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森 博 嗣 フ ァ ン 倶 楽 部
 ぱ  ふ ぇ



「第7回国際鉄道模型コンベンション」欠伸軽便鉄道ブースレポート

森ぱふぇ的鉄道模型コンベンションの楽しみ方

    2006年8月11日から13日までの3日間、大阪南港にあるインテックス大阪にて、第7回国際鉄道模型コンベンションが開かれ、我らが森博嗣先生も昨年に引き続き欠伸軽便鉄道社長として個人ブースでの出展をなさいました。今年は実際の庭園鉄道の車両を一部持ち込まれて文字通りスケールアップした展示内容でした。さて、鉄道模型と森ぱふぇとの間に直接的な関係はありませんが、森先生のファンとしては、先生と直接お話ができる可能性の高いこのコンベンションを見逃す手はありません! 今回、森先生のご厚意により森ぱふぇスタッフ数人がお手伝いとして参加させていただく機会を与えていただいたため、展示ブース内から見た鉄道模型コンベンションの様子をお伝えしたいと思います。鉄道模型にあまり興味のない方でも、ぱふぇら〜であれば楽しんでいただけるような注目ポイントはいくつかありますので、次回以降への参考にしていただければ幸いです。

【ポイント1】距離が近い

と言っても一番のポイントは、森先生を非常に近くで拝見することができ、運が悪くなければブースの中や近くにおられる森先生から直接お話を伺うこともできるということでしょう。もちろん話の内容は鉄道模型や展示物に関するものに限られますが、趣味の分野のことを楽しそうに語ってくださる森先生の表情や声を間近に感じることができるのは大きなポイントです。これは講演会に参加できたとしても、なかなか体験できない貴重な距離感だと思います。名刺交換会でも似たような体験はできますが、一人当たりの時間は限られており、いつまでも長居することはできません。それがこのコンベンション会場では、質問しだいで森先生自らの解説を長い間聴き続けることも可能となるのです。できるだけ周りの素人スタッフでは解らないようなマニアックな質問を用意していれば、森先生ご本人が登場される機会が増えることでしょう。どんな些細なことでも、気になることがあれば目ざとく質問してみてください。

 初日の金曜日は平日ということもあってか入場者数は少なめでした。欠伸軽便鉄道の展示ブースには、机の上に5インチゲージの線路と機関車などが置かれ、庭園鉄道の走行風景を撮影したビデオもプロジェクタによって背後の壁に映し出され準備万端。とはいえブース内ではスタッフの手によって配布用のパンフレットの作成作業がずっと行われていました。出来上がったものから少しずつ小出しにしていきます。午前中は訪れる人の数はまばらで、一気に忙しくなることはありませんでしたが、熱心なファンの方はすぐに来られて、さっそく森先生とお話を楽しまれていました。明らかに他のブースとは客層が違い、女性のお客さんが多かったように思います。ブースの中にいるとつい忘れそうになりますが、この会場では小説家・森博嗣を知らない人の方が圧倒的に多いのです。我々にとってはもったいない話ですが、逆にこんなに大勢の人がいる中で自分たちだけが森社長の違う面(主にアルバイト方面)を知っているというちょっとした特別感を味わうことができるのも、コンベンション会場ならではでしょう。

【ポイント2】お馴染みの名刺交換

先生のファンにとってはお馴染みだと思いますが、このコンベンションの会場でも名刺交換のシステムが取り入れられていて、来場してくださった方の名刺と引き換えに、記念乗車券(社長のはさみ入り)とパンフレットをお渡しすることになっていました。初日の午前中はそれほどでもありませんでしたが、午後はかなりの数が交換され、一日で100枚ほどは名刺が貯まっていたでしょうか。展示机の上の5インチゲージの線路の上には写真のような手作りの名刺受け(中央公論新社のN倉氏作)が用意されていたのですが、たまに中に貯まった名刺を回収しないと次の名刺が入らなくなるほどでした。

