この惑星(ほし)の上の楽園まで


オレが生まれる前からずっと、オレが死んだ後もずっと、
回り続けるこの惑星(ほし)の上で。

オレが生きている間に、おまえという瞬(またたく)く星が生まれ出てくれてよかった。

おまえに出会って、はじめてオレは「生きる」という意味を知った。

惜しいものなど何もないと思っていたこの世界が、突然、明るく色鮮やかに輝いて。
太陽が昇っては沈むその繰り返しの中に、オレは明日を夢見る喜びを見つけた。

おまえという瞬く星が白昼の空に隠れて、今、この時、この瞳に映らなくても。
いつか訪れる夜の帳に想いを馳せれば、瞼の裏にその瞬きが確かに在る。

だから、いつか。
一瞬でオレを捕まえたあの笑顔をもう一度見せてくれ。

焦がれ続けたこの想いの軌跡こそが、
いつの日か辿りつく楽園への道行きだと、オレは信じていたいんだ。



この作品の著作権は、文・moro、イラスト・えみこにあります。
なお、ルビー文庫「タクミくん」シリーズはごとうしのぶ先生の作品です。著作権などは角川書店様にあります。
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