>長編と短編と、どちらがお好みですか?(書く方も、読む方も)  読むのは短編が好きですね。書くのは、どうかな、まだ よくわかりません。 >短編と長編はどちらが書きやすい(お得意)でしょう? >やはり、所要時間に差はありますか?  1作品当たり、であれば短編の方が楽ですし、  同ページ数当たり、であれば長編の方が楽です。  得意とか不得意はありません。 >森作品の映像化のお話ですが、もしもちかけられたら、 >お断りになりますか? >お受けになったとして、どうしても譲れない点はありますか?  たぶん、お断りにはならないでしょう。  どうでもいいって、いつもおっしゃっておりますし。  考えてないご様子です。 @都馬(主人に代わってお仕置き、じゃなくてお答えよ!)さん >よく、「森はまだ作家じゃない」という意味の発言をしておられますが、 >森先生の考える「作家」の定義ってどういうものでしょうか?  やはり、人生を「作家」に捧げる決意をした人です。 >印税収入が助教授としての収入を超えたら作家、とか……  これでいったら、宝くじに当たっても、助教授では  なくなってしまうわけですね(笑)。 >先生は小説家ですか?  森が何者か、という問いは、相手が誰かによります。  森自身にとっては、森は森ですね(笑)。  少なくとも、自らを小説家と名乗ったことはありません。  他人から見て小説家になろう、とは思いました。  その目的は達せられた、といえるでしょう。  しかし、自ら名乗るほどの存在ではありません。  他人がどう呼ぶか、関心がありません。  ただ、森にとって小説はビジネスであり、この点で、他人と関わります。  したがって、自分が小説家でない、と否定することは無理があるといえるでしょう。 >ミステリィ以外のジャンルの小説をお書きになるご予定は?  全然ミステリに拘っていませんが、そうですね。出版社が  嫌がるでしょうね。やっぱり。森は出版社の意向には全然  逆らう気がありません。こうしろ、と言われればそうします。 >SFをお書きになる予定はおありでしょうか?  書くかもしれません。でも、SFと認めてもらえるかどうか。  ミステリィだって、同じです。認めてもらえるかどうかは別問題。 >ミステリィに影響された事件が起こりました。 >作品に影響はでますか?(きっと、でないと思いますが,確認)  でないです。 >ミステリィを糾弾する向きについて、一言お願いします。  関係ありません。やりたい人はいるんでしょうね。  こういうことに反応すること自体、関心がないです。 >サインを求めると、いつも快く応じて下さいまして、ありがたいのですが、 >参考までに、どんな風に求められるのが一番望ましいとお考えでしょうか? >もしかして、サインはお嫌いでしょうか?  字を書くのが嫌いなんですね、とにかく。つまり、どっちかっていうと  嫌いですが、しかたがありません。  色紙とかは困りますね(笑)。  森がサインをしてもらうときには、その作家の全作品を読んでいて、  その作家の本にしてもらいます。綾辻さんとか、我孫子さんとか、  太田さん、笠井さん、他、いろいろな作家の方にお会いしましたが、  森はサインをして下さい、と言えませんでした。全作品を読んでい  ないからです。これは、あくまでも森の基準です。日記にも書いた  とおり、サインをもらったのは京極さんと西澤さんだけです。 >森先生、サイン会は絶対にしないそうですね。  ええ、しないつもりです。5人くらいならしてもいいけど。  できれば、印鑑にしたいです。 >作家になって、良かったこと,悪かったことをお聞かせ下さい。  良かったことはお金がもらえたこと、悪かったことは時間がなくなったこと。  真面目すぎますか?でもビジネスってみんな時間とお金を交換するんですね。 >やっぱり、小説を書かれるようになって、経済的には楽になったんでしょうか? >まだ、そんなに還元されてませんか?  ずっと質素な生活をしているので、お金が余分にあっても影響が  少ないのは確かですね。いままでも、お金に困ったことはないし、  もっとお金が欲しいと思ったこともありません。ただ、高い模型  が買えるのが嬉しいです。本当に助かっているのはたぶんスバル  氏でしょう。若い頃は本当に彼女に苦労をかけました。 >原稿を出版社に出す際は,フロッピーか何かでお渡しになるんでしょうか?  そうです。3.5インチ1枚です。この他にプリントアウトも送ります。  ここだけの話ですが、編集の宇山さんと唐木さんにお見せする  原稿には、トビラに特製イラストが入っています(笑)。  >あの、こういった「特別原稿」ってどこにいくのでしょうか? >校正済みのゲラって、マニアにはたまらない魅力が……。  全部帰ってきます。ずいぶんしてからですが。  