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森 博 嗣 フ ァ ン 倶 楽 部
ふ ぇ
森博嗣先生講演会
「森ぱふぇネタバレ講演会」
オフィシャルデータ
*** CONTENTS ***
開催概要
タイムテーブル
記念品
フォトレポート
*******
ネタバレ対象作品リスト



開催要項

  開催日:2002年3月16日(土)19:00〜22:00
  会場:東京都北区王子「北とぴあプラネタリウム館」
  講師:森博嗣先生
  会費:1,000円
  参加人数:約150名

タイムテーブル

  17:30〜   受付
  18:30〜   開場
  19:00〜   森博嗣先生講演会
  21:00〜   名刺交換会
  22:00    閉会
   −予定していた質議応答をカットし、ご講演を15分延長しました。

記念品

  ☆森ぱふぇオリジナル カンバッジ2コセット(イラスト:森博嗣先生)
  ☆森ぱふぇオリジナル クリアファイル3枚セット(イラスト:森博嗣先生)
   −参加された方全員にお渡ししました。




「森ぱふぇネタバレ講演会」のレポートに関するお願い

  このたびの「森ぱふぇネタバレ講演会」に参加された皆様には、
  ご講演内容に触れたレポートの公開(オンライン・オフライン共)を
  ご遠慮頂けますようお願い申し上げております。
  また、森ぱふぇサイトの内外を問わず、ご講演内容を掲示板等に書き込む等の
  行為もお控え下さい。

  理由は、レポートが即「作品のネタバレ」に繋がること、
  ご講演内容の著作権が森博嗣先生に所属するものであること、の2点です。
  講演会に参加できなかった皆様に、内容をお伝えできないのは非常に残念ではありますが、
  ご理解とご協力をお願い申し上げます。


  *以下の森ぱふぇスタッフによるフォトレポートは、
   森博嗣先生の許可を頂いた上で公開しております。




「森ぱふぇネタバレ講演会」フォトレポート


     記念すべき2002年3月16日。早くも桜がちらほらと咲き始めた曇り空の東京で、初の森ぱふぇ主催にして小説関係では21世紀初となる森博嗣先生の講演会が開かれました。しかも今回は、初めてのネタバレ講演会という「初尽くし」です。その舞台となったのは、王子駅前にある公共施設“北とぴあ(ほくとぴあ)”。森先生の作品に登場するあのお方の名前にちなんでいることは言うまでもありません。その施設内でも『笑わない数学者』の世界を彷佛とさせるプラネタリウム館を講演会場として使わせていただきました(にこ)。ちなみに左の写真は北とぴあの建物前に座っている平和祈念像ですが、実はこれも『笑わない数学者』に出てくる“オリオン像”に見立てられているのだ、という噂がなきにしもあらずです(笑)。

     さて、今回の講演会は全編ネタバレという性格上、残念ながら講演内容について触れるわけにはいきませんが、参加できなかった方のためにせめて雰囲気でも伝えられたらと思い、ここに当日の模様を簡単にご紹介するしだいです。参加された方にとっても、講演会の思い出を振り返る一助になれば幸いです。
★事前および舞台★

 北とぴあの建物前には平和祈念像だけでなく、磁力によって白地に黒い文字が浮かび上がる“せんせい”の大きいバージョンみたいな掲示板もあって、各会場でのその日の予定が掲示されています。もちろん、プラネタリウム館の夜の部には、「森ぱふぇねたばれ講演会」の文字を出してもらいました。そう、今回の講演会は夜の開催なのです。これも森先生の小説関係の講演会としては、おそらく初めてのことですね。まさに夢のディナショー(ディナは出ませんが)。

 昼間は曇っていた空も、夜が近づくにつれやわらかな夕陽が差すまでになっていました。いつも天気が悪いことで有名な(笑)森先生の講演会にしては珍しいことですが、きっとミステリィの神様(どんなやつだ?)が、ネタバレ講演会に相応しい、包み隠されない部分もある空を用意してくださったのでしょう。

 建物の中に入り、エレベータで6階に上がると半円筒形の長い渡り廊下がプラネタリウム館へと続いています。今回の講演会場であるプラネタリウムのホールは、床が平面になっている一般的なタイプではなく、映画館のように座席に段差が設けられているタイプなのです。投影スクリーンも前方に傾斜した形で配置されています。さらに、中央にある投影機は台ごと降下させて収納することもできるようです。おそらくプラネタリウム以外の目的にも使われるんでしょうね(今回の講演会みたく)。スペースが広く取れない都会の中のプラネタリウムの特徴かもしれません。ホールの前方には小さな演壇があり、ここで森先生が講演してくださることになります。壇上の机と森ぱふぇからの花、そしてマイクや照明など会場準備も整い、間もなく開場時間を迎えました。


