音楽とは無縁に暮らしてきました。
子供のころ 友達がピアノを弾くのを見て 「いいなぁ、私も習いたい」とねだってみたけれど
「うちには そんな余裕はない」という母の一言で終わりました。
唯一の接点は 小学校と中学校の音楽の授業。
でも、「鑑賞ノート」を書くことを前提に聴いていた音楽って
起承転結だの、様式がどうの・・と、理屈を先にいろいろ考えなければならなかったし
あまり 印象に残る瞬間は持てなかった気がします。
「クラシック=小難しい」という先入観もありました。
でも、あるとき、ひょんなことで手にしたモーツァルトの交響曲40番。
理屈なんて何も要らない!
力のある曲は、ズーンと胸に響いてきました。
そして、自分の中を旋律が幾度も幾度も流れていくみたいで、
それは、とても心地よいものでした。
好みとか、 巡り合わせの運とか、きっとあるんだと思いますが
(↑20年前に、同じ曲に感動したかどうかは、ちょっと分からないけど・・・)
貴方にも、素敵な1曲とのすばらしい出会いがありますように!
※ 「クラシック」には狭義の意味と広義の意味があるように認識してます。
狭義としては、クラシック=古典という解釈?、「古典派」と言われる作曲家たちより前の時代は
「バロック」というふうに区別をして、例えばCDショップでも売り場が分かれていたりします。
でも、一般的には音楽史に出てくる作曲家によるものは「クラシック」と呼ばれているので
ここでは、バロック時代の作曲家によるものも「クラシック」と呼ぶことにしました。
クラシックとの出会い〜私の場合
宮本輝さんの「錦繍」を読んで、突然、モーツァルトって人の曲を聴いてみたくなりました。
学校の音楽室の肖像画には記憶あるけど、モーツァルトなんて、別世界の人のことのようで
かかわることもなく暮らしてきた気がします。
「錦繍」は手紙のやりとりだけで構成された、とても雰囲気のある小説。
モーツァルトの音楽だけを流す喫茶店が登場し、背景にずっとモーツァルトの交響曲が
流れているかのように描かれています。
ちょっとミーハーかなって気もしたんですが、物語のあまりの切なさに、思い立って
モーツァルトのCDってものを買ってみました。交響曲40番です。
モーツァルトってすごい! 一瞬にして、音楽的素養ゼロの私を、音楽のとりこにしてしまいました。
印象的な旋律が、とても美しくて、どこまでも美しくて。
まるっきり音楽なんて無縁に生きていた私なんですけど、とっても美しいってことが、すごくよく
分かりました。
更にのめり込むきっかけとなったのは、諏訪内晶子さんの著書「ヴァイオリンと翔る」です。
オリエンタルと評されたことを否定的にとらえていることが何だか不思議で、同時期に
発売された彼女の「スコットランド幻想曲」のCDを自分で買いました。一緒に、
名前だけは聞いたことのある五嶋みどりさんのものも買ってみました。
そしたら、もうびっくり! 同じ曲がまるきり違う!。ほかの人の演奏も聴いてみたら、益々違う。
気が付いたときには、「同曲異演」の楽しみに、すっかりはまり込んでおりました。
同じころ、(今となってはどちらが先か分からなくなってしまいましたが)
N響アワーというNHKの番組で、ギル・シャハムというバイオリニストとN響による
スコットランド幻想曲を観る(聴く)ことができたのも、大きなインパクトがありました。
ソロのバイオリンとハープが掛け合って、オケと響き合って
視覚的にも目の前で繰り広げられたこの演奏に、私はもうただただ圧倒されてしまったみたいな。
以来、ギル・シャハムもとても気になる存在になっています。
クラシックに、言葉は要らないみたいです。パワーのある曲って、一発で、頭の中に
飛び込んできます。
どんな曲がピンときた?
