本 ほん ホン        

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ベストセラーになったようなものは、あえて書き込んでいせまん。ほかにも楽しい本はたくさんあるんですよね〜

[小説]
玉岡かおる

原田康子・満月

隆慶一郎・捨て童子松平忠輝
吉村昭
ヴァルデマール年代記

[ノンフィクション]
子育てはゴリラの森で
墜落遺体
アジアの美味しい道具たち
味わいアジア
シートン動物記
パリ左岸のピアノ工房

[情報]
読書のいずみ
全国駅前銭湯情報
STBのすすめ
ちゃいこふスキー
赤木かん子さん(子供の本&ヤングアダルトの本)

[その他]
やあ 小さな仲間たち
新釈 現代文

     

[小説]

     玉岡かおる(2000年11月09日)

      どうして玉岡かおるさんがブレイクしないのか、ほんとに不思議でしょうがない・・・
     素敵な小説を書いていらっしゃる方です。主人公の女の子がちょっと個性的で、不器用で、
     その不器用さゆえに切なくて。
      なぜ、こんなに私がひかれるかといえば・・・ 理性で気持ちを抑えてしまうときって、
     ちょっと悲しいと思いませんか? そういう主人公への共感が大きいのかもしれません。
      十年ほど前の作品では、「夢食い魚のブルー・グッバイ」とか、近いところでは「サイレントラブ」
     「クォーター・ムーン」とか、いい感じです。
      関西出身の方らしく、関西が舞台になっているものが多いです。
      でも、このあいだ友人に薦めたところ、「初版のあと、あんまり印刷されてないみたいで、どこの
     店に行ってもなかったよ」と言われてしまいました。
      映像にも向くと思うんだけど、ドラマ化もされていないようだし・・・うーん、おかしい!


     2002年9月、「をんな紋・まろびだす川」角川文庫を読みました。とてもいいわぁ。
      まだ文庫化されてない 「をんな紋・はしりぬける川」と「をんな紋・あふれやまぬ川」を買ってしまいたく
      なってしまった。
       時代を明治〜大正においての、そうねぇ、雰囲気で言ったら、宮尾登美子さんの「蔵」みたいな雰囲気。

       決して作品数の多い作家さんではないのですが、近年絶版が多くなっているので
      著作の一覧メモを作ってみました。→ こちらへ。


      玉岡かおるさんの 公式ホームページは こちらへ。 


        原田康子・満月(2001年01月05日)

        原田康子さんといえば、「挽歌」より、私は、断然北海道の歴史小説です。
        「満月」は、300年前、津軽藩主の命をうけ蝦夷の地に渡った武士・小弥太が、コタンの
       フチという人のおまじないで故郷に帰るところ、十五夜の晩、なぜか現代の
       札幌に現れてしまったという設定です。突如河原に現れた小弥太を見つけた
       まりさんは驚きの境地にあるのですが、まりのおばあちゃんがデキタ人で、
       小弥太さんはまりの家で暮らすようになります。
        まあ、それからいろいろあって、まりさんと小弥太さんは離れ難い思いを抱く
       ようになるのだけれど、フチのまじないは1年という期限付き。別れのときが
       迫ります・・・・。
        十五夜の晩に始まり、十五夜に終わる物語です。小弥太とまりさんの心が
       通い合う、冬から春、そして切なさの募る夏の描き方がとても素晴らしい。
        私は文庫本で持っていて、もう一冊保存用も欲しくなって、(数年前でしたが)
       書店に注文したところ、品切れと言われました。
        原田康子さん、「風の砦」もなかなかです。
            「満月」と「風の砦」は新潮文庫です。 



         捨て童子松平忠輝(2001年04月15日)
    

          隆慶一郎  講談社   文庫もあり

          この作品で、時代小説の面白さを知りました。
          徳川家康の第6子でありながら、生まれながらの顔つきが家康の気にそわず
         「捨ててしまえ」と言われ、普通に知られるところの歴史には出てこない松平忠輝が
         非常に魅力的な人物として描かれています。
          家康に次いで二代将軍となった家忠をはじめ、そのころの政治的なもろもろのぶつかり合いの
         描写も実に面白いです。

          隆慶一郎は執筆期間わずか6年でしたが、ほかにも「影武者徳川家康」など、読みごたえのある
         時代小説を多数残しています。(マンガになっているものもあります。)


      吉村昭(2001年12月15日)