★開場★

 午後6時30分、いよいよ開場となりプラネタリウム前には、次から次へとぱふぇら〜たちがやってきます。一般の参加者の姿はありません。森ぱふぇ主催自体が初なので当たり前ですが、今回は初めての森ぱふぇ会員限定の講演会でもあるのです。一生に一度参加できるかできないかというネタバレ講演会(ちょっと大袈裟か)だからでしょうか、みんな緊張感と期待感に満ちた表情をしています。しかし、そんな熱い情熱を持ちつつも静かに整然と並ぶその姿は、さすが森先生を愛するぱふぇら〜ですね。皆様のご協力に感謝です。

 受付では会費を払ってもらった人から順に座席指定券を受け取っていただきました。この座席指定券にはお土産引換券が付いていて、入場時にそれと引き換えにファン垂涎の超豪華!森ぱふぇグッズ(誇張あり)がもらえるというシステムなのです。こうして、大きな混乱もなく開演予定時刻の7時までにはほとんどの会員が受付を済ませ、会場入りを終えたのでした。さあ、あとは夢の開演待つばかりです。月では使えんバネばかりです(<意味のない余計な韻を踏まないように!)。

 プラネタリウム内には約150席の座席があり、基本的には受け付け順に前のほうから席が割り当てられました。開演時間が近づくにつれて自然と前から後ろへ席が埋まっていく格好です。開演までの間、ロビィに出て時間を潰す人もいましたが、そう広くはないので、ほとんどの人が会場内の自席に座って思い思いの時間を過ごしていたかと思います。普段はプラネタリウムに使われているため、会場内の明るさは一番照明を明るくした状態でも、本を読むにはちょっと暗い感じだったでしょうか。時間とともに人は増え、静かではありましたが森先生の登場を今か今かと待つぱふぇら〜たちの熱気で、だんだんと充満していきました。

 薄暗く、静かで、暖かい・・ときたら、いかにも眠気を誘うシチュエーションではあります(笑)が、今日ばかりはうっかり寝てしまうわけにはいきません。なんせ森先生の講演会、それもネタバレ講演会ですからね。寝ていて貴重なお話を聴き逃したりしたら、あとから悔やんでも悔やみ切れるものじゃないでしょう。一生後悔するどころか、子々孫々の代まで語り継がれてしまうほどの後悔かもしれません(<それは言い過ぎ)。なんて言ってますが、実際にはもう眠気なんか感じる余裕は全然なかったのであります。スタッフも人の子、というか森ぱふぇの子(笑)、生の森先生に出会えることへの緊張とどんな話が飛び出すかという期待で、始まる前からドキドキなのです、いやほんとに。


★プラネタリウム投影★

 そうこうするうちに、後ろの方まで座席は埋まり、ほぼ満席になりました。そして午後7時、待ってましたの開演です! 建物の外ではすでに日が暮れていましたが、街に闇の帳が降りていったのを追い掛けるように、ホール内も徐々に暗くなっていきます。そのうち頭上には一番星が輝き始め、主要な星々があとに続き、やがて、東京では見られないようなコントラストのはっきりした満天の星空が現れました。その美しさに思わず漏れる溜息。もちろん天井が割れて本物の夜空が見えたわけではなく(笑)、プラネタリウムによる投影です。しかも単なる星空ではありません。せっかくの機会ということで、『笑わない数学者』の中で、犀川先生萌絵が観たのと同じ1996年12月24日の三重県の星空を投影してもらったのです。このときのオリオン座はちょうど南中している場所にあり、ほどなくして、オリオン座とその隣にあるシリウスを含むおおいぬ座に星座図が重ねられました。そんな幻想的な暗闇が数分間。特に詳しい解説はしてもらいませんでしたが、静かな星空を楽しんでいただけたでしょうか。