こういうのが溜まってしまって困っています(笑)。  ほとぼりが醒めたら、捨てるものです。 >校正は、やはり、パソコンで?それとも,赤鉛筆?  最初はパソコン。ゲラになってからは赤のサインペン(これが2回)。 >作家としてのお仕事って、執筆やインタビュー以外に、どんな事があるんでしょう? >(サイン会はなさらないということでしたが)  さあ、よく把握していません。しかし、執筆もインタヴューも  それを校正する仕事が倍以上ありますね。 >ところで、愛読者カードって作者に届くんですか?  忘れた頃に届きます(笑)。  一気に来ると、読むのに半日かかります。 >森先生が自作のなかで、最も書きやすいキャラクタと >書きにくいキャラクタ (動かしやすい、とか、勝手に動いて >困ってしまうキャラクタ),そして、最もお好みの女性キャラは >誰でしょう?  特に別け隔てはないですね。書きやすいのは国枝桃子ですね。  きっちりしているし、口数が少ないから。お好みなんてありませんよ。ホント。 >トリックやネタを思いつかれるのは、どんなとき(シチュエーション) >が多いでしょうか?「ミステリィを書くぞ!」と意識して考えられるんでしょうか?  意識して考えますが、無意識に覚えていたことが浮上する  だけでしょう。 >先生は、「地の文」をどういう視点で書かれますか? >作者の視点で、でしょうか?それとも登場人物の視点で、 >でしょうか?  基本的に、登場人物の視点です。同じ節(章の中でナンバーがついてます)  では、同一の人物の視点にしていますが、例外的に入れ替る場合は、一行  開けたりします。ただ、萌絵の視点で、「萌絵は嬉しそうに笑った」とか  書く場合があって、これは正確には「他人から見て嬉しそうに見える顔を  萌絵は意識的に作った」という意味です。  犀川が見ても、犀川はそのとおりの「言葉」で認識するわけではありません。  それを「言葉」にするのは作者です。したがって、そういった意味での作者の視点なら、  話は別です。犀川が「女」だと認識しても、実は男が女装していた場合、  「彼女」とは書けません。それが、推理小説のフェアということになっています。  しかし、それも場合によりけりで、その「彼女」がニューハーフなら、  戸籍は男でも「彼女」でOKです。上記の「そっくりさん」の場合も、  その人を周囲がどう認識しているのかによって、表現は異なるでしょう。  ただ、海外のミステリィでは、視点なんて飛びまくっています。例えば、  コリン・デクスターなどが良い例です。「作者の視点」というのは、  メタミステリィ以外では無理でしょう、本格的な推理ものの場合。 >自分以外の他者から、自分の行為、作品等について褒められることを >どう思いますか? また、褒められた場合どのような感想を抱きますか?  「ああ、この人はわかった」と思います。逆の場合は、  「ああ、この人はわからなかった」と思います。  いずれの場合も、森の作品に対するフィードバックはありません。  読者の感想を聞くことは、読者の人物像を知ることです。  作品の価値になんら変化はありません。  褒められても作品の価値は高くなりませんし、  その逆に、非難されても、作品の価値は下がりません。  突き放したような言い方ですが、これが正直なところです。 >誰(もしくは何)から褒められることが一番うれしいですか?  当然ですが、自分。誰でもそうだと思いますが。 >森先生にとって最大の賛辞とは?  本を読んでくれたという事実。言葉の場合は人によります。 >日本のミステリィの変遷から受けた影響について  ほとんど影響されていないと思います。  横溝読んだことないし、角川映画も見てません。邦画はほとんど見ないです。  赤川だけは、最初の20作くらいは読みました。面白かったです。  この時代の森はやっぱり筒井康隆でしたね。あとは、海外ものばかり・・。  映画と言えばSFばかり・・。音楽はロックばかり。 >先生は「ドグラ・マグラ」のような小説を書きたい、または書こう、と >お思いになられることはありますか?こういうとどうも漠然としているんですが、 >要は、あの作品のようにその作家の代表作と呼ばれる奇妙奇怪な、空前絶後式の、 >わけのわかるようなわからないような、 とにかくメタな小説――それを、 >どうお思いになられるでしょうか?  これ、なかなか良い質問ですね。  つまり、「この一作に賭ける!」という意気込みのことでしょうか?  それなら、森にはありません。死ぬまでに書く全部で、一作です。  それとも、怪奇怪奇のどろどろストーリィでしょうか? それなら、  書こうと思ったら書けるでしょう。テクニック的なことです。  しかし、ドグラマグラのような小説は書きたいですよ。書けるものなら・・。 >森先生のメフィスト連載漫画 「茉莉森探偵の事件簿」の主人公(?)