タイトル | 紅 kure-nai | ||
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シリーズ | |||
著者 | 片山憲太郎 | イラスト | 山本ヤマト |
出版社 | スーパーダッシュ文庫 | 初版 | 2005年12月30日 |
評価 | ![]() |
ジャンル | ![]() |
解説 | |||
新人の揉め事処理屋である真九郎のもとに、少女を匿い守れという依頼がきた。大財閥である九鳳院の娘・紫との奇妙な共同生活慣れたころ、紫を狙う人物が二人を襲う。彼女を救えば自分の命はない、しかし真九郎が選んだ行動は……! 『電波』の世界観を引き継ぐ待望の新シリーズ! |
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書評 | |||
著者の同出版社からの既刊シリーズ『電波的な彼女』と世界観を同じくする新シリーズの第1巻である。 作品の大まかな筋としては、気位が高く協調性のない女の子がしだいしだいに主人公になついてき、そして過去に傷を持つ主人公も少女のために戦いを決意するというものだ。 この気位が高い女の子がしだいに主人公になついてくるというのは、一時話題になったツンデレ(最初はツンツンとした態度だった女の子が、主人公に惚れてからはデレデレの甘い態度になること)を狙っているとはわかっていても、ついつい可愛いと思ってしまうのは見事に作者にはめられているのだろう。また、一方的にヒロイン・紫が甘えてくるのではなく、悪夢にうなされる真九郎を優しく受け止める姿は、ほんのり心が温まる良い展開だった。 それに対して、今まで戦いを恐れていた真九郎が立ち上がる姿は逆に熱くなる展開で、思わず拳を握り締めてしまった。しかし、難をいえば【右腕に移植された角】という設定は、ややファンタジーすぎていて作品世界から浮いている印象があったのが残念である。 『電波的な彼女』と同様に楽しみなシリーズの登場に、これからも著者には期待したいと思わせる作品であった。 |
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