卯的生活・緊急短期(であってほしい)連載

ぺーどら日記〜修行編〜

 

2001.1.13 初めての雪道運転! 


いや、しかし! 今日は連日の吹雪もおさまり、お日さまの光がありがたい久しぶりの良いお天気なのである。こんな日に運転しないで、いつやる?

盛岡に住んでいる以上、「雪が降ってるからクルマ乗れません」じゃ済まされないだろう。現に、どんな吹雪のスゴイ日にも、こっちの人達の生活は止まるということはないのだ。たくましい。私も、どんな状況でも乗り越えていく、映画「ターミネーター」のヒロインのような力強さが欲しい(かなり飛躍してるネ)。

ごろごろしながらジャレあっている子供達に向かい、自分自身に言い聞かせるように声をかけた。

「ねえ、クルマで本屋さんに行こうよ!」

しかし。子供達はのってくるどころか無関心な反応で
「え〜、別に無理して行かなくてもイイ」と冷たい。母が初めて本格的雪道に挑戦しようというのに、そんなことより家でゲームしながら留守番していると言うのだ。

早くも数年後の親離れの時期を感じつつ、「や〜めた!」と言いそうな自分を懸命に支えながら、思い込んだら突っ走る性格がムクムクと起きあがってくるのを感じた。

「いいよ。じゃ、お母さんひとりで行ってくるから。もしかしたら、雪で滑って事故を起こしたって連絡があるかも知れないから、電話にはちゃんと出てね」

「はぁ〜い! 行ってらっしゃ〜い!」

敵もさるもの。私のイヤミのこもった脅し文句にも動じない。我が子よ、たくましく生きろよ。

再び駐車場に降り立ち、キーを回す。カーステレオのCDをポケモンから山下達郎に変えた(お気に入りのコナンの主題歌集を家から持ち出すのをうっかり忘れたのだ)。白銀の世界には不似合いなトロピカルな声が流れるが、はっきり言って耳には入らない。注意しながらアクセルを踏む。ううむ、やはり、スタッドレスタイヤとはいえ、なかなか動かない・・・と左側に目を落とすと、サイドブレーキがかかったままだった・・・。

大ボケをかましながらも、いざ、出発! 雪が固まってボコボコになっている駐車場の小山を乗り越えて、クルマは元気良く発進した。

おお、まるでオフロード車のようだ。そんなクルマに乗ったこともないが、ボコボコの道路を走っていくのは意外にも爽快感がある。子供の頃、まだ舗装されていないデコボコ道を自転車で走るのが好きだったことを思い出す。そう、あのときの、何だかワクワクした気持ちが甦ってきていた。

表通りは交通量が多いので雪は少なかったが、それでも車線が隠れて見えなかったり、タイヤが少し空回りしたりと、やっぱり普通ではない。どのクルマもいつもよりゆっくり走っているようである。

土曜日ということもあって道が混んでいて、すぐ近くの書店に行くのに20分近くかかってしまったが、きちんと雪かきされた店の駐車場に入ったときは、とても嬉しかった。第一関門突破!

書店でゆっくりと本を見て、隣のスーパーで食料を買って、家に戻ったのは昼過ぎであった。今回で一番大変だったのは、雪がいっぱいの団地の駐車場に戻って来て駐車するときであった。バックで小山を乗り越えるのは恐い。ズルッと滑って他のクルマにぶつけやしないかとヒヤヒヤした。

家のドアを開けると、何も感じていない天下太平の子供達。

「お昼過ぎてるのに、お母さん帰ってこないって心配じゃなかったの〜?」
「ええと、ちょっとはそう思ったけど・・・」

ヘヘヘ、と笑う長男。ま、いっか。とにかく無事に行って来れたんだもん。
これで月曜日の次男のスイミングには、少しはマシな運転で行けるかな、と一人満足しながら、ハラペコ星人どものために昼メシの準備を始めたのだった。