          歴史の波に埋もれてしまいそうな研究や取り組みを映像で振り返るNHKのプロジェクトX(エックス)
        という番組をよく見ます。何十年かまえに、何かに一所懸命に取り組んでいた人たちがいて、そのころの
        セピア色に焼けた写真が紹介されるんですが、皆さん、とてもいい「顔」、いい表情をしていらっしゃいます。
          吉村昭さんは、プロジェクトXの文学版といった感じで(テレビの↑の番組よりずっと以前から活動されてますが)
        きめ細かな調査をもとに、何かに賭けた人たちの物語をたくさん書いています。
          例えば、森鴎外がドイツに留学経験を持つ医者であることは有名ですが、同じころに、イギリスに留学した
        海軍の医者・高木兼寛という人は全く無名です。鴎外と脚気(かっけ)の予防法を巡って、大きな対立関係に
        あった人物で、彼をモデルにして「白い航跡」という小説が書かれています。
          ライト兄弟が1901年に飛行機を飛ばすより12年も前に日本で航空機を考案していた二宮忠八という人に
        ついては「虹の翼」という本になっています。
          その他、心臓移植について、胃カメラについて・・・、様々な事柄について、もろもろのドラマが
         史実に基づいて、かつ読みごたえのある作品となっています。(文庫で、いろいろ出ています)


      『ヴァルデマール年代記』の傾向と対策(2002年3月7日)

           アメリカで出版されている異世界ファンタジー(!)の日本語訳シリーズです。
           とにかく壮大な展開。アメリカでは既に二十冊以上出版されているそうですが
           日本ではまだ数冊です。

           魔法、剣、戦い、ロマン・・・と盛り沢山。

           だけど、このシリーズ、出版順に読んでいくと、戦いの場面の連続で疲れるかも?
           もし、これから読む方がいらっしゃるなら、 創元社推理文庫の最新刊「運命の剣」からが
           読みやすいかもかれません。

           「運命の剣」上巻は、14歳の少女ケロウィンがいかにして傭兵を志すかの物語。
           そして下巻で、繰り広げられるケロウィンの戦いは、冷静で、勇敢で、そしていろんな
           出会いがあって、ユーモアもきいてて、テンポのいい展開で読ませてくれます。
  
               日米タイトル比較は以下のとおり。
     ・・・・・・・・・・・・・
  ヴァルデマール年代記 Sword and Sorceress
                      (by  Mercedes R. Lacky   マーセデス・ラッキー )

Maga Wars 三部作(この位置はシリーズ名)
    The Black Gryphon        with Larry Dixon
    The White Gryphon           々  
    The Silver Gryphon           々                        

The Last Herald Mage 三部作
     Magic's Pawn
     Magic's Promise  
     Magic's Price                              

Vows and Honor
     The Oathbound 「女神の誓い」創元推理文庫  ( 「剣の誓い」と2 編)
     Oathbreakers  「裁きの門」  々

      Oathblood「誓いのとき」創元推理文庫(短編集。U.S.版と収録に違いあり)  
      
The Heralds of Valdemar 三部作  
      Arrows of the Queen  「女王の矢」現代教養文庫
      Arrow's Flight
     Arrow's Fall

Kerowyn's Tale
      By the Sword   「運命の剣」 創元推理文庫                     

The Mage Winds 三部作
      Winds of  Fate 宿命の嘆き 上 下 創元推理文庫
      Winds of  Change
      Winds of  Fury


The Mage Storms  三部作
       Storm Warning
       Storm Rising
      Storm Breaking

                  



[ノンフィクション]

     子育てはゴリラの森で(2000年11月24日)

        岡安直比     小学館

       ゴリラは、その薬効やペットとしての需要から、密猟の対象となっています。密漁者の
      手から戻された(親とは引き離された)ゴリラの子供たちを森へ帰すプロジェクトに参加する
      ため、著者は当時小学校1年生の娘さんを連れてアフリカのコンゴに渡りました。
       挿入されている写真で、ゴリラの子供たちがとても愛しく思えます。
       今、プロジェクトはコンゴ国内の内戦のため中断されているそうですが、コンゴに暮らす
      方々とゴリラをはじめとする野生動物たちが日々平穏に暮らせますように・・
        著者がゴリラの生態に絞って書いた 「みなしごゴリラの学校」 は 草思社 から


        「墜落遺体」(2001年01月19日)

        飯塚訓著    講談社

        日本航空ジャンボ機が尾巣鷹山の尾根に墜落したとき、遺体の確認作業、
       引渡しを担当した群馬県警の警察官が、退職後に、当時の記録を出版しています。
        あまり報道されることのなかった警察のかかわりの側面からの事故の記録
       です。
        遺体の確認にあたっては、警察医、歯科医、日赤を中心とする看護婦の方々の
       大変な御苦労があったことも読み取れました。
        「自分で治療した患者さんの遺体は自分で探します」と、乗客の歯科の主治医の
       先生が、カルテやレントゲン写真を持って、北陸や関西方面から駆けつけた話なども
       紹介されていました。



