長い間暮らした施設を出て、地域で生活している皆さんの生活の様子をシリーズでご紹介いたします。
 お二人目は知的障害をお持ちのBさんです。
 皆さんが聞きたいと思う いろいろな質問に答えてもらいました。

Q1:自己紹介をお願いします
 2:なぜ、地域で暮らそうと思ったのですか?
 3:今、どんなところに住んでいるんですか?
 4:家財道具をどうやって準備しましたか?
 5:ヘルパーさんは利用していますか?
 6:お金のことはどうしていますか?
 7:困ったことはありましたか?
 8:施設と違ってよかったところはどんなところですか?
 9:最後に地域移行を考えている皆さんにメッセージを!


イラストby 「イラスト素材の恵み

 

Q:

A:

自己紹介をお願いします

本人「私はBです。え〜っと、自分の年齢はわかりません(笑)」

<支援者からのコメント>
Bさんは今年(2011)56歳になります。女性です。
知的障害者で、愛護手帳は2度、障害程度区分4です。
幼いころから入所施設で生活をしてきました。
乳児院から児童施設、入所支援施設を転々としてきましたが、平成18年4月に入所施設を移り、平成20年から自活訓練を1Kのアパートで始めました。
お試しで1年間利用しましたが、やっぱりアパートで単身でのんびり過ごしたい気持ちは変わらず、平成21年4月に一人暮らしを始めました。 

 

Q:

A:

なぜ、地域で暮らそうと思ったのですか?

本人「ひとりがいいもん!」

<支援者からのコメント>
施設では空間的にも時間的にもプライベートが確保できません。普段から(仕事、余暇、クラブ)グループでの活動が多く、1人で好きな時間に好きなことができる生活に憧れてきました。
平成19年度に入所支援施設を移り、周囲のメンバーがアパート体験を行っていることを知り、自分も体験してみたいと思い挑戦してみました。人生初の経験でしたが、自分のペースで生活できる
ことになにより魅力を感じました。
そして自分より先に地域移行している先輩のアパートをみて同じようなアパート生活を送りたいと決心しました。

 

Q:

A:

今、どんなところに住んでいるんですか?

本人「アパートに住んでいます。」

<支援者からのコメント>
右のような間取りのワンルームマンションです。ロフトもありますが事故があるといけないので使っていません。
自活訓練時に気持ちが固まっていたので、既にベッドを購入してましたのでそのまま 使ってます。
いままでいた入所支援施設は彼女の足で徒歩5〜6分。直線距離で50メートルくらいです。車の音が苦手なので幹線道路から少し離れた場所にアパートはあります。
上記の先輩がアパートにいました。

 

Q:

A:

家財道具をどうやって準備しましたか?

本人「自分で気にいったものを選んだよ!」

<支援者からのコメント>
家具は自活訓練加算事業を利用している時から担当支援者と相談しながら将来に備えて少しずつ購入しました。掃除機、地デジテレビ、ベッド、洗濯機は1人暮らし開始の時には揃っていました。
エアコンは物件に付いていましたし、通信手段の携帯電話も体験訓練中に購入し練習しました。(相手にかけるのは大丈夫ですが、電話を受けるのは苦手です)
食事に関してはバックアップ施設で摂るのでコーヒーカップさえあればよかったです。
金額は全部で15万円ほどだと思います。

 

Q:

A:

ヘルパーさんは利用していますか?

本人「掃除にきてくれます」

<支援者からのコメント>
下の表が1週間のケア計画表です。
毎週、火曜日、金曜日の夕方4時から5時までヘルパーさんに家事援助をサポートしてもらっています。
現在は洗面所とお風呂のみの掃除をお願いしています。リビングの掃除は自分で頑張っています。
毎週日曜日の午後は外出支援をお願いしています。ショッピングモールに出かけ買い物をしたり、コーヒーを
飲んだりしています。
第一日曜日は早めの出発をしてランチを食べています。
最初は緊張されてましたけどヘルパーさんとバスにのって出かけるのが楽しみになりました。

 

Q:

A:

お金のことはどうしていますか?

本人「よくわかりませんが、無駄遣いしないようにしています。」

<支援者からのコメント>
1ヶ月の収支は、だいたい以下の通りです。

Bさんの場合ヘルパー利用の自己負担額はゼロ円です。
マイナス¥10,000〜15,000は預貯金でカバーしてます。

 

Q:

A:

困ったことはありましたか? 緊急時の連絡

本人「お風呂の水が漏れたりしてこまったことや、大雪や台風は恐いね」

<支援者のコメント>
簡単に使える携帯電話があります。
アパート体験プログラムでいろいろ経験してきましたし、バックアップ施設のスタッフが近くにいるのでほぼリアルタイムで対応が可能です。
部屋の電球が切れてしまった時やお湯が出なくなった時は相談支援事業で契約している相談員に電話をして対応しています。
また、病気の時や台風の時など1人で心配な時は短期入所の契約をしてあるバックアップ施設に短期入所
利用をするので1人で困ることはまずありません。
アパートの契約や管理会社とのやりとり、ヘルパーステーションとの調整も相談員がサポートしています。

 

Q:

A:

施設と違ってよかったところはどんなところですか?

本人「ひとりがいいわあ!」

<支援者からのコメント>
とにかく自分のペースで生活ができる点だと思います。
単独で動けるので自分の行きたいところに出かけられます。
好きな時にお風呂に入れるのもいいです。入らない自由もありますよ。(笑)

 

Q:

A:

最後に地域移行を考えている皆さんにメッセージを!

本人「サポート(お手伝い)してくれる人がいれば大丈夫だよ」

<支援者からのコメント>
Bさんは一度経験してみたことと、先輩の生活スタイルを目で見て自分の理想の生活スタイルをきめました。
1人暮らしを考えている人は是非一度経験されることを勧めます。
Bさんは文字を読んだり時計をよんだりすることが苦手ですが、支えてくれる人がいればなんとかなりますよ。