 2日目以降は休日ということもあって、さらにお客さんの数も増え、名刺もたくさん集まることになりました。また新たに、配布グッズとして、機関車が走る映像から静止画を抜き出して作られたフリップブック(いわゆるパラパラ漫画)のキット(自分で切って束ねて作ってもらう方式)も配られることになり、何も知らずにブースを訪れた人の工作意欲を刺激していました。多くの家庭でフリップブックが作られたことでしょう。展示机の脇には欠伸軽便鉄道の特大オリジナルスタンプも用意されていたので、それが子供たちに大人気でした。なかには本物の鉄道の記念スタンプがたくさん捺されたスタンプ帖を持参してくる気合いの入った子もいて、鉄分の薄い我々は感嘆するばかり。机の上の数々の模型も訪れる人の注目の的でしたが、常に背後で上映されていた庭園鉄道ビデオには、お客さんを長時間立ち止まらせる効果があるのか、ブースの前はたびたび大賑わいになることもありました。クーラの効いた展示場内も熱気を帯びています。名刺受けは日に日にデコレーションが施され、最終日には写真のような外観に(貼ってあるのは名刺見本)。

【ポイント3】レアモノ

て、もうひとつ見逃せないポイントは、当たり前ですが、森先生個人のブースなので先生のお宅でしか拝見できないものが目の前にあるということです。しかも森先生と一緒に。ぱふぇら〜にとってこんなにワクワクドキドキするシチュエーションが他にあるでしょうか。5インチゲージの機関車にスケールがぴったりなブライスを始めとする人形たちはもちろんのこと、限定数で作られたのんた君ぬいぐるみ(着ているオーバオールは森先生のお手製!)までもが、この会場にやってきているんですから、それらを眺めているだけでも楽しめるというものです。鉄道模型のことなんて皆目解らないという方でも、可愛い人形たちに関することなら質問できることもあるでしょう。それが森先生との会話に繋がるかもしれません。頑張りましょう。

 このときののんた君は帽子を冠り、すっかり臨時駅長としての風格を漂わせていました。こういった森先生の日記でしか目にしたことがないようなものがひょっこりブース内にあって、近くでじっくり見ることができるのも鉄道模型コンベンションの大きな魅力のひとつでしょう(しかし、くれぐれもお手を触れないように)。

【ポイント4】あわよくば新天地へ

後のこれはもう副作用的なものですが、たとえ森先生目当てでこの鉄道模型コンベンションに参加したとしても、右を見ても左を見ても鉄道模型一色の会場に一日中どっぷり浸かっていれば、あなたの中にほんの少し開拓された部分があることに気づいても不思議ではありません。とくに鉄道模型にまったく興味が無いわけでもなく、ほんの少しの創造性を持っているのならば、その可能性はますます高まることでしょう。欠伸軽便鉄道のブースを訪れて、運良く森先生と会話を交わすことに成功したあなたは、何か話さなければと訊ねます。「お薦めのブースはどこですか?」と。そうなれば、もはや決定的です。あなたは薦められたブースを嬉々として訪れ、そこに展示されている精緻かつ気品の漂う工作模型たちを目の当たりにし、人間業とは思えないその技巧の数々に畏敬の念を抱くことになるでしょう。

 模型界で神様と呼ばれる人たちが会場内にはごろごろ歩いているのだから凄いです。いや、実際のところ、見かけは普通のおじさんたちで、素人にはその実感は沸かないのですが、その方たちが手がけた模型作品を見れば、模型に疎くてもその凄さの一端を感じることができるはずです。目の前には知らなかった世界へと続く道が、狭いながらも開けています。そして、次にその世界に足を踏み入れるのは、あなたかもしれません。ようこそ、鉄道模型の世界へ。どうかお気をつけて・・。

<おまけ> 下の写真は片付け時の連続写真です。なくなっているものを見つけよう。


● お礼 ●

     最後になりましたが、数々のすばらしい展示内容を見せていただき、なおかつ我々のような鉄道模型の素人相手にも懇切丁寧な解説をしていただいた森先生には最大限の感謝を申し上げます。楽しい時間が過ごせました。また、コンベンション会場でいろいろお世話になった模型界の方々にも感謝いたします。何も解らない我々でも楽しめるような空間を提供していただきありがとうございました。


文・写真:しばしん@記録係

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