        「アジアの美味しい道具たち」(2001年03月29日)
     
平松洋子著  晶文社

         ココナッツの柄のしゃもじ、インドネシアのすり鉢チョベック、ベトナムの千切り専用2枚刃包丁、
        韓国の匙スッカラ・・・等々、気持ちがアジアの市場にとんでいくようなあれこれが、イラスト
        入りで紹介されています。
 
         「味わいアジア」 平野恵理子著 ブロンズ新社
         
         も、同じようにアジアの生活小物が紹介されています。カラーイラストがたくさん使って
        あって、目にはこちらのほうが楽しく映るかな? 



      シートン動物記(2001年12月10日)

         子供のころ読んだはずだけど中身はすっかり忘れていた・・って本なのですが、先日
        思い立って読み返してみたところ、感動ふたたび!という感じでした。

         小さなお話が数多くあるシートン動物記、とりあえず私は集英社文庫から出ている2冊
        「灰色グマの伝記」と、「銀ギツネの伝記」の、2冊を読んでみました。

         いずれも、文庫のタイトルになっている作品のほかにも、小さな作品が収録されてます。

         19世紀後半〜20世紀にかけてシートン自身が体験した話や見聞きした話が、再構成されて書かれています。
        かなり「読み物」として意識されているようで、ストーリー性があるから、読みやすいし、どんどん話に
        引き込まれていきます。

         野生の動物たちが、どういう形をしているか、というだけでなくて、どういうふうに生きているかという
        面にまで踏み込んで書かれた記録です。

         「灰色グマの伝記」は、幼くして、親・兄弟を銃で殺され独りで生きていかなければならなかったた
       灰色グマ・ワープの物語。孤高に生きる強さと知恵を持っていたワーブが、晩年、別の若いクマのはったりに
       弱気になって過ごしていく姿が、ちょっと悲しく描かれていました。

         文庫の「灰色グマ」に入っていた、狼王「ロボ」のお話も素晴らしいものでした。強い力とリーダーシップを持って
       群れを率い家畜を襲うロボを、何とか捕まえようとする猟師たち。少々軽はずみな妻を持つことを、残した足跡から
       猟師に推察され、その弱点をつかれてしまいます。

         「銀ギツネ」では、小さな動物たちが自然界で生きていくには、自ら働かせる知恵とともに、幸運に恵まれなければ
       ならない、綱渡りのような一瞬一瞬に、どきどきしてしまいました。



       「パリ左岸のピアノ工房」(2002年2月22日)

         T.E. カーハート   新潮社     2000円   (村松潔訳)

         パリ在住のアメリカ人男性が、自宅近くのピアノ工房と出会い、20年ぶりにレッスンを再開していく間の
        さまざまを綴ったエッセイ集です。(多分。。 エッセイの形をとったフィクションという可能性もあり?)

          自宅近くにピアノ工房を見つけたものの紹介がないとその店の客になれない・・・・、パリでは人と人とが
        知り合うには、とてもゆっくりとしたペースが必要とされるそう。
          
          工房主や工房に集う人々とのつながりができていく中で、人と競うためではなく、人に聴かせるためでもなく、
        一人の大人が趣味として音楽を楽しんでいく様子が、静かな口調で語られています。訳も好感が持てます。

          ヤマハ、カワイ、スタインウェイといった世界規模で同じ品質のピアノを提供するメーカーではなく、
         1台1台個性あるピアノを送りだしてきたヨーロッパの小さなメーカーのことや、ベートーベンの作風の変化に
         大きな影響をもたらしたピアノの歴史的発展過程、88鍵の固定された音でいか歌っていくかという挑戦、
         曲の中の和音の構成を理解することがとても大切だということ。
          
          等々。1編ごとのエピソードがとても興味深く、魅力的なものでした。


[情報]

        「読書のいずみ」(2000年12月20日)