、 >茉莉森探偵の名前って、 森鴎外の娘、森茉莉さんから付けたんでしょうか?。  まあ、そんなに、これはってほど力入っていませんけど・・。  他にありませんから、そうですね。  少なくとも、森鴎外も森茉莉も作品はほとんど読みました。 >森先生のローマ字のサインは、閉曲線にならないようにかかれてるんですか?  そのとおりです。特に、OとRですね。 >先生が文章(ここではミステリィという前提で)を書く際、何を一番重要にしていますか? >言葉回しとか、構成とか、という意味なんですが、  そうですね。文章で最も大切なことは客観性、つまり、他人が読んで理解できるか、  ということでしょう。絵でいうとデッサンになりますね。基本的なことですが・・。 >大まかな筋を書ききってから、細かい肉付けをしていかれるのでしょうか。 >それとも、ある程度まで進めてから、手直しなど加えていかれるのでしょうか。  まだ経験が浅いのでこれといったスタイルはありません。模索中です。  一日で一気に書いて、肉付けした作品もありますし、順番に書いたものあります。  ただ、ワープロですので、あちこち常に直します。だから、連載なんてできませんね(笑)。  どちらにしても、書きながら先を考えます。  途中でつまづいたり、行き詰るのが普通です。でも、それを乗りきる  わけですね。誰も、すらすらと書いているわけではありません。  最初に考えても良いし、途中で考えても良いですが、全体のまとまり  をどこかで考えなくてはならないでしょう。テーマもそうです。  森の場合は、ほとんどきっちり決めて書いたのは「冷密」と「詩私ジャ」  ですね。あとは、書きながら考えました。  で、後者の方が面白いでしょう? 前者の方が緻密にはなりますね。 >森先生は、ひとつの物語を書かれる(書き始める)とき、 >最初から最後まで一通りのストーリの展開などは、すでに頭にあるのでしょうか。 >それとも、書きながら自然に構成されるのですか?  おおよそはありますが、書いているうちにそれも変わりますね。  つまり、書かないと考えられないようです。  おおよそのストーリは、その一作より大きな枠組みでも存在します。 >先生は小説を書かれる際、大体どのあたりでテーマを考え、決められるのですか? >私自身の場合、テーマがほとんどラストに近くならないと決まりません。  ですから、ラスト近くになってテーマが決まったら、  そこからすべて書き直しせば、ラストになりませんよね。  ワープロの書き方ってこうではないでしょうか。  森は、ワープロがなかったら1行だって文章を書きません。 >先生は小説を書かれる際、大体どのあたりでテーマを考え、 >決められるのですか?  結果的に思いついてから、大幅にすべて直しますから、  つまり、思いついたら、半分ってことですね(いい加減!) >テーマとトリックとでは、どちらが先に存在してきますか? >やはり、そのときそのときなんでしょうか。  テーマとトリックはたいていはトリックですね。  それに合わせてテーマを持ってくるのかな。  しかし、両方おぼろげにはそろわないと、  書き出せないような気もしてきた。うーん、分析できませんね。 >「5万文字」ってどうやって判るのでしょう。 >そしてこーゆうのって大きく外れたりはしないんでしょうか。 >経験則、ですか…?  噂では小説全体を何文字で書くって最初に決めるからとか。  でもたまに聞き返すと変動してたりするんですけどお。 @高坂れんむさん  えっと、高坂さんがお答えになっているとおりです。  だいたい長さを決めて書きます。 >単行本が発行になるときは、そのフォルムにどこまで凝る、 >とゆうか口を出されますか。 >森さんとしての単行本の美学、みたいのの具現化を目指されるのか、 >信頼できる人にお任せモードになるのか。  本の装丁にはあまりかかわりたくないですね。  どっちかというとお任せ、です。  美学を結集したら、同人誌になっちゃうでしょう。  現在も本文以外はまったくノータッチ。  本が出きるまで一度も見ません。 >先生は売れるだろうと分析した、内容・構成の小説を書かれているのか、 >それとも、書きたい/書こうと思われて書いた小説が、 >読者に受入れられ結果的に売れたのか、どちらでしょう?  答は前者です。森はビジネスで小説を書きました。  書きたいだけなら、発表しませんし、有料で売らなくて、コピーして配りますよ。  つまり、お金と交換するために、自分を殺した部分があります。  それが「仕事」という意味です。もっとも、嫌いでいやいややっているわけでは  なく、そこは折り合いをつけています。 >読者との共感の時間的ずれについて  読者とそういった共感をともにすることはありえません。  