独断と偏見です。
クラシックに初めて触れた私でも、ズズーンと一回で胸にしみこんだ曲のラインナップです。
モーツァルトなら 交響曲40番、39番 ディベルティメント K136
とか K138
ベートーベンなら バイオリン協奏曲 バイオリンのスプリング・ソナタ ロマンス第2番
チャイコフスキーなら、ピアノ協奏曲1番 バイオリン協奏曲 弦楽セレナーデ
シベリウス なら バイオリン協奏曲
ハイドンなら 「ひばり」
バッハなら、バッハのバイオリン協奏曲2番、1番
ヘンデルなら バイオリンソナタ 作品6
ビバルディなら 「調和の霊感」の3−3、3−11 「四季」の冬の2楽章
( まるっきり無名?だけど) ブルッフ の スコットランド幻想曲
・・・・・・・・などなど、です。
あれ〜、私ってばバイオリン協奏曲ばっかり。。
演奏者の個性
最相葉月さんが書いた「絶対音感」というルポが小学館から出版されています。
絶対音感を身につけさせるための幼児教室の取材や、絶対音感を持つという人への
インタビューを中心に構成された本です。
私が一番興味を持ったのは、バイオリニスト五嶋みどりさん、その母五嶋節さんへの
取材部分で、演奏者の顔を見なくとも、演奏を聴くだけでその奏者の国籍や性別が
分かるとのことでした。例えば、諏訪内晶子さんの演奏は「日本人の女性」という感じだし、
みどりさんやチョン・キョンファさん(韓国出身のバイオリニスト)の演奏は「アメリカを
知ったアジアの女」という感じなんだそうです。
ちなみに、諏訪内さんは十代後半でアメリカ留学、みどりさんとキョンファさんは
幼少期からアメリカに留学し、現在に至っています。
「女性」という部分に関しては、指の細い人はどうしても細い音しか出ないと、
否定的に言われることもあるようです。
それほどに自分の生い立ちとか、骨格とか、長年積んできた思考の蓄積とかが
音楽表現を左右するということで、ちょっと驚きました。もちろんそれは優劣ではなく、
個性として語られるものに過ぎないわけですが、同じ曲を違う演奏者で聴いてみると
余りの印象の違いにびっくりするかもしれません。
クラシックは掛け合いが面白い!
オーケストラを聴いて何が面白かったって、弦楽器群と管楽器の掛け合いがすごい!
オケの主役は、ある意味、管楽器!くらいに感じました。
オーボエ、クラリネット、フルート、ホルン、ファゴット・・・etc.
交響曲の中の随所で、弦楽器群をバックに管楽器が交互に美しい旋律を奏でて、
掛け合いがあって、それはそれは見事にキメテくれます。
協奏曲もしかり。
ソリストは、バイオリンだったり、ピアノだったり、オーボエだったり。
独奏者の楽器とオーケストラの掛け合いが織りなす世界は、とてもとてもかっこいいです。。
(ジャズなども、そうかもしれませんね)
これまで、「協奏曲」も「交響曲」もどこが違うのかよく分からなかったし
バイオリニストと呼ばれる人たちが実はどんな曲を弾いているかも知りませんでしたが
いろいろ聴いてみて
私が今一番はまっているのは、バイオリン協奏曲です。
1人のソリストが奏でるバイオリンが、オーケストラと対峙するその瞬間は、鳥肌が立ちそうなくらいです。
スコアを片手に聴いてみました
私、音楽に目覚めたのが遅かったし、おまけにそんなに耳がよくないものだから、
スコア(総譜の意・別にパート譜というのもあります)を追いながら曲を聴いてみたら、
いろんな発見がありました。「へー、ここでこんな楽器が鳴っているのか」とか、
「えーっ、これってこんなに音符が連続してたのかぁ」」とか。
今まで聴こえていなかったものも、聴こえてくるようになりました。
(楽譜がそんなに読めるわけではありません。小学校、中学校の音楽の授業
での読譜の知識しか持っていません。時々分からない記号もあったりします)
スコアの文庫本に当たるようなミニスコアというのがあって、安くて軽くて便利
です。一冊500円〜1000円前後、厚いものや輸入盤は2000円超えるけど。
一番最初に買ったのは、モーツァルトの交響曲39番のミニスコアでした。宮本
輝さんの「錦繍」という小説の中に「16分音符の奇跡」という表現があって、
それを探したくて買いました。
究極?の第2楽章
ソロ楽器とオーケストラの協奏曲は大体3楽章構成で、真ん中の2楽章目はゆったり
した作りになっています。華々しさには欠けるというか。交響曲の4楽章構成は起承
転結ってやつで、まあ「承」と、「転」の2楽章、3楽章は印象が薄い。(・・と、ごく初期のころ
思ってました。)
でも、最近の私、1楽章は大抵の曲が印象的にできていて、フィナーレの最終楽章は大抵華々しくなっている
そこで真ん中のゆったりした楽章をどう聴かせてくれるか、そこに興味がいくようになっています。
ベートーベンのバイオリン協奏曲の2楽章のしっとりとした美しさ、モーツァルトのアイネ・クライネ
ナハトムジークは、超有名な1楽章は(多くの方が1度は耳にしたことのあるメロディだと思います)繰り返し聴くと
しつこい気がしてくるけど、2楽章はかめばかむほど味が出る。
2楽章、3楽章をかみしめるようになりました。
ベートーベンは損をしている
と、思うんです、私・・・・。
小学校の音楽教室にかかっていたベートーベンの肖像画、髪が逆立って、目がつり
上がっていて、とっつきにくそうな感じでした。
だから、一瞬、音楽までとっつきにくいんじゃないかって思ってしまう。正座して
聴かなきゃいけないかなーとか。
でも、曲を聴いていくうちにイメージ変わりました!