        大学生協の書籍コーナーにある無料の雑誌です。
        毎号の巻頭のゲストとの対談は(A5サイズですが)十数ページにも
       及びます。例えば昨年12月の号は「王妃の離婚」で直木賞を受賞したばかりの
       佐藤賢一さんがゲストでした。質問する側は現役の大学生であり、率直に
       突っ込んで質問するわけで、商業的な雑誌にはない話の展開となります。
        これまでのゲストを見ると、村山由佳さん、原田宗典さん、辛淑玉さん・・・と、
       そうそうたる顔ぶれが続いています。
        留学生が綴る日本日記は意外な視点が新鮮ですし、大学の先生たちが著書に
       ついて語るページもあります。
        もう一つ、好感を持って読めるのが、大学生自身が書く書評。物事を真っ直ぐに
      見据えている感じが、もう自分にはない感覚で、まぶしい思いさえ抱いてしまいます。
        大学生協に入っていればタダで読めるわけですが、そうでない方は定期購読も
       できます。年4回発行で、送料込みで1200円分の切手でOKです。
        参考までに。〒166-8790杉並区和田3-30-22
                   大学生協連合会書籍センター「読書のいずみ」編集部


        「全国駅前銭湯情報」「STBのすすめ」(2001年01月06日)

        私、若いころって、ほんとに貧乏してました。まあ、週末ごとに、金曜の夜
       から月曜の朝まで遊んでいたんだから、しようがないんですけど。(よく体力も
       あったよなぁ) 
        山やスキー、鉄道の旅・・と、お出かけ願望が強かったんです。
        で、何をケチったかというと、まず宿代。夜行列車を宿代わりにしたり、駅にも
       随分寝ました。山に登る人たちは「駅寝(えきね)」と言ってましたが、このあいだ
       STB (ステーションビバーク)という言葉も覚えました。
        一番よく泊まったのは、上越線M駅の待合室。(現況不明ですが)ストーブの
       火が何より有り難かったです。駅前グラウンド(!)ホテルも、あちこち利用させて
       もらいました。
        当時は口コミの情報が頼りでしたが、今はこんな素晴らしい!本も出ています。
        「全国駅前銭湯情報」 鉄道を愛する旅人の会 発売は株式会社新日本企画
        「STBのすすめ」 STB全国友の会 発行はどらねこ工房
                              (地方小出版流通センター扱いです)
        読むだけでも面白いのは、私がこんな生活してたからですかねぇ。 


        ちゃいこふスキー(2001年01月11日)

        柳川こうぞう著   近代文藝社
     
        音楽の本ではありません。スキーの本です。
       こよなくスキーを愛する著者のスキー談義は、これまたスキー大好き!の
       私には、「そうそう! そうなんだよー」ってな共感部分が多かったです。
        スキー仲間227人によるスキー宿情報と著者のゲレンデミシュランは
       参考になる! なる!
        スキーツアーやバッヂデストの裏話もとても興味深いものでした。
        ただ!残念なことに1994年の出版であり、宿泊アンケートは当然それ
       以前の資料となっています。
        是非是非2000年版を出していただきたい一冊です。



赤木かん子さん

      児童文学&ヤングアダルトブックスについての書評は
      とても面白く読ませていただきました。
      晶文社 日常術シリーズ [BOOK]術 子供の本がいちばん!
      晶文社 YA読書案内(共著)
      リブリオ出版 かんこのミニミニ世界児童文学史
      径書房 こちら本の探偵です
        々   子どもの本とごちそうの話
      
                 最近の活動は こちら で拝見できます。 


[その他]

     やあ 小さな仲間たち(2000年11月17日)

        石亀泰郎写真集    朝日新聞社

       朝日新聞日曜版に掲載されていた世界の子供たちの写真をまとめたものです。
       どの子もとってもいい顔をしています。泣いたり、笑ったり、けんかしたり。
       個人的な写真の好みでは、第2巻のほうが好きな写真が多いのですが。
       ほかに、石亀さんの写真を使った「イエペはぼうしがだいすき」(文化出版局)という
      絵本も、イエペという男の子の表情がとてもいいです。



        新釈 現代文(2001年01月29日)

        高田瑞穂著   新塔社

        今日、高校生のお子さんを持つ人と雑談になって、「そういや、人生の
       一冊!ってほどの学習参考書って、あるよなぁ」と、この本を思い出しました。
        私は、高校生のころ、この「新釈現代文」で、本の読み方ってものを教わった
       気がします。
        作家は、これを読者に分かってほしい・・・と、「ただ一つの願い」を持って
       書いているんだと。
        読者は、その願いとは何か・・・それを知るために読むんだと。
        作者の願いを知る読み方を教えられました。
        学習参考書という位置づけは、あまりにもったいない一冊です。
        同様に、「英文解釈教室」(伊藤和夫・駿河台予備校)って本では、英語の
       読み方ってものを教わりました。でも、これはやっぱり学習参考書?