森の恵みと沢にひたるツアー
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雪洞&雪山入門  のようす
ダイニング付き豪華雪洞で雪降る夜もぐっすり。翌日は好天で練習を交えつつ快適に登頂。
2009年3月14日(土) 雨のちくもりのち雪
低気圧・前線通過中で暖かい雨。やまないので雨の中歩き出す。ワカン大小、スノーシューの大型でヒールフリーのもの、小型でヒール固定できるもの、と4種類。ヤブ細尾根や急斜面は小回りのきくわかんがよい。
雨が小降りになり、もやのブナ林。

広くてゆるやかなところはスノーシューが楽だ。
あめはやみ、みぞれから雪がちらほら。冬型になりつつあるようだ。

今年は雪が少なく、雪洞の場所が悩ましい。樹林帯を抜け、季節風が直接ぶち当たる尾根の吹き溜まりにする。上の雪庇はほとんど張り出さずに安全で、下は滑落しない程度に急斜面で雪を捨てやすい、グッドコンディション。深さも斜めに3m前後でまあよかろう。
4人で2穴、疲れるかもしれないと思ったが、楽だった。
10度ぐらい上に掘り進め、という私の指示に、B・K組は細い穴を掘り進む。
一方、私はEさんが掘り進む足元をどんどん掘り下げて縦長の穴になる。

寝不足で足取りの重かったEさんも得意の穴掘りで目が輝く。
穴掘りのスピードは雪の排出で決まるので、外にいる人の方が大変かも。
この日は雪が軟らかいがブロックになりやすく、とてもはかどった。スノーソーも使ってみたが、さほど効果なし。
それぞれ穴を3mぐらい掘り進んだら横に曲げて掘る。
穴があいてつながったところ。
左右の穴の高さをそろえつつ、快適空間を作るべくまわりを掘る。
朝の雨と温かさで水がぼたぼた滴るので、天井はかまぼこ型にきれいに仕上げる。側面には物を置ける「神棚」を掘る。
中央にはテーブル付きダイニング、両側にベッドルーム!このいすとテーブルは快適だった。
出入り口は頭をぶつけたり四つんばいにならなくていいように、階段状にしてある。積雪に余裕があるといろいろ細工できる。
さて荷物を入れてテーブルで水を作りながら宴会開始。Kさんの神棚にはろうそくランタン、天井からは電池ランタン。
ろうそくを針金でしばって壁に刺してもよし。はしも刺すとテーブルに置かなくてもいい?
水は壁のザラメをおたまですくうとすぐに溶けて楽チン。
ソテーやら鍋やらつつきつつ、みなさんのアウトドア談義、雪山技術の質疑応答などで夜は更けてゆく。
トイレに出ると、雪がしんしんと降り続いているが、中はおだやかだ。昨年は外が静かで暖かかったが、今回は雪洞の威力発揮。
3月15日(日) くもりときどき晴れ

さて、雪山歩きの練習をしながら山頂を目指す。
くもりだが西の空が青く、天気はまずまずだ。
雪庇はあまり張り出していないので、3mぐらい離れればよい。

アイゼンは早めに装着。怖いと思ってから着けるのは危ない。

その他、アイゼン歩行、ピッケルの使い方、斜登行、トラバース、耐風姿勢など、実際にやりながら登ってゆく。

滑落停止はスピードが出ると難しいから、転倒したら1秒でも早く止めること。
新雪30cmの下に、きのうの湿雪が固まっている感じで、クラストもラッセルもひどくなく、歩きやすい。

さてこの急登を越えれば、
山頂だ。足下に山麓が広がり、日本海までつながっている。
白きたおやかな火打が望まれ、ガスが流れて妙高が浮かび上がったのは迫力だ。

風も弱く、気持ちのいい山頂。誰もいない。
ひと休みして、下り始める。
急なところを選んでキックステップの練習。雪が軟らかくて緊迫感なし。
   ロープワークの練習も少々。KさんとEさんはほとんどやっていないので、ごく基本的なことを。

エイトノットを作ったり、インクノットでセルフビレイをセットするような簡単な操作も、手袋をしてやるのがめんどう。もたもたしてると冷えてくるし。
下りの確保の練習。ころんでも衝撃なく止まることを実感してもらう。

Bさんは先の見えない雪庇から飛び降りて止める練習をしたかったようですが、なにがあるかわからんのでやめてもらいました。
懸垂下降。雪が軟らかくてロープが投げられないので肩に掛けて下ってゆく。
さて練習してたら冷えたので、歩いて下ろう。広がる景色の中に伸びる尾根を下る。気持ちいいのである。
雪洞でひと休みして荷物をまとめて下山。
気温が上がって雪がどんどん重くなる。
少し傾斜が強いとヒールフリーのスノーシューは後が雪に刺さって歩けない。Eさん、仕方なく尻セードしたり、しまいにはシューを外してツボ足ではまりまくり。ごくろうさま、ごめんなさいね。
いやー、楽しかった。

Bさんの写真を使わせていただいてます