読者からの感想を聞くことは、読者の人間像を知る  という取材みたいなもので、作品に対するフィードバック  は森の場合は皆無です。つまり、影響はありません。  そういう頑固者が小説家になっていると思われます(笑)。 >直接でもあまり影響は受けられませんか?   影響はどこからでもいろいろ受けているとは思います。  ただ、書いてしまった作品に関して何かを言われても  あまり意味を見出せないし、たいていの場合、  既に考察済みのことです。書評なども、森の場合、これと同じです。  以下は、ご質問には関係ありませんが・・。 「面白かった」という感想は「ありがとう」という意味と同義だと思います。  ところが、「面白くなかった」という感想って、何が目的なんでしょうね?  誰に向かって発した言葉なのでしょう?いつもそれが不思議なのです。  「私は理解できなかった」ということを公言して、仲間を見つける行為かな?  少なくとも、作家や出版社に対する意見とはなりえません。  まあ、販売妨害行為としての価値はあるかもしれませんけど・・(笑)。  それとも、「貴重な御意見ありがとう」という作家や出版社の対応を  本気にしているのでしょうか?  森が日記で、読書感想を詳しく書かない理由はここにあります。  つまらない場合は、読まなかったことにします。  そして以後読まない。それ以外に読者に選択肢はありません。  どうも思っていることを正直に書くと言葉がきつくなりますね(笑)。  まあ、フィルタを通して読んで下さい。  ただね、「私は自分の思ったことを書く」  「それが自由だ」というのは正論ではありません。  廻りの友人の性格や容姿を思ったとおり酷評して  「御意見ありがとう」なんて言われませんものね。  読者の方から感想のメールやお手紙を頂くのは、  とても楽しいことです。それは間違いありません。 >森先生の作品で、誤字等の訂正は、第何刷で直されているのでしょうか? >訂正が済んでから購入しようと思っているので、教えて下さい。  見つけしだい、常に直しています。いつ完璧になるのかなんて  わかりませんが。 >先生は御自身の作品を書店でチェックしてみたりすることはありますか? >作品にコメントのPOPがつけられていたのを発見したことはないですか? >今まで御自身の作品についていたもので「これはなかなか」逆に >「これは余計」と思ったものがあれば、ぜひ教えてください。  どんなのを見ても微笑ましい、と思います。  余計だ、と思ったことはないですね。  ただし、本屋さんでノベルズのコーナには滅多に行きません。  だって、間に合っていますから・・。  出版社から送られてくる本の1割も読めない状態なのです。  自分の本を本屋で手にしたことはありません。 >先生の小説の殺人事件というのは、割と、リアルなもの、 >感情的にあり得るものとして書いておられるのですか?  ええ、そのとおりです。  国内ものでよくあるミステリィって、むしろ  リアルじゃないものが多いです(森にとっては)。 >シリーズものの物語が終わってしまうのは、登場人物にもう会えないという点で、 >死んでしまうことと同じだなあと思ったのですが、 >森先生はどう思われますか?  そう思う人もいるのだなあ・・、と思いました。 >日本語を美しい、趣深いと思われることがありますか? >あるとしたらどういう点にでしょうか?  特に日本語が、と思うことはほとんどありません。 >私は「作家として」ということでお尋ねしましたが、 >回答の「単位時間当たりの情報認識量の多さ」というのは「作家として」、 >「読み手を意識した時に」ということでしょうか?  一般論でしたね。作家としても、特に日本語がどうこうとは思いません。 >森先生は他の作家の方と会われるときはどう思われておられるのですか?  ほとんど会いませんからね(笑)。会うときは作家として同業者に  会うのだと思います。読者として会うことはないでしょう。 >最後の方の講談社ノベルスの既刊書籍一覧のキャッチコピーを見ると、森先生 >の分だけ言葉遣いが異質で、ライターの強い思い入れが感じられます。 > (京極先生の分も、別の意味ですごいですが、、、)  担当の唐木さんだと思います(よく知らない)。  京極さんも担当は唐木さんです。 >小説を書く際のBGMは?  ジェネシスかテレビジョンかロキシーミュージック >森先生は講演会の依頼などがあった場合はどうされますか? >しかも、それが大学祭での講演依頼だとしたら・・・  そういった依頼が実際にあってから判断します。  架空で条件が曖昧な質問でお答えできません。 >何故、「ミステリィ」という表記にこだわられるのか  こだわっていませんが、伸ばすより良いでしょう?  例外が多いですが、yで終わるものはなるべくこうしようと。 >イラストを描かれる際のペン先は「Gペン」「丸ペン」「かぶら」 >それとも、「ロットリング」でしょうか?  丸ペンか0.1か0.15のロットリング。 >若き日の犀川先生のミステリィをお書きになるご予定は?  ノーコメントです。 >まんがを描いてらした先生が、小説を書こうと思ったのは何故ですか?  何故でしょうね。よくわかりませんが、きっと漫画より簡単だからでは? >先生ご自身の作品をまんが化したり、挿し絵を描いたりするご予定は?  ありません。イメージを固定してしまうからです。 >登場人物が言うことを聞かないときってありますか? >#特に西之園さん  ええ、ええ、そのとおり、頻繁にあります。  これは許せんな、なんて思いますものね(分裂症か)。 >執筆が早くても本の発行ペースを上げることは無理なのでしょうか?  小説がメインだったら、毎月一冊出してもらってもいいですけどね。  いつ書きたくなくなるかもしれませんし、校正したりとか、いろいろあるので、  今のペースが自分は気に入っています。読んでくれている人にはごめんなさい、  としか言えませんけど・・。つまり、予告をした森が悪いんです。  予告なんか書かなければ良かったですね。もう、遅いか・・。  でも、森が今日死んでも、あと少なくとも6冊は出ますから。 >森先生はかなりご多忙だとお見受けするのですが、トリックの >Ideaなどは何時考えつくのでしょうか。  寝るまえですね。 >京極先生の「すべてはデブになる」をどう思われますか  どうも思いません。事前にお断りの連絡がありました。 >小説の中で、某ビルが「最初から意図的にデザインされたものなのである」 >という記述がありました。 >そこで質問なのです。「デザイン」には「最初から意図的に」は、 >されなかったものはあるのでしょうか? >あるとしたら、それはどういったものですか?  デザインは最初から意図されたものですが、  そのデザインが意図しない対象に効果を発揮することも  ありますね。他の目的でデザインされたのに、という場合。  ただ、この場合は、「デザインされた」とだけ書くと  一般の人には意味が通じないから強調されているだけです。 >わたしはいつもノベルズを初版で買っているのですが >誤植や訂正箇所一覧みたいなものはあるのでしょうか? >教えて下さい。  校正箇所の一覧表は作っていません。  初版はいずれも誤植が多く、版を重ねるごとに治ります。  ただ、気づいた場合も「これは間違いだな」とわかるものばかりで、  誤読してしまって、他の意味になって、本筋に影響がある、  大きな誤解が生じる、という例はなかったと思います。  本当は、読者が気づかなかったミスが重大なのです  (間違って認識してしまうから)。  という理由で、公表しておりません。  気になさることはないでしょう。  例えば、「F」の初版は、表紙の引用の文章が間違っていますよ。 >「F」を再読していて思ったのですが、犀川先生はめったに >プリントアウトせずにディスプレイで見るだけだ、と書いて >ありましたが、森先生はどうでしょう。  プリントアウトは、そうですね、仕事で  1カ月に10枚くらい出しますか・・。  自宅ではプリンタは使っていません。  ようするに、出力しません。  小説も、出力したものは見ません。  小説は縦書きの2段組みで書いています。  画面にページの半分が見えるわけです。 >使用しているFEPとワープロ  VJEはFEPで、クラリス・ワークスはワープロです。  つまり、これを両方使っているのです。 >『今もう』の時のような、ポップはもう、作られないのでしょうか。  ええ、作れと言われないので。 >森先生の日本語ルールでは、「ボジョレー・ヌーボー」は、どんな表記になるのでしょう?  そのままです。  「ー」を付けないのは、それを取っても3文字以上のもので、  英語のスペルがerで終わるもの(主として動詞があるもの)です。  また、子音+yで終わるものは「ィ」を使います。  但し、例外が幾つかあって、取ると誤解を生じるもの「ハッカー」「バッター」など、  です。これ以外にも例外を自分で決めて表にして持っています。  いずれにしても、伸ばさない方が発音は近いですね。 >>男女の仲に興味のない者に小説は書けない、というのもありましたね。 >と書いておられましたが、これは森先生もそう思われますか?。  一般論としておおかた正しいでしょう。  「ミステリィに恋愛を持ち込むな」ということを言う人もいますが、  それは、「ミステリィに自衛隊を持ち込むな」と同じくらい頓珍漢です。 >森先生は何を得るために大学の仕事をされ、小説をかいていらっしゃいますか?  お答えしましょう。  それは、ある言葉を使えば「お金」です。  別の言葉を使えば「自由」と「可能性」です。