★開演★

 さて、そんな静寂を破ったのは司会のをかへまさんの声でした。それと同時にスタッフの手でスポットライトも点灯。これがほんとのライトスタッフか(<いらんこと言わんでいい)。をかへまさんの開会宣言と諸注意のアナウンスの後、ついに森先生のご登場となったしだいです。拍手で迎えられる森先生。スポットライトに照らされながら、ゆっくりと壇上に上がられ、椅子に腰を下ろされました。そのお姿はやっぱり小さくて可愛いですね〜(にこにこ)。服装は白っぽいシャツに黒の上着を着ておられます。そうそう、この上着に関してですが、東京へ来られる前のこと、家を出て名古屋駅に到着されるまでの間、実は息子さんの上着を間違って着ておられたんだそうです(笑)。もちろん後ほど気づかれて、引き返して着替えてこられたそうですが、なかなかお茶目な森先生であります。そんなふうに前日にあった面白いかもしれない話などを、導入として森先生は軽く語られ、緊張感漂っていた会場は一気にナゴヤドームになりました。へぇ、そりゃまた広くなったもんだなあ・・って、違う違う、いくら天井が丸いとはいえナゴヤドームになるわけないでしょ。えっと、正しくはなごやかムードですね(すみませんねぇ、くだらない洒落で引っ張って)。

 それから講演内容の公の場での公開禁止について、森先生自らも少し話されました。毎回言っておられますが、森先生の口から出た言葉には著作権が発生するはず(<将来本にする可能性もないわけじゃないから)で、基本的にはネタバレ云々にかかわらず勝手に公開してはいけないことになっています。それでも公開されてしまうことへの対策として、今までの講演会ではあとから振り返ってみても何の話だったかを把握しにくいような講演をされてきたとのこと。しかし、今回のようなネタバレ講演会だと内容も明確で伝えやすいものばかりになってしまう(しかも意図しないことを書かれてしまうこともある)ため、特にレポート等の公開は強く禁止されたしだいなのです。

 そんなわけで、これ以降の詳細なお話は残念ながら書けませんが、今回参加できなくて内容をどうしても知りたいという方は、参加者とお友達になって個人的にお聴きになってみるのもひとつの手でしょう(別にお友達にならなくてもいいですが)。参加された方もお友達とかに話すのは問題ないとのことでした。「聴いた話は墓場まで持っていけ」と言われなくて良かったですね(にっこり)。

 そして本題へと入るわけですが、もうただひたすらに作品に関するネタバレ話が続きました。用意されたOHPシートは字が大きめにされていることもあって、その数なんと約100枚! それが1枚1枚スクリーンに投影され、森先生は淡々とした調子で「えっ、そんなことまで言っちゃうの?!」というドキドキの内容をお話ししてくださいました。ところどころで笑いも起こったりで、とにかく聴いてて楽しくなるのです。何が楽しいって、それは言えませんよ(ふふふ)。終了予定時刻の午後9時ギリギリまで講演していただいたのですが、もっともっと聴きたくなるような本当に貴重なお話ばかりでした(感涙)。講演終了後、会場全体が恍惚感に包まれていたと言っても過言ではないでしょう。気圧が50hPaくらい上昇したかもしれない濃密な2時間でしたね〜。


★名刺にして交換★

 ネタバレ話の感動覚めやらぬうちに、引き続き森先生との名刺交換会となりました。森先生は壇上に座られたままで、その机の前で会員がひとりずつ名刺を交換していきます。夜が遅いこともあり最初は帰りを急ぐ人が優先され、そのあとは座席の列順に呼び出され、少しずつ並んでいくという方式です。森先生はいつものようにとても優しく、会員ひとりひとりと短いながらも会話を交わされ、握手までしてくださるというサービスぶり。しかし、森先生のサービスが良過ぎたせいか(笑)、予定していた30分間ではとても全員との名刺交換は終わらず、結局午後10時前まで続くほどの大盛況となりました。名刺交換を終え帰っていく会員の方々の表情は、どれも幸せそのものといった感じでしたね。名刺交換会の後半では森先生や会員の皆様に急いでもらうことになってしまいましたが、なんとか無事に全員が名刺交換を果たせました。最後にしてほっと安堵の森ぱふぇスタッフです。

 こうして夢のようなひとときは終わり、東京の街にも本格的な夜が訪れました。この夜眠りについたぱふぇら〜たちは、それぞれ夢の続きを楽しんだことでしょう。忘れてはいけません、覆い隠され見えなくても、そこには変わらず、輝く星が存在することを…。って深いこと言っているのかいないのか判りませんが(苦笑)、このへんで失礼したいと思います。


★お礼★

 最後になりましたが、何よりも大変貴重な楽しいお話の数々を、惜し気もなく披露してくださった森先生には最大限の感謝を申し上げます。そして会場の提供およびこちらのわがままも快く聞き入れてくださった、北とぴあ関係者の皆様には深く御礼申し上げるしだいです。また、会員の皆様のご協力のおかげで、受付をはじめこの度の講演会がスムーズに進行できましたことを、スタッフを代表して感謝致します。ありがとうございました。これからも森ぱふぇをどうぞよろしくお願い致します。

(文・写真=しばしん@記録係)
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