の醜い争いになる、という話は良く聞くが、それも当然かもしれないな、きっと今までの愛情分、憎しみも巨大な化け物となってしまうんだろう、と納得したりして。
そして再びアタマに来てしまい、一時、事態は最悪の方向へと向かった。ホントにもうダメだと思った。何だかこう、お互いの感覚が全く違うんだなぁと再確認してしまい、こんなに合わない二人は夫婦でいる必要なんかないんじゃないかと思った。
席を外し、ベランダに出る夫。部屋に残され、空白の空気の中で「今度こそもうダメだな」と私も覚悟を決めた。しばらくして戻ってきた夫に、私が言った言葉は、自分でも驚くくらい意外なものだった。
「本当に私たち合わないかもしれないけど、もう一回最初からやってみる?」
それからはまだ、夫婦ゲンカと言えそうなものはしないで済んでいる。