曲が、キラキラしてました。あまりに旋律が綺麗で、泣けてきちゃうくらい素敵でした。
(バイオリン協奏曲の2楽章とか、ロマンス2番とか)。
交響曲5番「運命」も、♪ジャジャジャジャーン・・という出だしが余りに有名すぎて
損してるみたい。後半なんて、とってもロマンチックなのに!
今更、「好きな曲は運命です」なんて、あまりに気恥ずかしくて人に言えないって思うのは、私だけかなぁ。。。
チャイコフスキーは晩秋に似合う?
私はひそかに、チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番とバイオリン協奏曲の二曲を
「二大黒魔術音楽」と呼んでいます。(チャイコフスキーさん、失礼なことを言って、
ごめんなさい)
だって、この二曲って、一度聴いたら最後、旋律が頭の中を流れだし、いつになっても
終わらない。「頼むー、だれか私の頭の中から、この曲を追い出してくれー」と悲痛にも
叫びたくなるほど。悪くすると、一日頭の中を流れ続けてしまう。
でも、逆に言うと、それほど印象的にできている曲なんです。
「何?それ」という方も、ちらっと聴けば、「あぁ、これかぁ」と思い当たるものがある
かもしれません。
それと、何にも根拠はないんですが、この二曲、晩秋の季節に似合う気がします。
暮れなずんでいく荒涼とした夕景色なんかが思い浮かんだりして。
バッハ以外のバロックの作曲家
「テレマンは気の抜けたバッハだ」と、どこかのクラシック入門に(好意的な意味で)
書かれていたりしますが、私も、気のおけない友達みたいで、結構好きです。
「ターフェルムジーク」(食卓の音楽)に代表されるよう、かしこまって正座して聴いてちょうだい!って
音楽ではまるでありません。
ものすごく多作な人で、使われる楽器もリコーダーから弦楽まで、いろいろ豊富です。
自分で(バイオリンで)譜面をなぞることができるようになってきて、気づいたのですが
緻密に構成されているバッハに比べて、テレマンは行間が広いような気がします。
いろんな形に自分なりに変えていくことができるみたいな。
バロックの時代って、イタリアにはコレルリがいて、マルチェロがいて、フランスにはリュリがいて、
クープランがいて、バッハとヘンデル以外にも、たくさん作曲家がいたことをようやく今ごろ知りました。
あれこれ聴いてみると、面白いかもしれません。
Anonさん
クラシックをちょっとかじった人なら、「何を今更・・」という話です。ごめんなさい
Anonさんとは、あらゆる時代、全世界を通じて、最も有名な作曲家です。
特に、バロック以前の古い時代の作品を扱った曲なんかだと、出てくる、出てくる・・・・
作曲者欄はAnonさんばっかりです。
もうお分かりかな?
そう・・・、Anonさんって、Anonymousの略で、「作者不詳の」という意味だそうです。人名では
ありませんでした。
(でも、長いこと、ほんとに私、Anonさんって、実在した人かと思ってました。お恥ずかしい・・。)
ところが、このAnonさんの曲が、なかなかいいんですよ。(バッロク以前のCDには多いです)
割と単純で、どこか楽しげな曲に出会えたりもします。
クラシック音楽とバレエはお友達
クラシック音楽とバレエの関係は、チャイコフスキーさんが「白鳥の湖」を作曲
したり、プロコフィエフさんが「ロミオとジュリエット」を作曲しているだけじゃないって、
これも最近知りました。
正統的?クラシック音楽に振りがつけられて、バレエとして踊られていたり
するんです。
ABT(アメリカン・バレエ・シアター)のガラ公演(スターたちがバレエの
見せ場だけを次々と踊る公演)のビデオを見ていたら、プリンシパル級の4組の
ダンサーが、ブルッフのバイオリン協奏曲1番の3楽章で踊っていました。
バイオリンソロのときにはダンサーもソロで踊って、オーケストラが入るときは
踊りも群舞になるという具合でした。
熊川哲也さん率いるKカンパニーの2001年春の公演は、モーツァルトの
交響曲ハフナー、タイスの瞑想曲、パガニーニのバイオリン協奏曲などが演目に
なっているそうです。
チャイコフスキーの弦楽セレナーデも観た!ことあります。
「えー、この曲もバレエになってしまうのぉ?」という驚きは、しょっちゅうです。
「へー、この音楽がこんな踊りになるんだぁ」と、意外な興味もわいてきます。
ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート
「日本で住んでいてよかったなぁ」ってお正月にしみじみ思うのは、ウィーン
フィルのニューイヤーコンサートのTV生中継が、時差の関係で元日のちょうど
晩御飯どきというゴールデンタイムに観られる(聴ける)こと。
日本のスタジオからの解説あり、ウィーン国立歌劇場バレエ団の踊りや
ウィーンの景色ありで、なかなか楽しめます。
「観光列車」という曲のときには、ウィーンの鉄道公園で撮影したらしい、
ちょっと楽しくなっちゃうような汽車の映像がはさみ込まれたりしました。
バレエ・シーンが挿入されたりもします。
指揮者が毎年違うということも話題の一つのようです。
ワルツやポルカばかりで、似たような曲ばかりという印象もあるにはあるけれど
お正月気分を盛り上げるユーモラスな演出が用意されていたり、お気楽
モードで楽しめる演奏会、お正月の夜の最大の楽しみです。
「ストラディヴァリに挑む」
1/20にNHK・BS2「地球に好奇心」で、イタリア・クレモナのバイオリン製作
コンクールの昨年秋の様子が放送されました。
出品者の横顔を中心にしたエピソードが織り込まれ、いろいろ興味深かったので
その中から幾つか。
・表板に使う木を切るシーン。クレモナに工房を構えるある製作者は、イタリア
北部・ドロミテのもうスロベニア国境に近い郷里の森の木にこだわり、毎冬、
幼なじみに切ってもらうそうです。一本の木でも、楽器に使えるのは、下から数十
センチの高さから、その上一メートル足らずの部分だけ。その上、木の中心部も
外側のある一定の厚みも使えず、年輪の(木目の)揃ったごくわずかのところしか
使えない。
また、木を切るのも、樹液の少なくなる冬に限られ、それは乾燥させる期間にも
影響するそうです。
・ニスの仕上げは、最低20回は塗る。出品作は、30回以上塗って、絹のような
仕上げにしたという人もいました。
・当たり前かもしれませんけど、私はバイオリンは一人の製作者が何から何まで
仕上げなければいけないって、知りませんでした。日本には、漆職人さんがいたり
しますものね。
・結果的に、昨年の入賞は外国勢ばかりで、イタリアからはありませんでした。
発表後のインタビューで、クレモナに工房を構えるある職人の方は、入賞
作品を指して「あれはクレモナのバイオリンとは違う」と。
オペラ入門「愛の妙薬」
クラシック音楽の敷居はちょっと高い気がするけど、オペラの敷居はもっと
高い!気がしました。チケット代も高いし、言葉も分からないし。
でも、凝った舞台装置で、豪華な衣装で、素敵なオーケストラの音色に
体が震えてくるような美声が聴けるとなれば、こんなに楽しい世界はない!って
気持ちにもなってきました。
それでも、気軽に楽しめるものと、観客も気合が必要なものとあるようで、
オペラ初心者には「椿姫」とか「ラ・ボエーム」とか、オススメどころってのが
あるようです。
私のオススメは、断然「愛の妙薬」。
農夫ネモリーノが、アディーナという娘さんに恋してる。でも、相手にされ
ない。そこで、旅の薬売りから「惚れ薬」を買って、アディーナの心を射止める
までが、面白おかしく?描かれてます。
ドニゼッティさんというイタリアの作曲家の作で、素敵な歌もいっぱい詰まって
ます。ネモリーノが恋心を歌い上げる「人知れぬ涙」は、曲だけでもしばしば
歌われます。
ビデオで観ることもできます。私は2本持ってます。
ロベルト・アラーニャという人がネモリーノを歌った(アディーナ役は、夫人の
ゲオルギウ)ものは、ネモリーノが恋する青年という役柄にぴったり。
パバロッティ&キャスリーン・バトルのものは、NYメトロポリタン劇場での映像で
とってもゴージャスな舞台です。
オペレッタ「メリー・ウィドウ」
オペラにはさすがに気後れしても、オペレッタならもっと気軽に楽しめる。
歌あり、踊りあり、笑いありで、いい場面ではどんどん拍手で盛り上がります。
メリー・ウィドウはオペレッタの代表的な作品の一つ。
綺麗な歌が詰まっていて、バイオリンのソロも聴かせてくれて、コミカルなストーリーも
楽しめます。
主役のソプラノ歌手が故郷を思い出して歌う「妖精のうた」は、しっとりと、しみじみと
とても素敵です。バイオリンの甘い独奏もたくさんあります。